平成18年度 市川自然博物館だより 8・9月号 105号

市立市川自然博物館 2006年8月1日発行

     

 特集記事  街かど自然探訪  こんないきもの飼ってます
 くすのきのあるバス通りから  自然博物館のめ  わたしの観察ノート

 


 

特 集
 
いちかわ生き物カレンダー
8月・9月


 

 立秋、秋分と、暦の上では秋になりますが、まだまだ気温の高い日が続きます。
 それでも陽射しが変わり、日暮れが早くなると、秋の花々が咲きだします。
 夏と秋の間を行きつ戻りつしながら、季節は移ってゆきます。
 今年度の特集では、平成10年度(1998年)以降の博物館の自然観察記録を、歳時記風にまとめています。

      

 

市川の8月

 8月はその年の最高気温を記録し、月平均気温も最高になる月です。
 博物館の記録も“暑い”の文字が目立ちますが、細かく見てゆくと、8月中ずっと暑いわけではないことが解かります。
 梅雨明け後の猛暑で続いてきた真夏日や熱帯夜などの連続記録も途切れ、8月2週ぐらいからは“涼しい”の文字も見られるようになります。
 暑い涼しいを繰り返すうちに、早い年では8月下旬に“秋雨前線”も現われて、夏の終わりへと向います。
 植物は、まだ花の量は少ない季節ですが、ピンクで目立つミソハギの他にも、他の植物を覆うほど伸びたつるの植物や林の縁で咲くヒヨドリバナなど、ひっそりとした花々が咲き出します。
 動物では、大町の湿地でヘイケボタルが発生のピークを迎え、トンボの仲間は縄張り争いや産卵で、活発に動き回ります。
 セミの仲間では最後に鳴き出すツクツクボウシの声が聞こえ、8月中旬ともなると、クツワムシやウマオイなどの秋の鳴く虫の声も聞かれ始めます。

 

市川生き物カレンダー 8月

   

  

 

市川の9月

 9月は、1年で一番降水量の多い月です。
 梅雨の頃の6月の方が多い年もありますが、驟雨(秋の長雨)と台風のもたらす雨によって、降水量が増えます。
 30℃を超える残暑の日もあれば、急に北東風の吹く日もあり、周期的に晴れと雨を繰り返しながら、朝晩の涼しさが感じられるようになります。
 植物は、秋の草花が咲き始めます。
 一つ一つは小さくて葉陰に咲くものもあるので、立ち止まってじっくりと見たほうが楽しめます。
 湿地のミゾソバなどのタデの仲間は、集まって咲くので、見ごたえがあります。
 どんぐりなどの木々の実も、まだ青々とはしていますが、大きく育ち目立ちだします。
 動物では、渡りをする鳥類が羽を休めに訪れ、干潟や林がひと時賑やかになります。
 草原ではバッタの仲間が成虫になり、大きなショウリョウバッタやトノサマバッタが足元から飛び出してきて驚かされます。
 鳴く虫の声も大きくなり、秋の深まりを感じられるようになります。

 

 

市川生き物カレンダー 9月

  

 

  

 

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街角自然たんぽう

こうやしんまち
高谷新町・工場裏の護岸
護岸と海の風景写真

 高谷新町は昭和37年に海を埋め立ててつくられた比較的新しい町です。
 埋立地のため、どの道も突き当たりまで行くとすぐに海を臨むことができますが、歩ける護岸に出られる場所は1ヶ所だけです。
 中央の道から日新製鋼の看板を目印にして脇道を突き当りまで行くと、護岸に出ます。
 この護岸は700m位あって、海をのぞきながら歩くと、ミズクラゲやカニを観察できます。
 突端に着くと、三番瀬や市川港に入ってくる大型の運搬船を近くで見ることができます。

 

 

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博物館でこんないきもの飼ってます

 生き物の暮らしを知るには、野外で観察する方が、もちろん良いのですが、飼育しているからこそ観察できることもたくさんあります。
 このコーナーでは博物館で飼育している生き物の、飼育下ならではのちょっと変わった行動などを、実際の飼い方と併せてご紹介します。

 

 コブシガニ科  マメコブシガニ

マメコブシガニの写真

 カニといえば横歩き、ですが、このカニは前にも歩けます。観察のポイントは脚の断面です。
 多くのカニでは平たい断面をしているために、関節の動く向きが決まってしまうのですが、マメコブシガニは断面が丸いので、関節が前横どちらにでも動かせるのです。
 潜っている砂から出る時は、まず眼だけ砂の上に出し、次に上半身をむっくりと起こします。
 そして、前方向に1歩2歩と進むと、体全体が現われ、その後は前歩き、または横歩きになります。

       

こんなふうに飼っています  

  
※ ※ ※ レイアウト ※ ※ ※  

・ 底砂

 潜って隠れてしまうので、底砂は少なめの方がどこにいるのかわかりやすいですが、潜ったり出たりする様子もおもしろいので、ちょうど埋まるぐらい敷いた方が良いでしょう。

・ 水深 …

 水槽の3分の1も入っていれば大丈夫です

・水替えなど

 投げ込み式のフィルターをいれてあります。汚れ具合を見て、数週ごとに3分の1ぐらい交換します

・ その他 

 他のカニなどと一緒に飼うと、攻撃されて弱り長く飼育できません。
 マメコブシガニより小さいヤドカリなどは大丈夫です。


※ ※ ※ 餌 ※ ※ ※  

・ 乾燥エビの粉を毎日少量、貝の剥き身などのかけらを週に1〜2回やります。

 

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くすのきのあるバス通りから その後のツマグロヒョウモン

 昨年、庭のスミレを食べていたツマグロヒョウモンは年を越せなかったようです。
 その後、あちこち探しましたが、サナギがありませんでした。
 7月13日、14日、28日、八幡6丁目、4丁目で何度かメスの成虫を見かけました。
 どこから来たのでしょう、他の場所では越冬できたのでしょうか。
 30日昼過ぎ、外出から戻った息子が 「飛べなくて死にそうな蝶がいるよ。」と知らせてくれました。
 見るとナヨナヨと飛んでスミレの葉の間をノコノコ歩いて入って行き、葉の裏にオシリをつけて卵をうみつけている様子でした。はねに白黒模様のあるメスでした。
 7月5日、曽谷にある第三中学校でニイニイゼミが鳴いていたそうです。
 例年、八幡より早くセミがなくようです。8日、八幡6丁目でもニイニイゼミが鳴き出しました。
 その夕方、松戸の「二十一世紀の森と広場」付近を通りがかりました。ヒグラシが鳴いていました。
 20日は八幡6丁目で、25日に葛飾八幡の境内でミンミンゼミが鳴いていました。   (M.M.)

 

 

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自然博物館の

博物館のめ


ヒナコオモリ科  アブラコウモリ

アブラコウモリの全体写真

アブラコウモリが手のひらに乗っている写真
顔にくらべて胴体は小さい。 翼の膜は後足につながっている。
水路の写真 アブラコウモリの市内分布図
ユスリカを求めて水辺に集まる。  市内各所の水辺に生息。

 

 

 

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • サワフタギが咲いていました(5/7)。 周囲にはシロダモやムラサキシキブといった競争相手もいますが、負けずに花数を増やしてほしいものです。
  • オニスゲが大きな実をつけていました(6/4)。湿地では、カヤツリグサ科や イネ科の植物が勢いをつけてきました。
  • オオコオイムシの生まれたばかりの幼虫がたくさんいました(6/6)。小さな ニホンアカガエルやホトケドジョウも見られました。

    以上 金子謙一(自然博物館)

  • フクロウの親鳥を見ました(6/6)。朝 と昼、ほぼ同じ場所にいたので近くに幼鳥がいるのでしょうか。

        宮橋美弥子(自然博物館)

  • ヨコズナサシガメ、ヤニサシガメ、エサキモンキツノカメムシが園路と湿地の間にある杭にいました(5/14)。

        H・Kさん(船橋市在住)

  • ナガサキアゲハがキショウブで吸蜜していました(5/22)。
  • クロスジギンヤンマが産卵していました(5/29)。
  • ミドリシジミを見ました(6/6)。ミド リシジミの季節が始まりました。

    以上 土居幸雄さん(大町在住)

こざと公園より

  • アカメガシワが満開になっていました(6/19)。花粉ダンゴをつけたミツバチがたくさん飛んできていました。

         吉田 毅さん(柏井町在住)

柏井雑木林周辺より

  • ミドリヒョウモンがサンゴジュの花にきていました(6/21)。他にもアオスジアゲハなどの蝶がきていました。

        清野元之(自然博物館)

堀之内貝塚公園より

  • ホタルカズラが咲いていました(5/1)。他にもジュウニヒトエやキンラン、ギンランなど新緑の林に咲いていました。
       
        介川武夫さん(曽谷在住)

  ◆じゅんさい池公園周辺より

  • ナガサキアゲハを見ました(5/21)。

        道下誠さん(中国分在住)

  • カルガモを除けばカモ類は、ヒドリガモ1羽だけになりました(5/20)。

  ◆里見公園周辺より

  • アオバズクを見ました(5/28)。昨年観察できなかったので2年ぶりの観察です。

  ◆坂川河口周辺より

  • セッカのさえずりがあちこちで聞かれるようになりました(6/10)。 

     以上 根本貴久さん(菅野在住)
気象のようす

 ◎
 6月9日に入梅しました。雨は少なく、曇りの日が続きました。

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