平成18年度 市川自然博物館だより 4・5月号 103号

市立市川自然博物館 2006年4月1日発行

     

 特集記事  街かど自然探訪  こんないきもの飼ってます
 くすのきのあるバス通りから  自然博物館のめ  わたしの観察ノート

 


 

特 集
 
いちかわ生き物カレンダー
4月・5月


 

 自然博物館では、開館以来17年間にわたって自然観察の記録をつけています。
 これは、学芸員が日常のなかで気づいたちょっとした出来事を日誌にしたもので、種々雑多な内容が記されています。
 今年度の特集では、そのうちで内容がデジタル化されている平成10年度以降の記録について歳時記風にまとめてみます。

      

 

いちかわの4月

 市川市域の4月は、周期的に天候が移り変わります。
 晴れの日と雨の日が交互に訪れ、気温も20℃を越したかと思うとその翌週には10℃を下回ったりします。
 月初めには暖房がほとんど不要になり、月の後半には汗ばむ陽気の日も多くなります。
 特筆すべきは2002年で、3月から暖かい日が続き、ソメイヨシノが3月上旬に開花し1週間足らずで満開になりました。
 4月もそのまま暖かく、春の進み方が2週間ほど早い年でした。  
 自然のようすに関しては、市川の4月は草木が萌え、花が咲く季節です。
 そして、それにあわせて昆虫も動き始めます。
 多くの昆虫が植物を餌としていますから、当然です。そして、昆虫が動き始めるのにあわせて、今度はさまざまな野鳥が子育てをはじめます。
 市川市域では、4月ごろがいちばん多く野鳥のさえずりが聞かれます。

 

市川生き物カレンダー 4月

   

  

 

いちかわの5月

 5月は、気候が激しく変動します。特に大気の状態が不安定になることが多く、2000年の5月15日には時間雨量57ミリ(鎌ケ谷市)という豪雨が市域を襲い、市内各地で道路が寸断され、低地はもとより台地上でも出水しました。自然博物館の建物でも地下室に水が流れ込む被害が発生しました。
 また、この年は同じく5月に県北部でピンポン玉大の雹(ひょう)も降り、不安定な5月の天気を象徴しています。
 自然のようすでは、5月は木々の青葉が目立ち、明るい春の風景が梅雨の風景へと変わり始めます。
 木々の花が咲き、薄暗くなった林内でも、4月とはちがう野草が花を咲かせます。
 林にも海辺にも渡り鳥が多く姿を見せ、美しい姿と声をわずかな期間見せて、それぞれの旅先へ向かいます。両生類・爬虫類が活発に活動を始めます。

 

 

市川生き物カレンダー 5月

  

 

  

 

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街角自然たんぽう

こうや
高谷・ふれあい農園
旧坂川河口の写真

 県立市川南高校の周辺は、大型トラックの通行が多く資材置き場や残土置き場ばかりのように見えますが、少し裏の細い道を歩くと、意外と広い畑を多く見ることができます。
 5月頃になると、市川市農水産課が主催で市民の方に体験農業を募集して、広いサツマイモ畑をつくっています。
 このふれあい農園は、声をかければ気軽に入ることができます。
 春から初夏にかけて一面の広い畑の風景を味わって見てください。

 

 

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博物館でこんないきもの飼ってます

 生き物の暮らしを知るには、野外で観察する方が、もちろん良いのですが、飼育しているからこそ観察できることもたくさんあります。
 このコーナーでは博物館で飼育している生き物の、飼育下ならではのちょっと変わった行動などを、実際の飼い方と併せてご紹介します。

 

 アッキガイ科  アカニシ

アカニシの写真

アカニシ

 貝類は、アサリなど食用にするもの以外は、生きている姿を見る機会はあまりないので、飼育展示は重要です。
 でも、見て楽しい、飼っておもしろいかというと、難しいところがあります。
 ほとんど動かないので、それでは貝殻標本と同じです。
 運良く動いている時に出くわした方には、水槽に張り付いているときの足の動き、殻から出ている目などをじっくり見て欲しいのですが、隣のハゼの仔が動く水槽に、目が行きがちのようです。

       

こんなふうに飼っています  

  
※ ※ ※ レイアウト ※ ※ ※  

・ 水  

 人工海水を使っています。
 水中から出ることはないので、海水は水槽8分目ぐらい入れます。
 陸地をつくる必要はありません。 

・ 掃除 …

 水はそれほど汚れませんが、食べ残しはまめに取り除きます。

・ その他 

 砂を敷いただけのシンプルなレイアウトです。
 砂を入れすぎると、潜って見えなくなるので、深さ1pぐらいしか入れていません。


※ ※ ※ 餌 ※ ※ ※  

・ 生きているアサリなどの二枚貝を、月に1〜2個やれば大丈夫のようです。冷凍した貝は食べませんでした。
・ 二枚貝に覆いかぶさるようにして殻をこじ開けるので、アカニシの大きさにあった、少し小さめの貝でないとないと食べられないです。
・ 食べ残しや、死んだ二枚貝は、水を悪くするので、翌日も様子を見られる日の夕方にやっています。

 

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くすのきのあるバス通りから 春になりました。

 上野恩賜公園に行きました。
 東京都の鳥対策の一つ 、「ハトに餌をやらない。」 が功を奏して、ハトがいません。お見事です。
 園内ではコゲラが木をラセン状にのぼったり、シジュウカラが集団で移動していました。
 市内のじゅん菜池でカモにお菓子やパンの耳をやっている人を見かけました。
 親子やお年寄りと孫の4〜5組で、あまりの多さに気圧(けお)され、注意しそびれてしまいました。
 3月5日北方遊水池付近でヒバリが鳴いていました。
 7日朝、八幡6丁目の木と草がたくさんの庭からウグイスの声がしました。
 下校時に子供も聞いたそうです。シジュウカラが電柱の上でいい声で鳴いていました。
 ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ハコベ、オオイヌノフグリ、スミレetc. あちこちで咲いています。
 春になりました。   (M.M.)

 

 

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自然博物館の

博物館のめ


チドリ  コチドリ

コチドリの写真

コチドリの卵の写真
 目のまわりの黄色い輪が目立つ。 砂利のくぼみに作った巣。
離れて見た巣の写真 コチドリの市内分布図
離れてみると、巣の存在がわからない。  開けた裸地や砂利地を好む。

 

 

 

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • 雪をかぶった木々の上を、真っ青な空をバックにオオタカが飛んでいきました(1/22)。すかさずシジュウカラが騒ぎだし、カラスが飛び立っていきました。

  • しとしと雨の日、産卵のために何匹もアカガエルが姿を見せていました(1/31)。午後7時にはすでに産んでいましたが、その後はオスばかりで、午後9時前後からしきりに鳴き出しました。

        金子謙一(自然博物館)

柏井周辺より

  • クリオオアブラムシの卵塊がキャンプ場のクリの枝にありました(1/13)。

        小川 晃(自然博物館)

  • 住宅地でロウバイの花がきれいに咲いていました(1/15)。周囲には甘い香りがほんのりと漂っていました。

        吉田 毅さん(柏井町在住)

国府台周辺より

  • 里見公園の少し先、市川ポンプ場近くの道端の日だまりに、オオイヌノフグリの花を見つけました(2/11)。

        高階美江子さん(市川在住)

  • 降りきしる雪の中、エナガ3羽が長い尾を風にはためかせて目の前を飛び過ぎました(1/21)。

江戸川より

  • ビオトープ池と江戸川との合流点付近のタチヤナギにノスリ1羽がとまり、少し離れたオニグルミではハシブトガラス1羽が鳴き立てていました。カラスをあまり気にしてはいない様子でしたが、私が近づくと(それでもカラスより遠方)、お尻を上げてフンをした後、飛び立ってしまいました。やはりカラスより人間が好きではないようです(1/28)。

    以上 根本貴久さん(菅野在住)

  • ヒドリガモと一緒に、オオバンが5羽以上いました(2/15)。上空をヘリコプターが通り過ぎるとムクドリの群れは慌てて飛び立ちましたが、オオバンやカモ類はあまり気にせず、のんびり浮かんでいました。

        宮橋美弥子(自然博物館)

  ◆江戸川放水路より

  • 北風の強い日、水鳥が群れていました。首の長いカンムリカイツブリは、のんびり水面に浮かんでは時々潜りました(1/18)。

        金子謙一
気象のようす
 ◎
1月には久しぶりに市内でも積雪10cm以上の大雪でした。
   その後は春めいた暖かい日が多くありました。

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