◆  市川自然博物館だより  ◆

12・1月号

特集 身のまわりの自然を観察しよう!

市立市川自然博物館  1989年12月1日発行

特集記事 市川のこん虫 むかしの市川 行徳野鳥観察舎だより



特集記事



特集 身のまわりの自然を観察しよう!

『自然観察』ってなあに?

  自然観察とは、特別なことをするわけではありません。自然観察の楽しみは、身近な自然に親しみながら、私達の身のまわりにいる動物や植物がどうやって生きているのかに目を向け、新しい発見をすることです。
  「道端の雑草にもこんなかわいい花が咲くのか」、「庭木でかわった虫を見つけたぞ」。たった数分の観察から自分にとって新しい発見ができれば、身近な庭も道端も公園も限りない未知の世界に変身します。
  さあ、野外へ出かけましょう!。

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自分の『お気に入り』を見つけよう。

  自分のお気に入りの場所や好きなテーマを決めて観察すると、新しい発見がたくさんあるはずです。
  自然博物館では隣接している自然観察園を『お気に入り』の場所に決めて、毎週1回早朝に野鳥の観察を続けています。四季を通じて観察を続けていると、野鳥はもとより植物や昆虫、そして天気までもが様々な変化をして楽しませてくれます。また、夏の夕暮れ時にじっと座っていると、アブラゼミの鳴き声からいつしかヒグラシの鳴き声へとかわり、湿地ではウシガエルが鳴きだします。そしてあたりが暗くなるとヘイケボタルが舞い始めます。このように場所を決めて、季節をかえ、時間をかえて観察すれば、一段と自然観察の楽しみも増すはずです。

発見メモ(sz022.gif、約9KB)

『発見メモ』をつけよう。

  自然観察の楽しさをさらに増すために、観察によって発見したことがらを『発見メモ』として記録しましょう。
  『発見メモ』といっても難しいことを記録するわけではありません。記録用の手帳を一冊用意して、いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうやっていたかを書き留めておけばよいわけです。「誰が」と言っても、動物や植物の名前がわからないと記録ができないとあきらめることはありません。よく観察して、姿・形や色などの特徴を簡単な絵に書いたり、声や臭い、触った時の感じなどを詳しく記録しておけば、跡で人に教わったり、図鑑で調べて名前を知ることができます。自分流の『発見メモ』を工夫して、観察のたびに記録を残せば、また新たな発見が必ずあるはずです。

自然博物館は観察のヒントがいっぱい。

  自然博物館では『市川の自然』をテーマに、林や海辺、市街地などの身近なところで生きる生物を紹介し、展示しています。これらの話題は、季節や場所に応じて注意して目を向ければ、誰でも簡単に観察できるものばかりです。展示室では、学芸員が質問を受けたり、解説したりしますので、観察のポイント等わからないことはお気軽に声をおかけください。

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市川のこん虫




トンボ

トンボのオスとメス(sz023.gif、約3KB)
オスとメスの違い
体を横から見て、オスの腹の先端にある突起物の方が、メスの突起物に比べてふくらんでおり、メスの方が全体的に細い。
  市川市内で今まで記録されたトンボは58種です。このうち、街中でもよく見られるのは、アジアイトトンボ・シオカラトンボ・ナツアカネ・アキアカネ・ウスバキトンボの5種です。また、市指定天然記念物であるヒヌマイトトンボは江戸川河川敷の行徳橋付近で、ヒメアカネは大町自然観察園でしかその姿を見ることはできません。
  トンボは普通、初夏〜晩秋にかけて活動し、幼虫で冬越しをしますが、ホソミオツネントンボは、成虫のまま越冬し翌春再び活動します。
  トンボはサナギの時期がなく、卵→幼虫→成虫と変態し(不完全変態)、成虫・幼虫とも生きた昆虫などをエサとして生活しています。幼虫はヤゴと呼ばれ水中で生活しており、ヤンマのヤゴは、メダカなどの小魚やおたまじゃくしを食べています。

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むかしの市川




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幻の魚チョウセンブナ

  私が子供の頃、チョウセンブナという小魚がたくさんいました。大きさは5cm内外で、尾びれの縁が丸く、体色は黒褐色をしていたように記憶しています。江戸川の河原にあった池や、真間川から分かれる用水路などに特に多くいたように思います。水路の縁や、池の水草の間などを網ですくうと、よくとれたものです。この魚をフナといっしょに飼うと、大きなフナが小さいチョウセンブナに攻撃されて死んでしまうのには驚かされました。
  ところが不思議なことに、この魚は昭和10年代を境に、忽然と消えてしまったのです。今改めて調べてみると、トウギョ科に属し、原産地は朝鮮半島西部から中国、1914年頃に移来し、関東平野を中心に大繁殖し、関東大震災の後に急に増えたので、地震鮒と呼ばれたとのことです。
(博物館指導員 大野景徳 記)

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行徳野鳥観察舎だより



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スズガモ

  「うわぁ、あれ、みんな鳥なの!」
  観察室から見渡すと、水面がこの鴨の群れにおおわれていることがある。その数、1〜数万羽。よそでは見られないほどの大群だ。
  泥深い内湾を好み、潜水して泥中の小さな貝や有機物を泥ごと食べる。リリリリという羽音の「鈴鴨」と言うより、たくさんいるから「数々鴨」なのかも知れない。
  東京湾奥の浅瀬の餌場から保護区に入るには、JR京葉線、湾岸道路、さらに高さ50mもの高圧線を越えなくてはならない。安全な高度をとるため何度もUターンをくり返す大群の飛行は圧巻だが、鴨たちの苦労もひとしお。冬の観察舎の名物だった何万羽もの大群を見るのは、年々むずかしくなっている。

(文と絵:行徳野鳥観察舎 蓮尾純子 )

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