平成19年度 市川自然博物館だより 2・3月月号 114号

市立市川自然博物館 2008年2月1日発行

     

 いきもの写真館  季節の観察ガイド  街かど自然探訪
 くすのきのあるバス通りから  近隣博物館めぐり  活動紹介
 スポットライト  わたしの標本  わたしの観察ノート

 


 

いきもの写真館
ハンノキ  雄花と雌花があります。尾状の雄花が枝先から垂れ下がります。  撮影者 土居幸雄さん

 

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観察ガイド 2月から3月のおすすめ

 

        カエルの産卵                         −アカガエルとヒキガエル−

 例年、市内では2月にニホンアカガエルが、3月にアズマヒキガエルが卵を産みます。
  産卵地は市内に何ヵ所かありますが、ニホンアカガエルの方は千葉県の絶滅危惧種になっていて産卵地も限定的です。
  ただ大町公園では、環境を整えていることもあり、アズマヒキガエルよりもニホンアカガエルの方が多いくらいで、簡単に卵塊(写真)を見ることができます。
 一方、アズマヒキガエルは庭の池のような場所でも産卵します(卵塊は紐のように長い)。
  いずれも卵の時期は短く、いつのまにか卵塊はとろけてしまい、やがておたまじゃくしが泳ぎだします。

 

アカガエルの卵塊
アカガエルの卵塊
            見逃さないで!ヤナギの花         −イヌコリヤナギなど−

 市内では、ヤナギ類の開花時期は3月中ごろです。
 街路樹のシダレヤナギは剪定されていて花が咲くことはあまりないみたいですが、公園などでのびのび育ったヤナギ類では花が見られます。
 大町公園にはイヌコリヤナギ、タチヤナギ、シダレヤナギがあり、いずれも花を見ることができます。
 ヤナギ類は、小さな花が穂状に集まって花序を形成していて、雄花序と雌花序の別があります(写真はイヌコリヤナギの雄花序)。
 ヤナギ類の種類の判定は花がないとむずかしいため、図鑑を引くにはこの時期を逃さず採集する必要があります。

イヌコリヤナギの花
イヌコリヤナギの雄花序

 

     葉を落とした街路樹で          −野鳥の古巣観察ー

 街路樹で子育てをする野鳥は案外います。
 そのため、葉を落としたこの時期は、枝に残る古巣がよく見つかります。
 種類としてはキジバト、カワラヒワ(写真)、ヒヨドリが多く、そのほかにオナガやカラスの巣が見つかることもあります。
 古巣が多い通りでは、繁殖期に営巣中の巣を見つけることもできますが、脅かさないように十分配慮する観察態度が不可欠です。

カワラヒワの古巣
カワラヒワの古巣

 

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街角自然たんぽう

 しんでん   
 新田 ・  横断散歩         
JRの線路を背にして見ると、住宅入り口の階段が斜めに切れていて、上り坂になっているのがわかります。
JRの線路を背にして見ると、住宅入り口の階段が斜めに切れていて、上り坂になっているのがわかります。

 新田を縦断すると、2〜4丁目周辺は、平坦で一方通行が多く、細い道が縦に一本通り抜けていて、直角に横道があり、曲がりくねった道がありません。
 昔、田んぼであったころの名残でしょうか?
JRの線路を越え少し歩くと突然、道路に段差がでてきます。
 市川砂州の始まりです。
 さらに国道14号線を越えると黒松が一気に増えてきます。
 春日神社や胡録神社にいくと地面がサラサラの砂で、この場所が砂州だったことがわかります。

 

 

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くすのきのあるバス通りから 庭の大賀ハス

 昨年、「大賀ハスの種」を知人の伝で3粒分けていただき、大きめの壺に植えました。
 なかなかハスの芽が出ないまま、ある日壺をのぞき込むと、ジュンサイのような細く丸まった葉がやっと出て来ていてスイレンのようでした。
 何枚目からかはハスらしく水の上で葉が開くようになりました。
 暮れに、クワでレンコンを掘り出す様子をテレビで見て、庭のハスがどうなっているのか見たくなりました。
水をこぼし、壺の中の植木鉢をひっくり返すと1〜2pのレンコンがありました。
 そういえば、地下鉄東西線が開通した頃、行徳の辺りは水田と蓮田が続き、シラサギがあちこちに見られたものでした。
 今は建物ばかりです。
 (M.M.)

庭の壺で育てた「大賀ハス」。上が葉と茎。
 庭の壺で育てた「大賀ハス」。上が葉と茎。
 真ん中がレンコンで、上向きに芽が出ている。
 下の竹尺は約36cm。

 

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 近隣博物館めぐり 足立区生物園

      

はじめに

 このコーナーでは、市川市近隣の自然に関する展示等を含む比較的小規模な博物館を実際に訪ね、見どころやアクセス方法を紹介します。
 市川自然博物館や大町自然観察園と合わせて皆さんの自然探究のフィールドに加えていただければ幸いです。

 

つくばEXの六町駅から歩いて行ける

 市川駅から総武線に乗り、秋葉原駅でつくばEXに乗り換え、普通列車で15分、または西船橋駅から武蔵野線に乗り、南流山駅でつくばEXに乗り換え、普通列車で10分で六町駅に着きます。
 六町駅A3出口を出たら右に曲がり、駅前の交通広場を左側に見て西方向に直進します。
 3つ目の信号でバスが走る大通りに出たら右折し、淵江高校前と表示された信号を左折すると正面に足立区生物園の大温室が見えます。ゆっくり歩いて20分ほどです。
 入り口は反対側なので、フェンスに沿って半周します。

足立区生物園
真冬でもチョウが舞う足立区生物園
(所在地)〒121-0064 足立区保木間2-17-1
(電話) 03(3884)5577
(HP)http://www.adachi.ne.jp/users/seibutsu/

 

元淵江公園の一角に生物園がある

 足立区生物園は、元渕江公園の一部です。
 公園には林や釣り池などがあり、都内とは思えない静かな一角です。
 “都市化により失われゆく自然の生物たちとのふれあいの場”として平成5年に開園した足立区の施設です。

 

都内で冬でもチョウが舞う空間があった

 入館すると正面に大水槽があり、荒川上流に住むイワナ、ヤマメ、ニジマスなどの魚が悠々と泳いでいます。
 この大水槽の右側からチョウ温室に入れます。
 入り口にはザリガニ釣りコーナーがあり、釣竿も用意されています。
 1年中ザリガニ釣りを楽しむことができます。大温室に入ると自然に歓声が上がります。
 真冬のこの季節でも大小さまざまなチョウが温室中で飛び回っているからです。
 オオゴマダラ、リュウキュウアサギマダラ、クロアゲハなど十数種類のチョウが温室中を舞っています。
 温室内のあちこちに蜜皿があり、どの皿でも吸蜜しているチョウを間近にみることができます。
 温室ではハイビスカス、パパイアなど熱帯性の植物やピラルクーなど熱帯性の魚も同時に観察できます。

リュウキュウアサギマダラ
 リュウキュウアサギマダラ

 

 

 

観察展示室にも飼育動物がいっぱい

 大水槽の左側には観察展示室があります。ここには、ナナフシ、アリジゴクなどの昆虫類やイグアナ、カエル、ネズミなど生きている動物が展示されています。
 カブトガニやカクレクマノミ、タランチュラ、サソリなども飼育されています。
 そして、展示室に隣接してチョウの飼育室があり、職員の方がチョウを飼育しているようすを見ることができます。チョウに関する質問にも答えてくれます。

 

 

 

ゲンジボタルも育つ多自然型庭園

 建物の外に出ると、人工の清流があり、池があります。
 ここでゲンジボタルを飼育しています。
 6月には屋外の専用ドームでホタル観賞会を行っています。
 “動物ふれあいコーナー”もあり、モルモットやヒツジ、ミニブタなどに触れることもできます。

 

 

 

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自然博物館の活動紹介 自然観察会

 野草の名札つけ
     平成20年1月12日(日) 午前10時〜午前12時
     市民キャンプ場(柏井町)にて  (参加 大人11人、子ども13人)

 

活動の趣旨

 自然観察会は、親子を対象に身近な自然に親しむことをテーマとしています。
 過去、参加者や内容について試行錯誤を繰り返した結果、他の行事との兼ね合いを考え、そのような結論に至りました。
 「親しむ」ことが主眼なので、あまり学術的にならず、子どもたちが自分の目で見ること、手で触ること、自分で見つけ捕まえることができればいいと考えています。

観察会の内容

 1月は、小さな昆虫たちがさまざまな形で冬を乗り越えている姿を観察しました。
  キャンプ場に積んである材木をどけると、ゴミムシの成虫がいました。
 学芸員が指で押さえると霧状のガスを噴出して逃げようとしました。
 小さなクモやヤスデ、ミミズなども隠れていました。
 雑木林の中に進み、落葉樹の枝先に目をこらすと、成虫越冬するホソミオツネントンボが見つかりました。
 小枝そっくりのすがたに、参加者から歓声があがりました。
 続いて、雑木林に転がっている朽木を崩して、クワガタ探しをしました。
 コクワガタの幼虫や成虫、カミキリムシやコメツキムシの幼虫が見つかりました。
 簡便な熊手を用意し、実際に子どもたち自身に朽木を崩してもらいました。
 過去、コクワガタの幼虫を持ち帰って無事、成虫にした参加者もいます。

人気の朽木くずし

人気の朽木くずし。


野朽木の中にいたコクワガタの成虫。

野朽木の中にいたコクワガタの成虫。

 

 

 

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 自然博物館 スポットライト 標本の交換作業

ガラスケースの上にクッション材を置き専用の台を渡します。壁面のケースを、ひとつづつ取り外して、標本を交換します。
ガラスケースの上にクッション材を置き専用の台を渡します。
壁面のケースを、ひとつづつ取り外して、標本を交換します。

 博物館の展示物は、ずっと展示したままで取り替えられていないように思われがちですが、自然博物館では、毎年来場者の少ない2月頃に臨時休館して壁面や展示ケースの中にある植物や昆虫標本の一部を取り替えています。
 特に植物標本は、6月頃ぐらいまでは花や葉の色も鮮やかですが、夏を越して10月頃になると、色が抜けて枯れた色になってしまうものもあります。
 今年も交換しますので、ぜひ色鮮やかな標本を見に来てください。

 

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わたしの標本

       

シロチョウ科   ミヤマモンキチョウ

Kさんが長野県浅間山で採集した個体。
Kさんが長野県浅間山で採集した個体。

 「ミヤマモンキチョウ」は、翅の色がオスは黄色、メスが白色をしたチョウで、本州中部の高山帯にだけに生息しています。
 長野県菅平高原にある「いちかわ村」付近でも7月中旬〜8月に見られますが、長野県の天然記念物のため採集はできません。
 写真の標本は、市内在住のKさんが採集禁止になる以前に浅間山で採った個体です。
 他の日本のチョウとともに自然博物館に寄贈して頂いたもので、翅の長さが約4.8cmのオスです。

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • オナガガモがいました(11/30)。カルガモに混じって2羽のエクリプス?が見られました。
  • 大町公園の紅葉が見ごろになりました(12/4)。モミジはもちろん、今年は、コナラやハリギリ、ツリバナ、カマツカなどきれいに色づいた木々が多くて見ごたえがありました。
  • アカゲラを見ました(12/9)。林の中でキョ、キョ、キョと鳴いていました。
  • ニホンアカガエルを見ました(12/20)。湿地の草刈をしていたら、お腹がふくらんだ立派なカエルが出てきました。
  • カイツブリを見ました(12/21)。噴水池で見ているとすっと水に潜ってしまいました。

    以上 金子謙一(自然博物館)

  • ツグミの群れを見ました(12/14)。ヒヨドリの群れとムクノキの上で実を採っていて小競合いをしていました。アカハラも数羽混じっていました。

    宮橋美弥子(自然博物館)

柏井雑木林周辺より

  • ムラサキツバメを見ました(11/14)。アベリアの葉の上にとまっていました。このチョウは成虫で越冬する種類です。

    清野元之(自然博物館)
     

じゅん菜池公園より

  • ユリカモメが今冬はじめて飛来しました(11/17)。

里見公園より

  • アオバトを見ました(11/4)。付近でアカハラを初認しました。

  ◆坂川旧河口周辺より

  • シメを初認しました(11/3)。
  • アオジを初認しました(11/4)。
  • カシラダカを初認しました(12/1)。近くにホオジロの小群もいました。

   ◆国府台周辺より

  • ツグミをこの冬初認しました(11/4)。
     
  • オオタカの幼鳥が静かにとまっていました(12/9)。

    以上 根本貴久さん(菅野在住) 

  • オオハナワラビが胞子葉を伸ばしていました(12/11)。

   ◆鬼越1丁目周辺より

  • ビワの花が咲いていました(11/6)。匂いに誘われたのか、小さな虫が飛んできていました。

   ◆高谷周辺より

  • オオバンを見ました(12/11)。高谷川のアシ原からでてきました。

    以上 金子謙一(自然博物館)

気象のようす

  ※ 
朝晩の冷え込みは本格的ですが、日中は風のない穏やかな日が多くありました。

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