◆  市川自然博物館だより  ◆

10・11月号

街の緑 街路樹を見よう!

市立市川自然博物館  1991年10月1日発行

特集記事 街かど自然探訪 市川のこん虫 むかしの市川 行徳野鳥観察舎だより



特集記事



特集 街の緑 街路樹を見よう!

  街路樹は、植えられたものではありますが、『樹』にふれる機会の少ない市街地の人にとって、ちょっとしたオアシスです。通勤、通学、買い物に、毎日通う道だから、毎日観察してみると、街路樹を通して、四季折々の街の自然が見えてくるはずです。

五感を使って街路樹探検

  市内には、約90種の樹木が、街路樹として、また道路わきの緑地に植えられています。

マーク(sz151.gig,約1KB) 視覚を使って…

イチョウの葉(sz152.gig,約2KB) イチョウ

  市川の街路樹のなかでは、黄葉し、落葉する数少ない種類です。台風が多いと海水の飛沫の影響などで、うまく色づきません。さて、今年の黄葉はどうでしょうか。

マーク(sz153.gig,約1KB) 触覚を使って…

スズカケノキの葉と樹皮(sz154.gig,約5KB) スズカケノキ

  プラタナスともいわれるこの樹は、街路樹として、日本で一番多く使われています。秋、鈴のようになる実もおもしろいですが、モザイク状の樹皮に触ってみるのもいいでしょう。何色の皮がいちばん上にあるかな?

マーク(sz155.gig,約1KB) 味覚を使って…

マテバシイの葉(sz156.gig,約4KB) マテバシイ

  市内でいちばんたくさん植えられています。特に行徳、南行徳地区や湾岸道路以南に多く植えられています。9〜10月頃になる大きなドングリを炒って食べると、香ばしくておいしい。お試しを。

マーク(sz157.gig,約1KB) 嗅覚を使って…

クスノキの葉(sz158.gig,約3KB) クスノキ

  冨貴島小前を東西に伸びる道沿いや、行徳駅前などに植えられています。葉を1枚ちぎってにおいをかいでみると、いいかおり。樟脳のにおいです。

マーク(sz159.gig,約1KB) 聴覚を使って…

  街路樹があると、車の騒音が遮断されて、街のうるささがやわらげられるといわれていますが、あなたの街ではどうですか?



家のまわりの街路樹マップをつくってみよう!

 家のまわりの街路樹マップをつくって、気がついたことを書き入れてみましょう。きっと、あなたの街を見る目が変わることでしょう。

行徳駅周辺マップ(sz15a.gig,約41KB)


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街かど自然探訪



カット(sz15b.gif、約8KB)

大野町・4丁目に残る田んぼの自然

  田んぼは、水にかかわって暮らす生物の宝庫です。大野町4丁目の田んぼでは、今でも泥の中にドジョウが住み、わき水が流れる水路の砂にはマシジミが、田んぼに注ぐ小川にはカダヤシやコオイムシが見られます。アメリカザリガニやアカガエル、ダルマガエルといった人気者も生息しています。
  市川の低地は、かつて、田んぼがひろがる田園地帯でした。今では、田んぼはほとんどなく、大柏川沿いの大野町一帯、国分川沿いの国分・東国分一帯にわずかに残るだけになってしまいました。



カット(sz15c.gif、約5KB)

大洲・江戸川に群れる都鳥

  かつて、隅田川ののどかな流れを象徴した「都鳥」はユリカモメのことで、江戸川や真間川などの河川で今も普通に見ることができます。埋立地に群がって生ゴミを食べることが広く知られるようになりましたが、それでも、純白の体と赤いくちばしの組合わせは美しいものです。
  冬、何百羽というユリカモメが大洲付近の江戸川に群れる様子は壮観で、それが旋回しながら青空へ舞い上がっていく姿には、美しさと同時にある種の不気味さが感じられます。都市に適応しながらも失っていない野性なのかもしれません。



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市川のこん虫




クスサン

  秋、10月頃になると市内の大町や柏井等の雑木林の近くの電灯で、はねの色が褐色の大きなガが止まっているのを見かけることがあります。このガはクスサンというヤママユガの仲間です。
  「幼虫がクスノキの葉を食べるサン=蚕(カイコ)」という意味で和名がつけられましたが、クスノキよりもクリに多くつくようです。クリの木でよくみかける、体に白い毛がたくさん生えている大きな毛虫がクスサンの幼虫で、別名「白髪太郎(しらがたろう)」と呼ばれています。この幼虫の体の中にある絹糸腺(けんしせん)という器官から、昔は魚釣りのときに使ったテグスをとりました。また、まゆは「すかしだわら」と呼ばれます。

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むかしの市川




アマモ

カット(sz15d.gif、約5KB)   行徳から浦安へかけて、昔は大きな干潟が広がっていました。その岸に近い所にアマモ(別名アジモ)という葉の細長い、柔らかい草が群落を作っていました。引き潮どきにはこの草はべったりと干潟の表面に張り付くように倒れていましたが、潮が上げてくると水の中に葉を広げユラユラとゆれていました。
  この草は地下茎を噛むと甘い味がするのでアマモとかアジモとかいう名前がついたのだそうです。”モ“といってもこの草は海藻ではなく顕花植物の単子葉類の仲間です。花の咲く植物が海水にすっかりつかって生きていることを知ったとき、私は大変びっくりしたものです。
  その後、干潟の埋立てによって、この草は姿を消してしまいました。
(博物館指導員 玉置善正 記)

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行徳野鳥観察舎だより



カット(sz15e.gif、約4KB)

"暑い暑い"といううちに

  9月6日のお昼すぎ、丸浜川の対岸でしきりに羽づくろいをしているカモを見つけた。望遠鏡をのぞくと、やはりコガモ! いよいよ冬鳥の到着だ。夜通し飛び続けて着地したばかりかもしれないというのに、2羽のコガモは落ちつきは らって嘴を水にひたしては羽をなでつけている。例年とほぼ同じ日の初認。
  のびきっていない翼をひろげては、小魚をくわえた親鳥に走り寄っていたコアジサシのヒナたち、観察舎の電線にずらりと並んで親に餌をねだっていたツバメのヒナたち。無事に旅立ったのだろうか。9月の声を聞くと、鳥の動きが急にあわただしくなってきた。
  きっぱりとした季節の変わり目をむかえ、きびしい残暑がなごり惜しいようなこのごろ。

(文と絵:行徳野鳥観察舎 蓮尾純子 )

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