◆  市川自然博物館だより  ◆

12・1月号

特集 雑木林で落ち葉めくり

市立市川自然博物館  1990年12月1日発行

特集記事 市川のこん虫 むかしの市川 行徳野鳥観察舎だより



特集記事



特集 雑木林で落ち葉めくり

冬の雑木林を歩こう!

  葉の落ちてしまった冬の雑木林。とても殺風景ですね。でも、下草が少なくなって、夏には行けなかった木の下が歩きやすくなります。日中天気が良ければ、風も林の外よりは弱いし、いやな虫にさされる心配もありません。冬は雑木林をじっくり観察するにはいいチャンスです。さあ、冬の雑木林にでかけてみましょう。

落ち葉めくりをしてみよう

  秋に落ちた枯葉で林の中はフカフカしています。こんなにたくさんの落葉、いったいどうなってしまうのでしょうか。林の中を歩き疲れたらちょっとしゃがんで落葉を上から一枚ずつめくってみましょう。さあ、落葉はどうなっているのかな? 

1.一番上は落ちたばかりの葉です

  葉の形はほぼ完全です。一枚手に取って上を見てみましょう。その葉はま上の木からおちてきたのでしょうか。そうとも限らないようです。
  手を伸ばせる範囲でも、まわりの木から舞い落ちてきたいろいろな種類の葉が、混じっているようです。匂いも嗅いでみましょう。まだ木のほのかないい匂いが残っているでしょう?
  いろいろめくっていけば、ダンゴムシやゴミムシなどが集まって、冬越ししているのに出会えるかもしれません。

2.その下はどうなっているかな

  葉の形はくずれてきました。色も黒ずんできて、少し湿ってきます。一枚一枚がくっついていて、すきまが少なくなりました。くだけて細かくなった葉があります。端からぼろぼろになった葉もあります。
  葉をすかして見てみましょう。葉が薄くなったり、小さな穴が開いて表面に細かい網目模様が見られます。これは、葉の柔らかい部分からとても小さな生物たちがゆっくりゆっくり食べたり分解した跡です。こうして、多くの生物の働きによって、大きな葉がだんだん細かくなっていくのです。

3.葉の形はもうわかりません。

  落葉は、ぼろぼろです。最初の葉の形はわかりません。もうこの秋に落ちた葉ではないでしょう。
  最後に残っているものは何でしょうか?細かいかけらと繊維のようなものがほとんどです。この繊維は葉脈と呼ばれるもので、とても丈夫で腐ったり生物に食べられにくいのです。細かく細かくなって土の中に混じり込んでしまいます。

4.さらにその下には…

  黒くて、つぶつぶの土が出てきました。しっとりとしていて、栄養豊富な林の土のできあがりです。

  このように、落葉を順にめくっていけば、時間のかかる林の土のできかたを観察することができます。さあ、林にでかけてみましょう。きっとおもしろい発見がありますよ。

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市川のこん虫




ミノムシ

カット(sz091.gif、約5KB)   冬、市内の公園や道沿いのサクラなどの木の枝に、ミノムシがぶら下がっているのをよく見かけます。ミノムシはミノガというガの仲間の幼虫で、種類によってミノムシの入っているミノの大きさや形がちがいます。
  市内には、オオミノガ、チャミノガ、クロツヤミノガの3種類のミノガが普通に見られますが、木の枝についているのは、オオミノガのミノです。他の2種は、小型のミノをつくるので、あまり目立ちません。
  ところで、ミノガの仲間の生態はガの仲間でもちょっと変わっています。オスの成虫にはちゃんと翅がありますが、メスの成虫は翅も触角もなく、幼虫の姿のままで一生をミノの中で過ごします。この冬は、公園や街路樹、そして家の庭木でミノムシのミノを探してみて、その大きさや形やミノの材料を調べてみましょう。

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むかしの市川




雁の話

カット(sz092.gif、約2KB)   市川の海岸では、たくさんの渡り鳥が見られます。それは昔ながらの光景…いえ、少し違います。かつては雁の渡りも見られたのです。
  雁(かり)は、マガンなどガンの類の古い呼び方です。ガンの仲間は多くのカモ類と同じ冬鳥で、秋に北の国からやって来て、春に帰って行きます。
  歌にあるように、たくさんのガンが並んで、「さお」(一直線)になったり「かぎ」(への字形)になったりして、飛んでいきます。夕方や月の明るい夜などに、雁がかわるがわる鳴きながら渡って行くのを見ると、なんとなくものさびしく、見えなくなるまで見送っていたものです。
  東京湾の埋め立てがはじまってからでしょうか。雁の渡りが見られなくなってしまいました。残念なことです。
(博物館指導員  玉置善正 記)

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行徳野鳥観察舎だより



カット(sz093.gif、約3KB)

アオバズク

  低気圧の通過による激しい風雨がおさまって、晴れ上がった夜空にみごとな月がでた。
  「アオバズクらしいよ、見にきてごらんよ。」主人に呼ばれて出ていくと、30m離れた対岸の柱に小さな影が止まっているのが見えた。双眼鏡で見ると、丸い頭をしきりに動かして、あちこちを眺めているのがよくわかる。輝く黄色い虹彩が目に浮かぶようだ。
  アオバズクは間もなく飛び立ち、獲物を探すようにふわふわ飛んだかと思うと、空中で急に向きを変え、何かを追いかけた。すぐにもとの柱に戻り、足を口もとに持っていっては、むしって食べている。蛾だろうか。東南アジアまでの長い旅路は始まったばかり。しっかり食べて、気をつけて渡ってお行き。

(文と絵:行徳野鳥観察舎 蓮尾純子 )

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