平成20年度 市川自然博物館だより 12・1月号 119号

市立市川自然博物館 2008年12月1日発行

     

 いきもの写真館  季節の観察ガイド  街かど自然探訪
 くすのきのあるバス通りから  近隣博物館めぐり  活動紹介
 スポットライト    わたしの観察ノート

 


 

いきもの写真館
ヤマガラ 好物のエゴノキのたねは、冬に備えてあちこちに隠しています。しっかり足で押さえて、上手に皮をむきます。 撮影者 土居幸雄さん

 

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観察ガイド 12月から1月のおすすめ

 

     足元の赤い実、青い実                −ヤブコウジとジャノヒゲ−

 落ち葉が積もった雑木林。
 足元を探すと、まん丸の実が見つかります。
 赤いのがヤブコウジ、青いのがジャノヒゲの実です。
 ヤブコウジは、庭によく生えるマンリョウをさらに小さくした感じの植物で、高さは野外では10cmほど。
 常緑の葉に隠れるようにして赤い実がひとつふたつ、ついています。
 ジャノヒゲはいわゆる「りゅうのひげ」のことで、林の中では葉を長く伸ばし、根元から伸びた茎に丸い実(写真)をいくつもならせています。
 青い実は透明感があって、一面の落ち葉の中で見つかると、その鮮やかな色彩にちょっと得したような気分になります。

ジャノヒゲの実の写真
ジャノヒゲの実

 

   秋冬に川を飛び交うのは……            −ユリカモメ−

 市内の小河川では、夏のあいだ、日中はツバメが、日が落ちてからはアブラコウモリが虫をねらって飛び交っていました。
 しかし、秋から冬にかけてツバメは南へ帰り、コウモリは越冬に入ってしまいます。
 そうして「空き」になった川を今度はユリカモメが利用します。
 こちらは虫をねらうわけではなく、流れてくるゴミを漁っていることが多いようです。
 見た目は白くてかわいらしい鳥ですが、集団で行動することや生ゴミのようなものでも餌になることなど、習性はカラスに似ています。
 増えすぎると電線からの糞害もあり、あまり多すぎるのも考え物です。

ユリカモメの写真
ユリカモメ

 

     ひと冬のおつきあい             −ツグミ−

 冬は、市川のような市街地でも野鳥を見かける機会が多くなります。
 「市川市の鳥」ウグイスが見られるのもこの時期ですし、繁殖期を終えたメジロやシジュウカラ、コゲラは群れをつくるので、目につきやすくなります。
 北から渡ってきたツグミやジョウビタキも、街なかで出会うことが多くあります。
 中でもツグミは、体が大きく人をあまり怖がらないので、観察しやすい鳥です。春5月ごろまで、身近な野鳥の一員に加わります。

ツグミの写真
ツグミ

 

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街角自然たんぽう

  そ や 
 曽谷   弁天池公園
弁財天の祠と柿の実が池の水に映りこみます。
弁財天の祠と柿の実が、池の水に映りこみます。

 弁天池公園は、国分高校から東へ延びる細い谷のどん詰まりに位置しています。
 公園内から周りを見渡すと、周囲の住宅が公園より数段高いところに建てられていることに気づき、谷の終わりの場所であることが確認できます。
 池の真ん中にある島には妙曽池端弁財天の祠(ほこら)があり、橋で渡れます。池の周囲には、散策路もあり、たわわに実った柿をヒヨドリが一生懸命つついて食べている姿なども見ることができます。 

 

 

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くすのきのあるバス通りから 植えた覚えのない種

 鳥のフンや、風に飛ばされてきた種から生えてきたらしい植物が芽を出すと、「いったいなんだろう」と思い育つのが楽しみになります。
 さくらんぼの種がフンとともに庭に落ち、今では2mぐらいになりました。「この葉は知っているような気がする。でもなんだっけ」と思っているうちに大きくなりセイタカアワダチソウだと判明したりもしました。
 今でも一日1輪ずつマルバアサガオが咲いています。
 帰化植物図鑑ではハゼランという名の園芸植物も植えた覚えが無いのに咲いたこともありました。長男夫婦が引越しする際にプランターやコンポストの土を貰いました。
 そこからカボチャが育ち、カボチャができるのを期待していました。
 庭のほとんどがカボチャの葉に覆われましたが結局なりませんでした。
 オジギソウらしきものがカボチャとともに芽を出していたので、ちいさな鉢に移し育てています。娘が「いくら触っても、葉が閉じない」といっていました。
 最近では「茎が木みたいに硬いよ」というので、ネムかもしれません。  (M.M.) 
 

 

 

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 近隣博物館めぐり 地質標本館

      

はじめに

 このコーナーでは、市川市近隣の自然に関する展示等を含む比較的小規模な博物館を実際に訪ね、見どころやアクセス方法を紹介します。
 市川自然博物館や大町自然観察園と合わせて皆さんの自然探究のフィールドに加えていただければ幸いです。

 

寒い時期には館内展示をじっくりと

 JR常磐線で土浦方面に向い、荒川沖駅で下車します。
 または武蔵野線南流山駅からつくばエクスプレス線に乗り、車窓から見える筑波山を楽しみながら終点のつくば駅で下車します。
 両駅を結ぶ1時間に2便程度のバス路線があります。
 どちらの駅からも約15分、「並木2丁目」というバス停で下車します。
 車なら常磐道桜土浦ICから3km程度です。

地質標本館の写真
△地質標本館
(所在地)〒305-8567 つくば市東1-1-1
(電 話)029-861-3750
(開 館)9:30〜16:30 (入館料)無料
(休館日)月曜〈祝日の場合は翌日〉、年末年始

 

産業技術総合研究所の中にある

 「地質標本館」は、独立行政法人産業技術総合研究所の中にあります。
 ここは大きな研究施設です。バス停からすぐのところに正門があり、少し入ると受付があります。
 車で入る場合は、受付に立ち寄り、駐車票を受け取ります。
 これがないと警備員さんに止められてしまいます。
 研究所内のイチョウ並木の道を進み、300mほど先に地質標本館があります。
 道順は受付で聞けば親切に教えてくれます。

 

地質や地球の歴史を学べる

 地質標本館は、地球と人との関わり合いを理解できるように地質調査総合センターの研究成果を最新の情報とともに日本の地質、地球環境、火山と地震などのテーマごとにまとめて展示している国内では数少ない地学専門の博物館です。
 展示内容は少し難しいのですが、親しみやすいように工夫されています。玄関前では、マスコットのジオ君が出迎えてくれます。
 また、受付で音声ガイドのレシーバーを無料で借りることもできます。

 

 

 

地球の歴史コーナー

 入口には地球最古の岩石が展示されています。
 大型の日本列島地質模型や地質年表、大きなアンモナイト化石、デスモスチルスの足跡などが展示されていて、生物の進化や郷土の地質などから地球の歴史について学ぶことができます。

 

生活と鉱物資源コーナー

 鉱物資料などが展示されていて、陸域や海域の鉱物資源及び海洋・湖の地球環境との関わりについて知ることができます。
 映像資料で、関東平野のでき方についても学ぶことができます。

 

生活と地質現象コーナー

 大きな富士箱根火山の模型があり、火山・温泉・地熱・活断層・地震などについて学ぶことができます。
 地学クイズコーナーもあります。

 

分類展示コーナー

 岩石、鉱物、化石の標本が多数並べられています。大きな自然金もあります。

 

 

 

 

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自然博物館の活動紹介 授業のお手伝い

 小学校の授業のお手伝い(ゲストティーチャー)

    各小学校の教室、特別教室、体育館などにて
                                

 

学校への講師の派遣

 開館当初から、自然博物館の活動の課題のひとつとして「学校教育との連携」が挙げられていました。
 しかし、実際に学校と連携を結んでいくことは難しく、開館15年を過ぎたころから、ようやくそれまでの積み重ねが実を結んで、おもに小学校から講師派遣の依頼をいただけるようになりました。
 その背景には「環境学習」に取り組む小学校が増えたことや、「総合的な学習の時間」の導入もあったと思われます。

博物館が学校へ出かける

 小学校での授業のスタイルは千差万別です。
 依頼する先生の意図やテーマもさまざまですし対象の学年もいろいろですから、それにあわせて試行錯誤を繰り返してきました。
 たとえば生き物についての話をする場合、低学年には飼育ケースに入れた実物(生きている)や板書によるイラストを基本に話をします。
 中学年ではおもに剥製を用い、高学年になると話が中心になりますが、映像も用いるようになります。
 ただ、いずれの場合でも心がけているのは、学芸員には必ず「博物館から来た」という冠がつくので、それにふさわしい準備をするということです。
 低学年に対しては、子どもたちが飼ったことがなさそうな虫を持っていったり、人気の昆虫をイラストで描いてみせたりします。
 中学年には、多種多様な標本・剥製を収蔵庫という「特別な部屋」から選び出してきたことを強調します。
 そして高学年には、専門的な知識を織り込みつつ話をします。

標本や剥製の利用価値

 小学校4年生に生き物の話をする時、カモとサギとウの剥製をセットで見せます。
 くちばし、首、足の長さや形のちがいが、行動場所や食性と関係することが一目でわかります。
 また、ムササビとコウモリの剥製を見せると、それぞれの翼の構造の違いが飛び方の違いにつながっていることがわかります。
 そして、動かない剥製だからこそくらべることができる、という話も必ずします。博物館に「陳列」してある剥製や標本の、ほんとうの利用価値を理解してほしいからです。

ダイサギの剥製をもって話をしている様子の写真
ダイサギの剥製を使って話をする

 

 

 

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 自然博物館 スポットライト 安全対策2

 来館者の方にアンケートをとった時に、「展示室内で危険と感じられる場所」を項目に入れたところ、「間仕切りのロープの高さ」などがあがったので、すぐに対応しました。
 博物館では毎月の点検の他にも、来館者の皆様の動向を観察する中で気がついた箇所は、計画を立てて毎年少しずつ改良しています。
 昨年度は、隙間に注目して改良しました。実は博物館の展示室は、展示品を取り付けるための壁を、大きながらんどうの部屋の中に後から設置しています。
 そのため、もとの壁面との間に、隙間がある箇所があります。
 その中で、幼児が入ってしまうおそれのある箇所を、パネルでふさぎました。
 展示品や部屋全体との調和を乱さず目立たないというのが、改良のポイントです。

壁と壁の隙間をふさいだ様子

 

 

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • ツリフネソウが咲いていました(9/7)。湿地に、ツリフネソウとツユクサが群生する様子は、晩夏から初秋へと移り変わる季節にふさわしい風景でした。

  • タデ科の花がきれいでした(10/5)。群生するミゾソバを筆頭にイヌタデ、ボントクタデ、ニオイタデ、アキノウナギツカミ、ヤノネグサ、イシミカワの花が見られました。


    以上 金子謙一(自然博物館)

  • アブラゼミが鳴いていました(10/21)。暖かかったこの日、オニヤンマの飛んでいる姿も見られました。

  • アオジやカシラダカなど冬鳥が一気に増えました(10/31)。姿は現しませんがツグミ類の鳴き声も聞こえました。


    以上 宮橋美弥子(自然博物館)

  • 観察園のジュズダマについていた透きとおった黄緑色のサナギを観察していたらクロコノマチョウが羽化しました(10/26)。


        藤田秋子さん(東大和田在住)

北方遊水池より

  • 立入り禁止区域内の池にオオバンが5羽以上いました(10/31)。他にマガモやコガモなどのカモ類もきていました。


        宮橋美弥子

北国分より

  • 夏の夜を楽しませてくれた庭のカラスウリの最後の花が咲きました(10/15)。


        谷口浩之さん(北国分在住)

堀之内貝塚より

  • ニイニイゼミが鳴いていました(9/7)。

     
    K.T.さん

  ◆じゅん菜池緑地より

  • オナガガモ15羽、ヒドリガモ6羽初認しました(10/4)。

  • ハシビロガモとキンクロハジロ各1羽を初認しました(10/12)。

   ◆里見公園より

  • アカハラを初認しました(10/18)。斜面林からは、ホトトギスの一鳴きが聞こえました。

   ◆坂川旧河口一帯より

  • アリスイを初認しました(9/20)。

  • 100羽近いユリカモメの群れが蚊柱のように旋回するのを見ました(10/25)。


    以上 根本貴久さん(菅野在住)
   ◆江戸川放水路より
  • 干潟でトビハゼを見ました(9/11)。今年生まれの小さな個体があまり見えなかったのは、青潮の影響があるのでしょうか。

  • ハサミシャコエビが見つかりました(9/14)。対照的にアナジャコの穴は主がいない風で荒れていました。満潮時水没する穴に棲むアナジャコには青潮の打撃があったのに、より浅い側にいるハサミシャコエビは大丈夫だったということでしょうか。


    以上 金子謙一
気象のようす

  ※ 
今年は台風が本州に一度も上陸しませんでした。

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