平成18年度 市川自然博物館だより 6・7月号 104号

市立市川自然博物館 2006年6月1日発行

     

 特集記事  街かど自然探訪  こんないきもの飼ってます
 くすのきのあるバス通りから  自然博物館のめ  わたしの観察ノート

 


 

特 集
 
いちかわ生き物カレンダー
6月・7月


 

 日本は「四季」の国と言われますが、関東地方では春と夏の間の梅雨、夏と秋の間の秋雨の、2回の雨期をくわえて、「六季」と考えることもできます。
 梅雨は、自然の移り変わりの速い春に比べ、じっくりと夏へと向かう季節です。
 今年度の特集では、平成10年度(1998年)以降の博物館の自然観察記録を、歳時記風にまとめています。

      

 

いちかわの6月

 6月は梅雨の始まりです。
 日射量が少なく気温の変化は大きく、大雨による災害など快適な季節とは言えませんが、夏に備えて、生き物の成長に必要な水を蓄える大事な時期であり、きちんと梅雨らしい雨が降ることが望まれます。
 関東地方の梅雨入り日は、平年だと6月8日です。
 博物館で記録をとり始めてからは、ほぼ6月上旬には梅雨入りの発表がされています。
 順当に季節が移り変わっているように見えますが、その後の経過は年によって異なり、まとまった雨の降る年もあれば、梅雨入り直後からほとんど雨が降らず、気温の高い晴天の日が続く年もありました。
 梅雨の時期の生き物の活動は、たとえばカブトムシやクワガタムシは、晴れて気温が上がれば姿を見せ始めるように、その日ごとの天候や気温に影響されます。
 植物では木々の花は少なく、クマノミズキやクリの花にはたくさんの昆虫が集まります。湿地や草原では、ガマなどの地味な草花が咲きはじめます。

 

市川生き物カレンダー 6月

   

  

 

いちかわの7月

 梅雨入り日は例年それほど異ならないのに対して、梅雨明け日は年によって意外とまちまちです。
 平年並みだと7月20日ですが、2001年は7月11日、2004年は7月13日に、ほとんど雨の降らない空梅雨のまま梅雨が明けました。
 逆に、1998年と2003年は、いつまでもぐずついた日が続き、8月に入ってやっと梅雨明けになりました。
 梅雨が明けると、真夏日や熱帯夜が続くようになります。
 特に、梅雨が早く明けた2001年は記録的な暑さが続き、37.5℃という市川のその年の最高気温が7月中に記録されました。
 梅雨明け後の夏の気温の上昇は、生き物、特に昆虫にとっては大切で、一気に活動が活発になります。
 市街地ではアブラゼミが鳴き出し、長田谷津では、昼間の空はオニヤンマが悠々と飛び回り、夜にはヘイケボタルが光りを放ちます。
 植物ではヤマユリが林の中で芳香を放ちます。
 全体的に花は少ない時期になりますが、木々の実は膨らみ、草丈がぐんぐんと伸びる季節です。

 

 

市川生き物カレンダー 7月

  

 

  

 

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街角自然たんぽう

こうや      ちょうめ
高谷1〜3丁目・大鷲神社
大鷲神社の写真

 高谷1〜3丁目は、もともとは海が近く漁師町で、行徳地域と同じように道幅が狭く、路地もたくさんあり、ちょっと散策をするには面白い街です。
 大鷲神社を探してみてください。
 ヒントは常明寺周辺の細い路地です。
 路地の先には広場があり、その奥が大鷲神社です。
 神社には、大きなイチョウやケヤキ、クロマツなどの樹木が茂っていて、梢にはシジュウカラの幼鳥やオナガ、メジロなどが四季折々に観察できます。

 

 

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博物館でこんないきもの飼ってます

 生き物の暮らしを知るには、野外で観察する方が、もちろん良いのですが、飼育しているからこそ観察できることもたくさんあります。
 このコーナーでは博物館で飼育している生き物の、飼育下ならではのちょっと変わった行動などを、実際の飼い方と併せてご紹介します。

 

 オニヤンマ科  オニヤンマのやご

オニヤンマの羽化の写真

オニヤンマの羽化

 オニヤンマのやごは、いつでも砂底に潜っています。
 慣れてくると、2本の触角や目の端、お尻の先端を目印に探せますが、たいていは「いないね。」と通過されてしまいます。
 やごが皆の注目を集めるのは、羽化の日です。
 朝、開館時間までには、たいてい殻から出終えていますが、枝にとまってジッとしています。
 水槽の上にそっと水槽を重ねておくと、羽化したてのキラキラした羽、まだ白っぽい目、時々身震いするような動き、大きなオニヤンマを間近でじっくり見られます。

       

こんなふうに飼っています  

  
※ ※ ※ レイアウト ※ ※ ※  

・ 底砂

 湧水の流れる小川から採ってきた砂を使っています。
 粘土分の少ない細かい砂です。
 全体を同じ厚さには敷かず、水面から出るぐらいの厚めの場所もつくります。

・ 水深 …

 深いところで1センチほど。やごの厚みより少し深いぐらい。

・ その他 

 羽化が近づくと陸地の砂に潜るので、水位を下げて、ひたひたの場所を増やします。


※ ※ ※ 餌 ※ ※ ※  

・ 生きているアカムシを口元に落としてやります。1匹づつ様子を見ながらやりますが、終齢でおよそ5匹ぐらいを週に1〜2回やります。
・ 慣れてくると、冷凍アカムシをピンセットでつまんで揺らしてやると食べますが、続けてると飽きて食べなくなります。

 

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くすのきのあるバス通りから 道路用地と家の庭

 道路用地のフェンスの中の植物で、季節の移り変わりを感じます。
 今はフアフアと綿毛を飛ばしているチガヤとヒメジョオン、背が伸びたヨモギです。
 チガヤがいっせいに穂を出した時期はきれいでした。
 湿原のワタスゲを思い出しました。
 一時期、犬の散歩の交流場所になっていた事もありました。
 家が取り壊された次の年は、かつて庭で咲いていたらしい園芸植物が芽を出し花開くのを見かけました。
 家の外壁にヤモリの糞がついています。
 糞の大きさから大きいヤモリと小さいものといるようです。
 夜、そっと家を一周するのですが見つかりません。
 時間帯が違うのかも。昼間、庭の植木の葉揺れているので気をつけて見ると、5p位のカナヘビでした。
 晴れた日に鉢植えのアジサイに水をやり、しばらくするとカナヘビが来て、水滴を舌をだして舐めていました。
 場所を変えまた舐めました。
 水分補給だったのでしょうか。   (M.M.)

 

 

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自然博物館の

博物館のめ


マメ科  ネムノキ

ネムノキの花の写真

ネムノキの花のアップ写真
 梅雨時に目立つ花と葉。 長いおしべが花を形成。
ネムノキの花のがくの部分写真 ネムノキの市内分布図
切れ込んだ筒状のがく。  市内各所に自生、植栽。

 

 

 

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • ルリタテハが園路にとまっていました(3/12)。強い風の中で飛ばされないようにしがみついていました。

        西 博孝(自然博物館)

  • スナヤツメが産卵をしていました(3/ 17)。今年も無事に繁殖したようです。

        阿部則雄さん(船橋市在住)
  • ヤマザクラが咲き始めました(3/31)。メジロやヒヨドリなどが集まって花の蜜を楽しんでいました。
        宮橋美弥子(自然博物館)
  • フクロウが営巣していました(4/14)。

        小川 晃(自然博物館)
  • ムモンホソアシナガバチが越冬場所から出ていました(4/17)。

        土居幸雄さん(大町在住)
  • アゲハチョウが飛んでいました(4/19)。まだ羽化したばかりの蝶でした。

        清野元之(自然博物館)
  • キビタキのさえずりが聞こえました (4/26)。センダイムシクイもはりあうようにさえずっていました。
        金子謙一(自然博物館)

市営霊園周辺より

  • フデリンドウが咲きだしました(4/8)。株数を調べてみました(4/19)。4ヶ所の群生地で400株以上確認、1株で20個の花もありました。

         吉田 毅さん(柏井町在住)

うしろ谷津より

  • イヌザクラの大木、中木各1本が八分 咲きでした(4/26)。

柏井雑木林周辺より

  • キランソウ別名「地獄の釜の蓋」らしく 30〜40pの大株が競うように群生しているのに、久しぶりに出会いました(4/22)。
       
     以上 介川武夫さん(曽谷在住)

  ◆北国分周辺より

  • 暗い斜面林が枝おろしされ、タチツボ スミレの小群落が出現しました(4/9)。 

        谷口浩之さん(北国分在住)

  ◆国府台周辺より

  • 林の縁でウラシマソウが咲いていました(4/3)。何本か並んで出ていました。

        T.Mさん(市川在住)

  ◆小塚山公園周辺より

  • アサギマダラを見ました(4/22)。

  ◆里見公園周辺より

  • センダイムシクイのさえずりを聞きました(4/23)。

  ◆坂川河口周辺より

  • オオヨシキリのさえずりを聞きました(4/29)。今年の初認です。

     以上 根本貴久さん(菅野在住)
気象のようす
 ◎
ソメイヨシノが開花してから、低温の日が続き、長く花が楽しめた春でした。

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