平成18年度 市川自然博物館だより 10・11月号 106号

市立市川自然博物館 2006年10月1日発行

     

 特集記事  街かど自然探訪  こんないきもの飼ってます
 くすのきのあるバス通りから  自然博物館のめ  わたしの観察ノート

 


 

特集
 
いちかわ生き物カレンダー
10月・11月


 

 北国や山から、紅葉や初雪のたよりが届きはじめる頃が、市川周辺では秋の入口です。
 毎日少しずつ生き物の姿も風景も、秋のよそおいを濃くしてゆきます。
 今年度の特集では、平成10年度(1998年)以降の博物館の自然観察記録を、歳時記風にまとめています。

      

 

市川の10月

 市川の記録では10月は、9月についで降水量が多い月です。
 秋雨の時期は年によっては大雨になり、梅雨の時期よりも雨の日数は少なくても雨量は多くなります。
 そのために、夏中枯れていた池にひと時水が溜まり、そこにはすかさずトンボが産卵に訪れます。
 秋雨は長くは続かず、しだいに爽やかに晴れる日が交互にやってくるようになり、日中は暖かくても、
朝晩は肌寒く感じるようになります。
 動物では、それぞれがそれぞれの方法での冬に備える準備に入ります。卵で越冬するカマキリのお腹は大きく膨らみ、成虫で越冬するホソミオツネントンボやツチイナゴなどが姿を見せ始めます。
 また、市川よりも南で越冬するために通過する渡り鳥が見られ、珍しい種類が話題になることもあります。
 植物では、秋の花が林縁で咲き出し、谷津ではタデ科の赤やピンクの花が見ごろになります。
 木の実草の実が熟し、色づいてきて、いろいろなどんぐりが落ちて拾いごろになります。

 

市川生き物カレンダー 10月

   

  

 

市川の11月

 11月になると、西高東低の冬型の気圧配置も見られるようになります。
 日中は20℃を越えても、最低気温は5℃を下回る日も多くなり、市の北部では夜は氷点下になって、霜が降りる日も出てきます。
 冷たくて乾いた木枯らしが吹きはじめ、林の木々は葉を落とし、イヌシデの実がクルクルと舞い散ります。
 植物は、ツタの紅葉、サクラ、ヤマノイモの黄葉から始まり、様々に色づきはじめます。
 月末には雑木林全体が色づき、イロハカエデは紅葉し、大町公園のもみじ山も見ごろになります。
 草の葉の青さも失われてきて、全体的に風景が寒々としてきます。
 動物では、池のカメなどは姿を見せなくなり、鳴く虫の声も聞かれなくなり、昆虫の姿はすっかり少なくなります。
 入れ替わるように冬を過ごすために渡ってきた鳥の姿が目立つようになります。
 市内にはカモの仲間が多く、中国分のじゅん菜池緑地や南大野のこざと公園などの住宅地の水辺も賑やかになります。

 

 

市川生き物カレンダー 11月

  

 

  

 

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街角自然たんぽう

こくぶん
国分1〜7丁目・国分川
国分川周辺の風景写真

 市川西高校付近からの国分川沿いの道は、7丁目先まで約2q以上川をさかのぼることができます。
 川沿いの道からは野草が繁茂しているため、川面を望むことができませんが、あちらこちらにある橋の上から、川を泳ぐ魚影や、ハクセキレイなどの野鳥を見ることができます。
 むかしは、川沿いに水田が多く、水をめぐっての争いなどもありましたが、現在ではほとんどが埋め立てられて、宅地や畑にかわってしまいました。

 

 

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博物館でこんないきもの飼ってます

 生き物の暮らしを知るには、野外で観察する方が、もちろん良いのですが、飼育しているからこそ観察できることもたくさんあります。
 このコーナーでは博物館で飼育している生き物の、飼育下ならではのちょっと変わった行動などを、実際の飼い方と併せてご紹介します。

 

 アマガエル科  アマガエル

アマガエルの写真

 イメージは、露の滴る葉の上に丸くうずくまる、緑色の姿です。
 飼育でも、そのような姿をお見せしたいのですが、なぜか体の色は白からグレーになってしまいます。
 その年に生まれたカエルはきれいな緑色なのですが、どうも年(2〜3歳)をとると、体の色をまわりの色に合わせる、保護色を使えるようになるようです。
 それならばと、水槽を緑の紙で包んだり観葉植物やコケを入れたりするのですが、あの美しい緑色にはなりません。

       

こんなふうに飼っています  

  
※ ※ ※ レイアウト ※ ※ ※  

・ 全体 

 水場よりも陸地を広く取ります。
 上下方向にもよく動くので、観葉植物を入れておくと、よく登ります。

・ そうじ …

 大人のカエルで、米粒くらいの糞をするので、ばらばらになる前に摘み取ると、あまり汚れず楽です。
 水場は汚れ具合を見ながら週に1〜2回ほど水をかえます。

・ その他 

 冬眠をさせない場合の冬場は水中ヒーターを入れるなどして保温します。
 餌をきちんと食べる温度を保ちます。


※ ※ ※ 餌 ※ ※ ※  

・ 基本は生き餌です。週に2〜3回、小さなハエやバッタなどを捕まえて与えます。
・ ハエは特に好みます。飼い慣れてくると、白身魚などの欠片を顔の先に持って行くと取りますが、長く飼っていても、頑固に絶対、生き餌しか食べない個体もいます。
・ 他の種類のカエルは、餌を食べないと、お腹がへこみますが、アマガエルはわかりづらいので、複数飼う場合は、全部が食べているか注意して観察します。

 

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くすのきのあるバス通りから ムクロジの実

 台風や大雨、日々の温度差の激しい夏と秋ですね。
 あちこちの家の玄関先に、はやりだったのでしょうか、アメリカハナミズキがあり、赤い実がついています。
 神社にはギンナンが、塀から道路にはみ出ている枝からシイの実が、地面に落ちています。
 ヨウシュヤマゴボウも通学路にあるのですが、子供にいたずらされた様子がなく、木の実拾いや野花で遊ぶことがないのかも。
 京成の線路沿いの鬼越と八幡の中間の空き地に、以前ムクロジがありました。
 最初に拾った実は、偶然だるま型に2個くっついていたので、おもしろいなと思いました。
 硬くなったゴムか皮の様な丸い実の中に、黒い硬いものがあり、それは「羽根つきの球」にするそうです。
 菅野一丁目の歩道に、古い木があります。          (M.M.)

 

 

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自然博物館の

博物館のめ


 いろいろなどんぐり

コナラのドングリの先端からすでに発根している写真

シラカシのドングリの写真
コナラ。先端から、すでに発根している。 シラカシ。実る数が多いどんぐり。
マテバシイのドングリの写真 ドングリのなる木の市内分布図
マテバシイ。硬いので工作向き。  南部では街路樹・緑化樹に用いられる。

 

 

 

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • コブシの花芽にそっくりに化けた、オオアヤシャクという、蛾の幼虫を見つけました(7月2日)。

        金子謙一(自然博物館)

  • 湿地の草むらに、ノコギリカメムシが いました(7月2日)。

        H・Kさん

  • ヘイケボタルが光はじめました(7月13日)。

        小川 晃(自然博物館)

  • 今年初見のツマグロヒョウモン♀を見ました(7月12日)。7月30日も見ました。クロコノマチョウの幼虫、昨年はほとんど見ませんでしたが、一匹見つけました(8月1日)。

  • 昨年友人が撮影していたコオニヤンマを、園内で始めて見ました(7月12日)。ネアカヨシヤンマの産卵(8月11日)、ハグロトンボ(8月16日)、ギンヤンマ産卵(8月30日)も見ました。

    以上 土居幸雄さん(大町在住)

  • カルガモが大きなサワガニを何度かふりまわしてから飲み込みました。植物食と思っていたので意外でした(7月23日)。

        道下誠さん(中国分在住)

大町周辺より

  • ナガサキアゲハを見ました(7月13日)。抜け殻もありました。

        F・Sさん

国府台より

  • 雑木林に紫色の毒々しいキノコが生えていました(7月8日)。図鑑で調べたらムラサキヤマドリタケと書いてました。 

        道下誠さん

行徳より

  • 行徳南公園の電線に、ツバメが8羽並んで止まっていて賑やかでした(7月18日)。セミの鳴き声を今年はじめて聞きました(7月28日)。

        Y・Tさん

  ◆堀之内貝塚公園周辺より

  • わずか20p四方の中にマヤラン5株が集中して開花していました(7月23日)。
  • 淡色型のハチクマ1羽が谷津の林の中に飛び込みました(8月27日)。約30mの距離から観察できました。

  ◆坂川旧河口周辺より

  • 人間に驚いたホオジロの幼鳥が少し飛んで地面に降りてしまいました(7月1日)。 まだ飛ぶのがたどたどしい様子です。

     以上 根本貴久さん(菅野在住)
気象のようす

 ◎
 猛暑、大雨、厳しい残暑と続きました。梅雨明けは、はっきりしませんでした。

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