平成18年度 市川自然博物館だより 12・1月号 107号

市立市川自然博物館 2006年12月1日発行

     

 特集記事  街かど自然探訪  こんないきもの飼ってます
 くすのきのあるバス通りから  自然博物館のめ  わたしの観察ノート

 


 

特集
 
いちかわ生き物カレンダー
12月・1月


 

 晩秋から初冬への季節、春から夏へよりも、気候や生き物の営みは急に変化していきます。
 厳しい冬を乗り切るために、次の春を迎えるために、生き物は様々な方法を見せてくれます。
 今年度の特集では、平成10年度(1998年)以降の博物館の自然観察記録を、歳時記風にまとめて紹介しています。

      

 

市川の12月

 12月に入ると、日中の気温も一気に低くなります。
 昼間の時間は冬至(12月22日前後)が一番短いのですが、日の入りは12月上旬が一番早く、北部の谷津では午後3時を回ると谷底には陽が届かず薄暗くなります。
 また12月は2月とともに降水量が少ない月です。
 特に1998年、2005年には1ヶ月間以上まとまった雨が降りませんでした。
 2005年はほとんどのコブシの木が年末までに花芽を落としてしまい、晩秋の極端な少雨が、春の植物の成長に影響しているとも言えます。
 モミジの紅葉は12月上旬に見ごろを迎えますが、サクラやケヤキなどはすでに葉を落として、すっきりとした樹形を現します。
 木枯らしが吹くたびに林は見通しがよくなり、スギやシラカシなどの常緑樹の緑が目立つようになります。
 木々の枝先までよく見られるようになると、鳥の姿を見つけやすくなります。
 市川周辺では、冬を過ごすために渡ってくる野鳥で数も種類も増えバードウォッチングが楽しい季節になります。

 

市川生き物カレンダー 12月

   

  

 

市川の1月

 1月に入ると、朝の気温が氷点下になる日が多くなります。
 その年の最低気温も記録され、2001年には北部で氷点下10度以下を記録しています。
 林や畑の多い北部の地域では、大きな霜柱が日中でも融けずに残り、八幡地域などの市街地や東京湾沿いの行徳地域との気温差を感じます。
 まとまった積雪も見られ、2001年には北部で20cm近く、2006年には市街地でも10cm以上の積雪があり、何日も融けずに残りました。
 霜が降りたり降雪によって枯れ草が倒され、草原も広々と見渡せるようになっていきます。
 反対に、地面近くは、ハルジオンやヨモギなどの緑の草の葉が被うように張り付いて生え、冷たい風を避けて春に備えています。
 動物もいない季節のように思われますが、晴れて気温の上がる日中には、成虫で越冬する昆虫が見られます。ルリタテハやウラギンシジミなどのチョウの仲間や、ホソミオツネントンボなどが林の近くで見つかることがあります。

 

市川生き物カレンダー 1月

  

 

  

 

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街角自然たんぽう

 さいわい
 幸・行徳南部公園
ユズリハの実の写真

 行徳南部公園内には、大きなユズリハの樹があります。
 ユズリハは、新しい葉が出てきてから古い葉が落ちることから、「譲り葉」の名前が来ていて、正月飾りにも使われます。
 雄株と雌株があり、4月から5月に花を咲かせます。
 11月中旬頃、公園内では雌株がたわわに実をつけていました。
 他にも大きなイチョウやケヤキ、クロマツなどの樹木が茂っていて、梢にはシジュウカラやヒヨドリ、冬季にはメジロやツグミなどが観察できます。

 

 

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博物館でこんないきもの飼ってます

 生き物の暮らしを知るには、野外で観察する方が、もちろん良いのですが、飼育しているからこそ観察できることもたくさんあります。
 このコーナーでは博物館で飼育している生き物の、飼育下ならではのちょっと変わった行動などを、実際の飼い方と併せてご紹介します。

 

 カメの冬越し

クサガメの写真

 いきものは、[活動する]≦[餌を食べる]が成り立たないと弱ってしまいます。
 動物園の獣医さんの話だと、[餌を食べる]≠[消化]があるそうです。
 特に変温動物のカメは温度が低下すると、内蔵の活動も落ちて、食べた餌が悪くすると体内で腐ってしまうのだそうです。
 体力のあまりない今年生まれの小さいカメは、冬眠させない方がよいようですが、その場合もきちんと保温して、餌の食べ具合、糞の様子のチェックが大切です。
(写真はクサガメのこども)

       

こんなふうに飼っています  

  
※ ※ ※ レイアウト ※ ※ ※  

・ 保温 

 ガラスの水槽に水中ヒーターを入れて、温度を上げます。
 カメの場合、25℃ぐらいあると、よく餌を食べ安心ですが、健康ならば多少の温度変化には耐えられるので、あまり神経質に温度設定しなくても大丈夫です。

・ ふた …

 ヒーターを入れると水分の蒸発が激しいので、蓋をします。
 カメは、陸地にも上がるので、蓋をしたほうが水槽全体の温度も上がります。

・ その他 

 水槽はカメに日向ぼっこをさせるために、窓際に置くと良いのですが、夜間には冷え込むので注意が必要です。


※ ※ ※ 餌 ※ ※ ※  

・ 市販のカメ用ペレットを毎日与えています。
消化や栄養のバランスを考えると冬場はあまりいろいろやらない方が良いようです。

 

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くすのきのあるバス通りから 庭にタネキがいました

 11月1日外出から帰ると、庭の駐車スペースにタヌキがいました。
 静々とバックで定位置に入れようとしたら、側の自転車の下へ移動しました。
 「ネコかイヌじゃないの‥‥あ、タヌキだ。本当だ。」と同乗していた知人。
 おびえる様子もなく、見られてもこちらを見返しました。
 首から背中にかけて、赤くただれて、皮膚か毛が塊のようになって、ときどきポリポリと掻いていました。
 窓を開けて見ても逃げません。
 風もなく、陽だまりになっているし、エアコンの屋外機と自転車と車に囲まれ落ち着けるのでしょうか、1時間ぐらいそこにいて立ち去るときも、こちらをじっと見ていきました。
 9月2日に北方3丁目に住む友人の家の庭にタヌキがきて、ネコの餌をやったら食べたそうです。
 八幡5丁目の京成線沿い友人の家の庭ではハクビシンが住み着いているらしいです。    (M.M.)

 

 

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自然博物館の

博物館のめ


 アオイトトンボ ホソミオツネントンボ

越冬する2匹のホソミオツネントンボの写真

ホソミオツネントンボ全体の写真
枝にとまって越冬する2匹。 全体のすがた。
春、クモの巣にひっかかったホソミオツネントンボの写真 ホソミオツネントンボの市内分布図
春、クモの巣にひっかかった。 北部の雑木林で越冬する。

 

 

 

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • 園路を歩いていると突然キビタキのオス2羽が争うように飛び出してきました(9月5日)。
    手が届きそうな距離でした。

        金子謙一(自然博物館)

  • 一年半ぶりにオオウラギンスジヒョウモンを見ました(9/5)。

大町周辺より

  • 最近市川にたくさん発生しているナガサキアゲハのメスが民家の花壇に訪れ至近距離で撮影ができました(9月22日)。

    以上 土井幸雄さん(大町在住)

大野町周辺より

  • 大柏川の浜道橋からJRの陸橋にかけてボラの群れが沢山飛び跳ねていました(10/28)。
    昨年よりかなり増えているようです。

        吉田 毅さん(柏井町在住)

本北方周辺より

  • ムラサキツバメと八幡でツマグロヒョウモン♀の新鮮な個体を目撃しました(10/28)。
    ムラサキツバメははじめて見ました。

        熊谷宏尚さん(本北方在住)

  ◆国府台より

  • 里見公園でニイニイゼミが鳴いていました(9月10日)。

   ◆坂川旧河口周辺より

  • 土手の草むらにヒゲナガカメムシ、ホ ソヘリカメムシがいました(9月10日)。

     以上 K.H.さん(船橋市在住)
  • 土手上の木から次々に飛んできたヤマガラ2羽がエノキの枝にとまり、おそらくはエノキの実を両足にはさんで嘴で叩きはじめました(9月10日)。
    今日は、小塚山公園、じゅんさい池、須和田公園でもヤマガラを見ました。移動しているようです。
  • ヒドリガモ4羽が里見公園下江戸川を編隊を組んで飛びました(9月30日)。この秋始めての観察です。

   ◆菅野より

  • 工場跡地の草地にいたチュウサギ1羽に対し、チョウゲンボウが本気で追いかけたのではないと思いますが、驚いたチュウサギは必死で飛び上がって逃げました(9月17日)。

   ◆真間より

  • 真間山弘法寺の境内の林からツグミの声が響いてきました(10月22日)。初認です。
    また、上空には2羽のアマツバメが旋回しながら西へ移動していくのがみえました

     以上 根本貴久さん(菅野在住)

   ◆福栄より

  • 行徳野鳥観察舎で、ナガサキアゲハをみました(9月10日)。

         佐藤 達夫さん(市内在勤)
気象のようす

  ※ 
9月から10月上旬にかけては曇天の日が多く、台風なみの大雨が降り、10月中旬からやっと秋晴れが続きました。

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