平成18年度 市川自然博物館だより 2・3月号 108号

市立市川自然博物館 2007年2月1日発行

     

 特集記事  街かど自然探訪  こんないきもの飼ってます
 くすのきのあるバス通りから  自然博物館のめ  わたしの観察ノート

 


 

特集
 
いちかわ生き物カレンダー
2月・3月


 

 今年度の特集では、平成10〜17年度(1998〜2005年度)の博物館の自然観察記録を、歳時記風にまとめて紹介してきました。
 市川という地域で見られた、ここ8年間の、季節ごとの自然の様子です。これらが、どのように変わってゆくのか、観察記録を続ける事で見えてきます。

      

 

市川の2月

 1月下旬から2月上旬にかけてが、1年で1番寒い季節です。
 最低気温や月ごとの気温の平均をみると、ほとんどの年で1月よりも、2月の方が多少は高く記録されています。
 2月に入ると寒さの峠は越したように見えますが、強い北風の日や霜や氷の張る日も多く、まだまだ体感的に寒く感じられます。
 植物では、場所による日当りや風当たりなどの要素が、生育の良し悪しに影響しているのがよくわかります。道端の陽だまりでは、背丈の低いオオイヌノフグリの青い花、ホトケノザの紫の花が目立ちます。
 林の縁では、場所によってニワトコの冬芽が割れて、中から葉や花の芽が顔を出し始めます。
 動物では、枝先に残っていた実も少なくなり、地面で採餌する野鳥の姿が目立つようになり、双眼鏡に頼らなくても、バードウォッチングができるチャンスもあります。
 雑木林の落ち葉の上には、丹念に割られた数ミリほどのイヌシデの実の殻がたくさん落ちています。

 


   

  

 

市川の3月

 3月は、多くの生き物が活動を始める時期ですが、生き物の様子を観察することで、その年の冬がどういう気候だったのかもよくわかる月です。
 暖冬だった、乾燥していたなどの全国的な傾向、雪が回数多く降った、積雪がなかなか融けなかったなどの地域的な傾向などが、生き物の活動開始の引き金などに、影響を与えるようです。
 たとえば気温では、早春の雑木林で目立つコブシの開花が、暖冬傾向の年では2月下旬に、寒さが厳しい年では3月中旬過ぎと半月ぐらいの差があります。
 動物では、地中にもぐって冬眠しているヒキガエルの産卵行動が、早い年で2月の下旬、遅い年で3月末頃と、1ヶ月もの開きがあります。
 又、いわゆる寒の戻りによって、最初の産卵の後、しばらく間があくこともあります。
 一方で、年ごとの気候の違いに、あまり左右されることなく活動する生き物もいます。
 3月は、過去の観察記録を見つつ、自然の移り変わりに目が離せない月です。

 

市川生き物カレンダー 3月

  

 

  

 

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街角自然たんぽう

 しおやき     ちょうめ
 塩焼1〜5丁目・塩焼中央公園
ノースポールの花の写真

 塩焼1〜5丁目は、昭和46年の土地区画整理によってできた比較的新しい町のため、樹木は街中に少なく、街路樹や公園に多く見られます。
 塩焼中央公園は、塩焼小学校の向かい側にあって、野球場やテニスコートのある大きな公園です。
 3月初旬には野球場の周りで、ハコベやホトケノザの花に混じって、どこかの花壇から逃げ出したノースポールの花があちこちで咲いていました。
 野球場は、日当たりが良いため春も早く来ているようです。

 

 

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博物館でこんないきもの飼ってます

 生き物の暮らしを知るには、野外で観察する方が、もちろん良いのですが、飼育しているからこそ観察できることもたくさんあります。
 このコーナーでは博物館で飼育している生き物の、飼育下ならではのちょっと変わった行動などを、実際の飼い方と併せてご紹介します。

 

 テッポウエビ科 テッポウエビ

イソギンチャクとテッポウエビの写真

 大きなはさみで、ブルドーザーのように砂を押します。
 そのために、水槽の砂はいつもどちらかにかたよっていて、平らに直しても、すぐ凸凹になってしまいます。掘るものが無くなっても、水槽の角で前進しようとしています。
 迷惑そうなのはイソギンチャクで、砂に埋もれたり露出したりします。
 これがカキのように、完全に体が固定していると同居は無理なのですが、イソギンチャクは体を伸び縮みさせて対抗することができます。

       

こんなふうに飼っています  

  
※ ※ ※ レイアウト ※ ※ ※  

・ 海水   

 時々濃度をチェックします。

・ ふた   …

 水分が蒸発しないように、蓋をします。
 海水の飛沫で周りを汚すのも防ぎます。

・ その他 

 しょっちゅう掘り返すので、よく洗った底砂を入れないと、水槽の水がいつでも濁ってしまいます。
 カキ殻なども組み合わせて入れておくと、隠れ場所になります。


※ ※ ※ 餌 ※ ※ ※  

・ 週に1〜2度、貝の剥き身を少量(1p角ぐらい)やります。
  餌を受け取ると、貝殻のすき間や掘った一番深い所に運んでから食べます。

 

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くすのきのあるバス通りから ハクビシンを見ました

 1月6日朝6時20分頃、市役所の裏の京成電車の踏み切りの、少し北側の道路でハクビシンを見ました。
 まだ、暗い時間ですが、足は短く、尻尾が長く、先が黒い動物が車のライトで道路を横切るのが見えました。
 タヌキかイタチかと思っていたのですが、横から見た特徴を自然博の方に話したら、ハクビシンとの事です。
 前回書いた、「住み着いているらしい。」との友人に直接会って聞いた所、 「9月3日夕方暗くなってから、二階の窓を開けたとき、別棟の屋根から降りようとしているのを、正面から見た。鼻に白い線があり、胴と同じぐらい尻尾が長かった。」との事です。
 「庭の池には例年カエルが産卵に来る。早朝、家族が国道や八幡の住宅街や敷地内の縁の下にタヌキがいたのを見た。」とも話してくれました。
 昔の自然が取り残されていたり、隠れやすい環境が市川の北部の八幡あたりにはあるようです。(M.M.)

 

 

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自然博物館の

博物館のめ


 ゴマノハグサ オオイヌノフグリ

オオイヌノフグリの写真

オオイヌノフグリの花の写真
地面を覆うように群生する。   4弁の合弁花。花弁の形はそれぞれ違う。
オオイヌノフグリの全体の写真 オオイヌノフグリの市内分布図
鋸歯の目立つ丸っこい葉。   市内全域で見られる身近な植物。

 

 

 

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • キビタキやアオジがスズメの若鳥の群れに混じっていました(11月2日)。色合いは似ているのですがちょっとした動きが違います。

  • アカゲラを見ました(11月2日)。特徴的な鳴き声がしたので周辺を探したら姿を現しました。

  • ウソを見ました(11月24日)。ヒッフッと鳴いていました。

             宮橋美弥子(自然博物館)


  • ニホンアカガエルを見ました(11月26日)。長田谷津の水路掃除をしていたら草の下に隠れていたアカガエルが何匹も飛び出してきました。大きなお腹で卵をたっぷり持っていました。
       
  • 斜面のコナラが色づきました(12月1日)。遅れていたモミジ山の紅葉も見ごろになりました。
     
  • ホソミオツネントンボがいつものように越冬体勢にはいりました(12月10日)。トクサの先にとまってじっとしていました。

              金子謙一(自然博物館)


  • ヨコヅナカメムシの幼虫を見ました (11月5日)。

大町周辺より

  • 動物園の臨時駐車場脇の路肩にホトケノザが咲いていました(11月5日)。

    以上 K.T.さん

柏井周辺より

  • ワルナスビの実がなっていました (11月25日)。リハビリセンター 近くの空き地でミニトマトのようになっていました。 

        吉田 毅さん(柏井町在住)

北方1丁目周辺より

  • 税務署近くでタヌキを見ました(11月2日)。こちらに気づいて側溝に隠れてしまいました。
        
             熊谷宏尚さん(北方在住)

  ◆堀之内貝塚公園周辺より

  • ベンケイヤマガラを見ました(11月25日)。オーストンヤマガラと色合いは良く似ていて、大きさはヤマガラと変わりません。

   ◆坂川旧河口周辺より

  • シメを今年の初認しました(11月3日)。
  • アリスイ1羽が、地面を敏捷にホッピ ングしながらエサ(アリ?)を採っていました(12月10日)。

    以上 根本貴久さん(菅野在住)

   ◆行徳南部公園より

  • ユズリハの木にたくさんの実がついていました(11月25日)。

           小川 晃(自然博物館)
気象のようす

  ※ 
11月7日は全国的に大風が吹き、北海道では竜巻による被害もでました。12月27日には、市川で大雨が降りました。

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