自然観察週報

 1998年6月15日〜6月21日 




〇気象のようす
 

梅雨前線が南に下がって晴れ間がのぞき、気温が25℃を越す夏日が続いて梅雨も一休みの週となった。


月 日 場 所 生物名 で き ご と 観察者
 
6月15日(月)
 
 
自然観察園
 
 
ミドリシジミ
(要配慮種)
 
 
 今年もミドリシジミが飛びはじめました。日没間近の時間帯には、緑色の翅を輝かせて飛ぶ姿が数多く見られます。
 ハンノキに依存した一生を送りますが、自然観察園のハンノキは群落の生育状態がとても良いので、発生状況は毎年、安定しています。
 
 
金 子
 
 
6月17日(水)
 
 
自然観察園
 
 
ミクリ
(要配慮種)
 
 
 開けた浅い水面のある湿地で、花が咲き始めました。
 花は単性で丸い花序となり花茎の上部に雄花序が、下部に雌花序ついています。
 この他に、湿地ではサジオモダカやアサザも花をつけています。
 
 
須 藤
 
 
6月17日(水)
 
 
自然観察園
 
 
アカメガシワ
(季節指標)
 
 
 林縁のあちらこちらで満開となりました。遠くから見ると、うっすらと白く霞がかかったように見えます。
 
 
須 藤
 
 
6月17日(水)
 
 
自然観察園
 
 
オカトラノオ
(季節指標)
 
 
 谷津最奥部のやや乾燥した日当たりの良いところにいくつかの群落があります。
 茎の先端に、小花を多数つける房状の花序をやや傾いて伸ばしています。5弁の白い花は、花序の根元から先端に向かって順に咲いて行きますが、花序の半分ぐらいが咲いていました。
 
 
須 藤
 
 
6月17日(水)
 
 
自然観察園
 
 
スジエビ
(季節指標)
 
 
 自然観察園の中程にある「三角池」で、水面近くの水草の影などに群れています。網ですくってみたところ、たくさんの卵を抱えていました。
 
 
須 藤
 
 
6月17日(水)
 
 
自然観察園
 
 
コアオハナムグリ
(季節指標)
 
 
 ミズキの花で盛んに花粉を食べる2匹を観察しました。今シーズンの初めての観察です。
 近くでは、羽化したばかりと見られる翅の痛んでいないカノコガも観察できました。
 
 
清 野
 
 
6月18日(木)
 
 
自然観察園
 
 
ノコギリクワガタ
(季節指標)
 
 
 樹液の出ているクヌギ大木の脇にあるコンクリート製の標柱の上で、ノコギリクワガタの頭部と堅い前翅の残骸を見つけました。
 遺骸はまだ新しく、出現したばかりのノコギリクワガタを「何か」が、捕らえて解体し食べた跡だと思われます。同じ柱の上には、ノコギリクワガタ以外にも甲虫の前翅などが散らばっていました。
 
 
須 藤
 
 
6月18日(木)
 
 
自然観察園
 
 
シロテンハナムグリ
(季節指標)
 
 
 ミズキの花で花粉を食べていました。普通は樹液に集まりますが、ハナムグリの名の通り花粉を食べることもあるようです。今シーズンの初めての観察です。
 
 
清 野
 
 
6月18日(木)
 
 
自然観察園
 
 
カワセミ
(繁殖記録)
 
 
 自然観察園最奥部の池で、2羽のカワセミが並んで枝先にじっととまっていました。
 2羽とも体色がややくすんで黒っぽいことや、嘴の色合いがやや薄いことなどから今年生まれの若鳥だと思われます。自然観察園で繁殖したのでしょうか?
 
 
須 藤
 
 
6月20日(土)
 
 
柏井雑木林
 
 
イチヤクソウ
(要配慮種)
 
 
 下草の繁った雑木林の中で数株が花を咲かせていました。すでに花の咲き終わった株も見られ、例年よりも花の時期が早かったようです。
 
 
須 藤
 
 
6月20日(土)
 
 
柏井雑木林
 
 
マヤラン
(要配慮種)
 
 
 見通しのよい雑木林で数株が花を咲かせ始めていました。光合成の為の緑葉を持たない、「腐生」ランです。市川では大変少なく、昨年同じ林で数年ぶりに発見されました。
 
 
須 藤
 
 
6月20日(土)
 
 
柏井雑木林
 
 
ネムノキ
(季節指標)
 
 
 斜面林の林縁で花を咲かせはじめました。
 桃紅色の細長いおしべが刷毛の毛先のように伸びて花序全体を赤く見せ、パッと華やいで目立ちます。
 
 
須 藤
 
 
6月20日(土)
 
 
柏井雑木林
 
 
トンボ
(季節指標)
 
 
 雑木林に囲まれた湧き水のたまった浅く小さな池に、クロスジギンヤンマ、オオシオカラトンボ、シオカラトンボ、アキアカネなど、様々なトンボが入れかわり立ちかわり集まってきていました。
 観察できたのは、それぞれ雄の個体で、産卵のための縄張りを確保するために定期的に池にやって来てぐるりと池の周囲を飛び回っているようでした。
 
 
須 藤
金 子
 
 
6月20日(土)
 
 
柏井雑木林
 
 
アカシジミ
(要配慮種)
 
 
 夕刻の雑木林で、コナラの梢の上を飛び回っていました。
 アカシジミは一生を雑木林に依存して生活していて、年に1回この季節だけに成虫が姿を現します。
 
 
金 子
 
 
6月21日(日)
 
 
江戸川放水路
 
 
ボラの子
(季節指標)
 
 
 ボラの子どもたちが江戸川放水路の干潟にやってきました。
 ボラの子は、川の河口域から下流域あたりで暮らし、毎年、今の時期になると見られます。まだ体長2cmほどの、ほんとうに小さなボラたちです。
 
 
金 子
 


〇次週の見どころ予想
  
・水辺でハンゲショウやセリが花を咲かせる頃。
・ウシガエルの産卵時期。
 




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