平成19年度 市川自然博物館だより 12・1月号 113号

市立市川自然博物館 2007年12月1日発行

     

 いきもの写真館  季節の観察ガイド  街かど自然探訪
 くすのきのあるバス通りから  近隣博物館めぐり  活動紹介
 スポットライト  わたしの標本  わたしの観察ノート

 


 

いきもの写真館
コゲラ  日本で一番小さいキツツキです。 木の幹を上手に登りながら中のムシを探します。  撮影者 土居幸雄さん

 

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観察ガイド 12月から1月のおすすめ

 

     庭に来る野鳥                      −メジロやウグイス、ジョウビタキ−

 木枯らしが吹く季節、町なかの庭や公園に、いろいろな野鳥が姿を現わします。
 それまではキジバトやヒヨドリ、ムクドリ、ハクセキレイなどばかりが目立った場所でも、寒くなるにつれてメジロ(写真)やシジュウカラが群れで飛来し、植え込みの陰ではウグイスが、塀の上ではジョウビタキが見られるようになります。
 もちろん住宅地での双眼鏡の使用はマナー違反ですから、鳥を脅かさないようにしながら肉眼で観察する気配りが必要になります。
 でも、レンズを通さずに見ることになるので、野鳥と同じ空気を吸っているという一体感も共有できます。

 

メジロ
メジロ

 

                 水辺にはカモの群れ              −ヒドリガモ−

 町なかで野鳥を多く見かけるようになると、水辺ではカモの群れに出会えるようになります。
 じゅん菜池公園やこざと公園のように、すっかりカモが餌付いてしまった場所もありますが、江戸川や東京湾では、いまでも「人が近づけば逃げる」という野鳥本来の振る舞いを忘れていないカモの群れが見られます。
 特に、里見公園の坂を下った先の江戸川にはヒドリガモが毎年群れていて(写真)、ピューイ、ピューイと高い音程の可愛らしい声で鳴いています。こちらは、双眼鏡を使って、しぐさや表情もばっちり観察したいものです。
 

ヒドリガモの群れ
ヒドリガモの群れ

 

     枯れ葉と思ったら……          −イヌシデの実−

 木枯らしが吹く日だからこその楽しみがあります。
 市内の雑木林に多いイヌシデという木は、翼のついたタネをたくさん実らせます。
 そして木枯らしの日、それらは風に吹かれて、クルクルと回りながら見上げた青空一面に舞い落ちます。
 よほどタイミングが合わないと見られない光景ですが、落ちているタネ(写真)を拾って放り上げるだけでも、回り落ちる様子は簡単に見ることができます。
 

イヌシデのタネ
イヌシデのタネ

 

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街角自然たんぽう

 しもみょうでん   
 下妙典・ 原っぱ
近くの幼稚園が虫取りをしている風景
近くの幼稚園も虫取りにきています。

 下妙典は、野球場と原っぱと家庭菜園だけが目立って、人が住んでいる様子のない町です。
 妙典中学校の隣の排水機場わきをぬけると「小さな原っぱ」があります。
 昔はこのような「原っぱ」が町のあちこちにあった気がします。
 近頃は空き地があっても囲いがあって入ることができないので、この手の「原っぱ」は貴重なものです。
 春から秋にかけてトノサマバッタやウスバキトンボなどを狙って、捕虫網を持って堂々と走り回れる場所です。

 

 

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くすのきのあるバス通りから 秋の風景、いろいろ

 天気がよく暖かい11月4日、長田谷津に行きました。
 紫色のムラサキシキブの実や、オオマルバノホロシのみずみずしい赤い実がきれいでした。
 スズメウリは薄緑色の実をつけていました。
 モミジ山から下りてきたとき、アブラゼミが鳴きました。
 今年最後の声かもしれません。真間川では、アレチウリが実をつけています。
 数年前、広範囲にはびこり、サクラの木にまでとどいていました。
 今年は、少ないようです。ヒヨドリジョウゴの赤い実と濃い緑のものとが昭和学院のフェンスに絡まっていました。
 高石神の京成電車の踏み切り付近の家の壁一面に、マルバアサガオが咲いています。
 市川以外でも、2階までの壁一面に咲き誇っているのをみます。
 道端でエンゼルトランペットが背丈より大きくなり、沢山の花をぶら下げているのもよく見ます。
 地面を覆うようなピンクのイガグリ状の花は図鑑で調べるとヒメツルソバとありました。
 園芸植物だったのでしょう。身近な自然の中まで入り込んでほしくないと思います。 (M.M.)

 

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 近隣博物館めぐり 浦安市郷土博物館

      

はじめに

 このコーナーでは、市川市近隣の自然に関する展示等を含む比較的小規模な博物館を実際に訪ね、見どころやアクセス方法を紹介します。
 市川自然博物館や大町自然観察園と合わせて皆さんの自然探究のフィールドに加えていただければ幸いです。

 

西船橋から電車で

 西船橋駅から武蔵野線の東京行きに乗車して2駅めの新浦安駅で降ります。
 または、東京メトロ東西線に乗り、5駅めの浦安駅で降ります。どちらの駅からも20分おきに発車する“おさんぽバス”に乗って、(18)健康センター・郷土博物館で下車します。
 どちらの駅からでも10分程度の乗車で運賃は100円です。
 バス停のすぐ前、中央図書館と健康センターの間にあるのが浦安市郷土博物館です。

浦安市郷土博物館
屋外展示場もある浦安市郷土博物館
 (所在地) 〒279-0004 浦安市猫実1-2-7
 (電話)  047-305-4300

 

市民参加の博物館

 浦安市郷土博物館は、浦安市の貴重な郷土資料を保存・展示し、教育活動に活用することを目的として平成13年に開館しました。
 さまざまな昔の生活体験ができる市民参加の体験型博物館です。
 もやいの会という博物館ボランティアの皆さんがいろいろなコーナーで展示解説や実演を行なってくださっていて、気軽に質問することができます。

 

まずは屋外展示へ

 屋外展示場「浦安のまち」は昭和27年頃の浦安が再現されています。ここでは、かつての漁師町の雰囲気を体感することができます。
 屋外展示場への出口を出て、べか船が浮かんでいる水路に架かる橋を渡ると右側にたばこ屋さんがあります。
 大正15年の建築で、境川沿いにあったものを移築したもので、市指定文化財になっています。
 ほかにも船宿、漁師の家、豆腐屋などがあり、中に入ることもできます。
 水路脇に展示されている焼玉エンジンは、昭和30年代まで実際に使用されていたものを、3年の歳月をかけて復元したものです。
 土日祝日の午後にはボランティアの方の手で迫力ある独特のエンジン音を響かせています。
 (*始動時間は問い合わせてください)

 

 

テーマ展示室−海とともに−

 屋内のテーマ展示室-海とともに-は、「魚介類の宝庫・浦安」「オカのくらし」「変りゆく浦安」の3つのコーナーで構成されています。
 「魚介類の宝庫・浦安」コーナーでは、干潟の豊かさや大切さをジオラマ(模型)や大小の水槽などで学ぶことができます。
 干潟のジオラマでは、オサガニ、アナジャコ、バカガイなどの巣穴や砂の中での様子がわかりやすく展示されています。
 大きな水槽では,生きているアカエイ、クロダイ、シロギス、マイワシなどが気持ちよさそうに泳いでいました。

 

 

 

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自然博物館の活動紹介 野草の名札つけ

 野草の名札つけ
     平成19年10月7日(日) 午前10時〜午前11時30分
     大町公園(長田谷津)にて  (参加 大人14人)

 

活動の趣旨

 大町公園内の長田谷津(自然観察園)には、樹木も含めておよそ 400種類の植物が生育しています。
 谷津本来の自然を保全するという趣旨を踏まえ、それらは必要最小限の管理のもと、自然な状態で見ることができますが、逆にそのために、野草の存在に気づかないという難点も生じています。
 長田谷津は自然を保全してはいますが決して「自然保護区」ではないので、来園される方々に自然の見どころに気づいていただかなければ存在意義が薄れてしまいます。
 そこで始めたのが「野草の名札つけ」という行事です。
 長田谷津に生育する野草に小さな札をつけ、多くの方に気づいてもらうことが目的です。

作業の内容

 作業自体は、とても単純です。
 最初に参加者の方々に白札(名刺の縦半分くらいの大きさ)を作ってもらい(材料と道具は博物館が用意します)、その札を持って長田谷津を歩いて野草に名札をつけていくだけです。
 花が咲いているとか、実がなっているなど、ちょうど「見ごろ」な状態の野草を選び、学芸員が判別した種名を参加者の方々に書いていただき、それを結んでいきます。
 よく公園で見られるような立派な種名板ではありませんが、そのことにはつぎのような長所があります。
・きわめて安価な紙の札なので、たとえば花が咲いたら付け、終わったら外すということができます。
 種名板があるのに、その植物が枯れ、違う種類が生えているという不都合が生じません。
・小さな紙の札なので、たくさんの札を手軽に持ち歩くことができます。
 毎月おこなっていますが、初秋の花の多い季節などは、一度に 100枚以上の札を付けることもあります。
 立派な札では、とても 100枚を運ぶことはできません。

野草に名札をつけているの様子

野草に名札をつけている様子。

人気の行事

 博物館が行う行事のなかでも、野草の名札つけは安定した人気を誇っています。
 自然観察会とボランティア作業を合わせた内容が、人気の秘訣のようです。

 

 

 

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 自然博物館 スポットライト 昆虫の大きさくらべ

常設展示室の一番奥にあるコーナーです。探してみてください。
常設展示室の一番奥にあるコーナーです。探してみてください。

 常設展示室奥の「大きさくらべ」コーナーでは、いろいろな昆虫の大きさを比べて展示しています。
 たとえば、日本一大きいトンボのオニヤンマと世界一小さいハッチョウトンボや、オオスズメバチとケシジガバチモドキなど、大きい代表と小さな代表を並べています。
 世界の昆虫として、大きなセミのテイオウゼミや変わった形のバイオリンムシ、子供たちに人気のヘラクレスオオカブトやコーカサスオオカブトなどを展示しています。

 

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わたしの標本

       

 科学展に出品された標本

児童・生徒や保護者の方などが、出品作品を熱心にご覧になっていました。

 毎年9月には、「市川市児童・生徒科学展」が開催されています。
 今年も標本部門に植物、昆虫、貝などの標本作品が多数出品されていました。
 標本は博物館の展示標本のように整ったものだけではありませんでしたが、セミの抜け殻を100個も集めたものなど、子どもならではの視点で作製された作品もありました。
 どの作品も、身近な自然を見る子どもたちの観点に感心させられるものばかりでした。

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • タイアザミの花で、アサギマダラが蜜を吸っていました(10月5日)。胴体のマダラ模様と翅がきれいでした。

    小川 晃(自然博物館)

大野町より

  • モズが高鳴きをしていました(9月27日)。電線に止まって、尾をくりくりまわしていました。

    宮橋美弥子(自然博物館)
     

大町より

  • いろいろな実が目立つ季節、道沿いの倉庫の壁に垂れ下がったアオツヅラフジのつるに、群青色の実がブドウのようにたわわに実っていました(10月21日)。

中山より

  • 小学校の上空をチョウゲンボウが低く飛んでいきました(10月11日)。その後、大柏川調節池方面でカラスに付きまとわれていました。

  ◆江戸川河川敷より

  • 前日の強い雨と先週の台風の関係で、サッカー場の脇が池のようになっていて、そこに市内では見られなくなったトウキョウダルマガエルがいました(9月13日)。確認したのは2匹でしたが、もっといるような気配でした。先週の台風の時の増水で、上流から流れてきたものです。

    以上 金子謙一(自然博物館)

   ◆国府台より

  • 里見公園のサクラの木にカッコウ科の鳥2羽を見ました(9月1日)。一緒に移動しているようでしたが、ほんの少し近づこうと動いただけで、奥へ飛び去りました。

   ◆坂川旧河口周辺より

  • イソシギ1羽が坂川旧河口沿いの新堤防上、複雑で見事なジグザク飛行を見せた後、姿を消しました(9月2日)。

  • 柳原水門付近の植栽の木と電線の間を一段となって行き来するムクドリの群れの中に頭の白いコムクドリ♂1羽が混じっていました(9月15日)。

  • 右岸のサクラの木からアリスイの鳴き声が聞こえてきました(10月6日)。近くでモズ♂が高鳴きをしても、動じることなく鳴き声を断続的に出していました。その後、オギ原からぬきんでている低木に移動したらしく、ここでも特徴のある声で鳴いた後、もとのサクラの木の方へ飛ぶ姿を見ることができました。

  • チョウゲンボウ♀1羽が抜けるような青空を背景に柳原水門上空で羽ばたきせずに旋回した後、上流方向へ姿を消しました(10月21日)。

    以上 根本貴久さん(菅野在住)
気象のようす

  ※ 
真夏日は9月までで、順当に涼しくなりました。10月末に台風が接近しました。

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