◆  市川自然博物館だより  ◆

4・5月号

特集「たんぼや池で水の中の生き物観察」

市立市川自然博物館  1991年4月1日発行

特集記事 街かど自然探訪 市川のこん虫 むかしの市川 行徳野鳥観察舎だより



特集記事



特集 『たんぼや池で水の中の生き物観察』

  田んぼや小川、わき水が注ぐ水たまりには、浅い水の中が大好きな生き物たちがくらしています。海や湖、大きな川の中とはちがった小さな小さな世界で、そこにすむ生き物は水族館ではあまり見られません。ちかごろは、身のまわりから生き物が住めそうな小川や田んぼが、どんどんなくなってしまって、そういう生き物を観察するのも、簡単ではありません。大町自然観察園でくらしている水のなかの生き物たちを、紹介しましょう。

サワガニ(sz111.gif(約4KB)


サワガニ

  いつも、水際の倒木の下などに隠れています。めすは卵を腹に抱えて、子ガニになるまで大切に守ります。

マシジミ(sz112.gif(約6KB)


マシジミ

  自然観察園では、流れの強い小川にいて、いつも砂にもぐっています。

やご(sz113.gif(約4KB)


やご

  とんぼの幼虫はやごと呼ばれ、水の中でくらしています。種類によって、やごの姿は異なります。水の中で小魚やぼうふら、小さな生き物を捕らえて食べます。

ヨシノボリ(sz114.gif(約7KB)


ヨシノボリ

  淡水にすむハゼのなかまで、自然観察園のものは体長3〜5センチほどです。腹びれが吸盤のようにはたらくので、水中のヨシの茎や杭、板などに自在にくっつくことができます。

カワニナとヘイケボタル(sz115.gif(約4KB)


カワニナとヘイケボタル

  ヘイケボタルの幼虫は、新鮮なわき水がいつも流れている浅い小川が大好きです。そこには、カワニナという小さな巻き貝がいて、ヘイケボタルの幼虫のエサになっています。

スナヤツメ(sz116.gif(約4KB)


スナヤツメ

  片側に目が8つあるように見えるので『スナヤツメ(砂八つ目)』といいます が、目は本当はそのうちの1つで、他はえら穴です。流れのある浅い小川にすみ、いつも砂にもぐっています。

オタマジャクシ(sz117.gif(約2KB)


おたまじゃくし

  自然観察園でよく見られるのは、ヒキガエル、アカガエル、ウシガエルのおたまじゃくしです。4月ごろ観察園の三角池を真っ黒におおいつくすのは、ヒキガエルのおたまじゃくしです。

アメリカザリガニ(sz118.gif(約4KB)


アメリカザリガニ

  硬い殻と大きくて強力なハサミを持ち、なんでも食べてしまうたくましい生き物です。そのザリガニを丸ごとバクバク食べてしまうのは、ウシガエルです。

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街かど自然探訪



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相之川・ 日枝神社のケヤキ

  相之川の日枝神社に、大きなケヤキの木があります。南行徳小学校へ入る路地にかぶさるようにはえていて、少し窮屈そうです。ケヤキは、新緑と紅葉が美しい木です。



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新井・ 北浜公園のコブシ

  純白の花で春の到来を告げるコブシは、市川の林で普通に見られます。北浜公園のコブシは、移植されたばかりのようで、たくさんの花をつけるまでには何年もかかるかもしれません。その時が、楽しみです。



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伊勢宿・ 豊受神社のエノキ

  行徳には、神社や寺が多くあります。境内に多い木としては、スダジイ、タブノキ、クロマツ、イチョウなどがあげられます。エノキは、秋に丸い小さな実をつける木で、その実は鳥の大好物です。

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市川のこん虫




アリ

  春、暖かくなると、冬の寒さを土のなかの巣でじっとたえていたアリたちが、地上にでて活動をはじめます。公園や道路、木の幹の上などを行進している姿をよくみかけるようになります。
  行進する先を追っていくと、たいていエサが見つかります。それを力をあわせて運んでいるところなのです。とくに春先は、巣の中にたくわえておいたエサが冬の間にほとんどなくなっているので、エサを見つけると、他の巣のアリたちに取られないように素早く巣に戻ります。そして、いそいで仲間に知らせ、仲間を引きつれてエサのある場所までもどり、エサを巣の中に運びます。
  市内には10数種のアリが分布しているといわれていますが、一番よく見られるのは、『クロオオアリ』というアリです。

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むかしの市川




真間川の思い出 1

カット(sz11c.gif、約4KB)   昭和8年頃、私の家は県道市川−松戸線の真間川にかかる橋の近くにありました。橋は根本橋といい、赤煉瓦をアーチ状に積んだ水門になっていました。真間川の水はこの水門をくぐって江戸川に合流するので、水門には、江戸川の水が増水したときに逆流を防ぐための門扉がついていました。
  真間川の堤防はきわめて低い土手で、容易に水辺におり立つことができました。水辺には、マコモがおい繁り、川底にはクロモ、エビモ、セキショウモなどの沈水植物がびっしりと生え、コウホネの水中葉が流れにゆらめいていた姿が思い出されます。魚も多く、フナ、タナゴ、コイ、ナマズなどがよく釣れて、大きな楽しみでした。時には、腹の赤いグロテスクなイモリも釣れて、釣針をはずすのに気味が悪くて困ったこともありました。
(博物館指導員 大野景徳 記)

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行徳野鳥観察舎だより



カット(sz11d.gif、約4KB)

春がやってきた

  どこかではるが〜、と思わずハミングしたくなる。ニワトコの丸い芽がはちきれそう。柳が芽ぶき、ヨモギがのびて、桜のつぼみもめだってきた。ぴかぴかの繁殖羽に着がえたカモたちはさかんに求愛ダンスを続けている。1羽か2羽のお嫁さん候補を囲んで、何羽ものダンディが頭をぴょこぴょこ上下したり、尾羽をきゅっと上げて花のようなポーズ。
  南国からのお客たちの渡来が待たれる頃。かつては旅鳥のツルシギがトップで、春一番とほぼ同時に姿を見せたものだが、最近は数が減ってあまり見られなくなってしまった。かわって先陣をつとめるのは夏鳥のコチドリ。3月10日2羽初認。黒い首輪模様が干潟の泥に映えて、ひときわ鮮やかに見えた。

(文と絵:行徳野鳥観察舎 蓮尾純子 )

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