◆  市川自然博物館だより  ◆

8・9月号

特集 トンボを探しにゆこう

市立市川自然博物館  1991年8月1日発行

特集記事 街かど自然探訪 市川のこん虫 むかしの市川 行徳野鳥観察舎だより



特集記事



特集 トンボを探しにゆこう

  大空をスイスイと飛び回るトンボ。夏を代表する昆虫です。「ヤンマ」「イトトンボ」「アカトンボ」。トンボの呼び名はいろいろ知っているけど、どんなトンボがいるんだろう? トンボを探しにいってみましょう。

どこに行けばみつかるかな?

開けた池や水田の周辺

  水辺の草や池の中に卵を産みにくるトンボ。小さな昆虫を食べに来るトンボ。池や水田の周辺には、たくさんのトンボがいます。水面や池の上空など、じっくり観察しましょう。種類によって、見られる場所はさまざまです。

街のなかの公園

  市街地でも、緑の多い公園などでは、まだ赤くないナツアカネがよく見られます。噴水や池のある公園ではシオカラトンボ、そして上空を通過するオニヤンマを見つけることができます。

トンボを見つけたらここに注目!

イトトンボ(sz141.gif(約5KB) 「イトトンボ」の仲間

  体の大きさは約30mmで、とても小さいトンボです。あまり高く飛ばず、水辺近くの草むらや、水田の周辺でよく見られます。はねを閉じてとまるのが特徴です。

「アカトンボ」の仲間

  「アカトンボ」が赤くなるのは、じゅうぶん成熟する秋で、夏はほとんどのものが黄橙色をしています。市内でよく見られる「アカトンボ」は3種類です。

アカトンボ(sz142.gif(約10KB)

シオカラトンボ(sz143.gif(約9KB) シオカラトンボの仲間

  シオカラトンボ・オオシオカラトンボ・ハラビロトンボなど、中型のトンボです。雄の体は青白い色をしたものが多いです。

ヤンマ(sz144.gif(約6KB) 「ヤンマ」の仲間

  日本最大のトンボ・オニヤンマやギンヤンマなど、大型のトンボの仲間です。昼間一番暑い時間でも、池の上をゆうゆうと飛んで、なわばりをパトロールします。毎秒9mものスピードをだすこともできるので、捕まえるのは大変です。

市川で見られる珍しいトンボ

 市で天然記念物に指定しています。 皆で大事に保存していきましょう。

ヒメアカネ

  アカトンボのなかまでは日本で一番小さなトンボです。自然観察園に生息しています。

ヒヌマイトトンボ

  太平洋岸のわずかに海水が混入する河川の湿地にだけ生息しています。行徳橋上流のヨシ原は、千葉県内唯一の生息地です。

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街かど自然探訪



カット(sz145.gif、約6KB)

入船・東浜公園の夏

  高層住宅が建ち並ぶ行徳地区では、街かどの公園は、遊び場やくつろぎの場として貴重です。入船にある東浜公園も、そういう公園のひとつです。
  7月のある日、小さな子どもが遊ぶ東浜公園では、蜜を求めるアゲハチョウがネズミモチの花を訪れ、メタセコイアの木では、ニイニイゼミが夏の到来を告げていました。まだ赤くないナツアカネが芝生の上を飛び、公園には夏の気配が満ちていました。



カット(sz146.gif、約17KB)

稲越町・国分高校近くの湧水

  稲越町は、町内を春木川が流れていて、川沿いに開けた土地が広がっています。一方、町の東側には高塚新田から続く台地があり、国分高校前の道路に沿って、台地から低地への斜面になっています。
  こういう斜面の下は、むかしから湧き水の多いことが知られています。市内各地にあった湧水の多くは埋められてしまいましたが、国分高校前の道路沿いには、湧水が残っています。中には入れませんが、道からでも、昔の湧水の面影に触れることができます。

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市川のこん虫




クワガタムシ

  クワガタムシの仲間は、カブトムシとともに夏の雑木林を代表する昆虫のひとつで、たいへん人気があります。
  なんといっても、クワガタムシの仲間はそのあごが特徴です。クヌギやコナラなどの樹液(じゅえき)をなめているので、そのあごはえさを食べるのには使いません。もっぱらえさの場所取りや、お嫁さん探しの時のけんかに役立っているようです。個体によってその形や大きさにかなり差があり、けんかの強さもこれで決まるようです。
  市川市内にはコクワガタ・ノコギリクワガタ・ヒラタクワガタという3種類のクワガタムシが生息しています。この中で一番普通に見られるのはコクワガタです。暗くなってから、雑木林で樹液の出ている木の幹や、その周辺の街灯の下を探すと簡単に見つけることができます。

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むかしの市川




真間川の思い出 3

カット(sz147.gif、約6KB)   市川市の地図を見ると、東菅野あたりから八幡、鬼越を経て、原木で東京湾に注ぐもう1本の真間川を見つけることができます。この川は、以前は境川(ところによって新川)とよんでいました。
  水が澄んでいたので夏はよく泳いだものです。所々におわい舟(肥料舟)が、もやってありましたが、気にすることもなく、その間を泳ぎ抜けたりしました。
  冨貴島小学校(当時はなかった)のあたりで大柏川が合流します。そこは、堰になっていて大柏川の水がオーバーフローして境川に落ちる一方、境川の上に懸樋(かけい)となり、川の上を川が流れていました。そして八幡から稲荷木、行徳へと導かれて内匠堀(たくみぼり)となりました。
  境川は東京湾に河口を開いていたので海から魚が遡上し、大柏川の堰下では、アユの群れが飛びはね、ウナギが堰板をはいのぼろうとしたりしていました。
  「丘辺の裾の境川、清くめぐれる学園に文化の花は咲きかおる・・・」これは中山小学校の校歌の一節です。
(博物館指導員 大野景徳 記)

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行徳野鳥観察舎だより



カット(sz148.gif、約9KB)

カワセミの巣づくり

  6月2日の園内観察会で、巣作りまっ最中のカワセミが見られた。
  この4月に作った営巣用の崖。草におおわれた池の土手をけずり、幅2mほど土をむきだして少しオーバーハングさせた場所で、水面から1m程のところにせっせと穴を掘っていたとのこと。ここ2、3年来夏もカワセミが見られるようになり、新浜鴨場に巣があるとは思っていたが、現場確はこれが初めて。
  6月末、魚をくわえて巣穴へ入る雄が見られた。抱卵確実!しかし、7月には巣への出入りが少なくなり、巣立ったヒナも見られていない。残念ながら失敗してしまったようだ。来年はもっと条件のよい崖を作ろう、と友の会のメンバーは今からはりきっている。

(文と絵:行徳野鳥観察舎 蓮尾純子 )

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