オランウータン舎に新設した

運道具について

 

 

設置のきっかけ

満2歳をすぎ、スーミーから離れて遊ぶことが多くなったウータン君。
子供時代というのは動物の一生を考える上でとても重要です。

しかもオランウータンは寿命を全うすると40〜50年も生きる動物です。
子供時代をいかに過ごしたかが、残りの人生に大きな影響を与えます。

今回、私たちはウータン君が将来にわたりより豊かな人生を送れることを願い、ある運動具を設置することにしました。動物園という特殊な空間においても出来るだけ本来その種がもつ動きに近い運動を再現させようと意図し計画しました。もちろん同じ放飼場を利用するイーバン君やスーミーにも喜んで使ってもらえるものです。

また今後、動物同士のトラブルなどが起きた場合にも逃げ道として機能すれば被害の緩和にも役立つでしょうし、理にかなった動きをしている彼らを見ることは来園者の方々にもきっと魅力的に映る事だと思います。

 

設置の目的(ねらい)
1.ウータンの身体機能増進

2.アダルトのオス、メスの運動量増加。

3.同居などに起こりうるトラブルの緩衝(逃げ道)として。

4.展示効果

 

当園飼育個体
イーバン(1988年生:父親) スーミー(1988年生:母親)
イーバンの写真 スーミーの写真

ウータン(2003年9月生:子ども)

ウータンの写真

 

運道具とは? オランウータンのイラスト
オランウータンにとっての「運動」を考えてみました。
彼らにとって自然な動きとは具体的にどういうものを指すのでしょうか?
観察を通して気がついたことがあります。
立体的に運動しているときの彼らは自分の体を支えるために一方の手のそばで補助的に足を使っています。それは次の動作に移る際に片手をフリーにしている必要があるためです。
この動きが一番しやすいのが、縦に垂らしたロープです。

 

運道具と表記した理由

 

発想の基本構想とポイント

発想の基本構想とポイント
アチェの写真 オランウータン舎の写真
インドネシア、アチェの
オランウータン
  オランウータン舎のレイアウト

 

ポール設置の注意点と条件
  • 安全であること
  • 機能的であること
  • 安価であること
  • 設置がしやすいこと
  • シンプルなこと

 

ポールの写真

 

利用状況
3頭のうちウータンの利用度が最も高く、設置以来3ヶ月が経過した現在でも頻度は落ちません。
時々、ロープの配置を変化させることで利用パターンが変わるようにしていますが、利用頻度に関しては機能的な配置を心がける方が大切のようです。
オランの写真7 オランの写真8
母親のスーミーは、特に縦のロープを利用しています。1本の手と2本の足でロープをつかみ、フリーになったもう一方の手でウータンとじゃれたり、次のロープやポールへの移動を行ったりします。
体が完全に逆さまになっている姿もよく見られます。
オランの写真5 オランの写真6

 

父親のイーバンは枝としての鉄棒グリップを最も利用。オスとしての意識か、土日など来園者が多い日はわざと片手でぶら下がって体をゆらし、驚く来園者リアクションを楽しんでる節があります。ポールの径(60.5mm)は3頭が一番利用しやすい中間点を意識して選択しましたが、イーバンが片手をつかんだ時に最も握りやすい太さを第一に考えました。ロープ(径24mm)はイーバンにとって細すぎるようです。オスのアダルトには30mm以上の径がほしいところです。
オランの写真1 オランの写真2
オランの写真3 オランの写真4

 

 

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