◆  市川自然博物館だより  ◆

12・1月号

窓の中からバード・ウオッチング

市立市川自然博物館  1991年12月1日発行

特集記事 街かど自然探訪 市川のこん虫 むかしの市川 行徳野鳥観察舎だより



特集記事



特集 窓の中からバード・ウオッチング

  町のなかでは、野鳥は最も身近な野生動物です。警戒心が強いので、なかなか近くで観察することはできませんが、冬はえさが少ないので、えさ場をつくると集まってきます。近くで野鳥をじっくりと観察してみましょう。

☆鳥を近くに呼ぼう

えさ場をつくろう

  まずは、えさ場をつくってみましょう。ベランダや庭の、どこでもいいのですが、3つの点に注意してつくってみましょう。
1. いつも同じ場所にえさを置く
 鳥にえさの場所を覚えてもらうことが大切です。家の中から見えるところにおいてやると、鳥を驚かさずにじっくり観察することができます。
2. えさを、絶やさずに置く
 ひと冬根気よく続けましょう。春には思わぬ種類がやって来るかも・・・。
3. 鳥を驚かさない
 えさをおいたら、すぐに室内にもどってそっと見守りましょう。

水場もつくろう

  鳥には飲むための水だけではなく、体を清潔にしたり、体温調節をしたりするための水浴びをする水場も、欠かせません。

  鳥が集まって来るようになるまでには、数日か数週間かかるかも知れません。気長に、根気よく続けてみましょう。

鳥が集まるようになったら・・・

☆観察のポイント

どんな種類がくるだろう

  たいていまず最初に来るのは、スズメです。町の中では、ヒヨドリやキジバトも来る可能性があります。

行動をみよう。

  飛んできてすぐにえさをたべるでしょうか。けんかも、同じ種類どうしの時と違う種類どうしの時では、違います。時には、じっくりと、鳥たちの行動を観察してみましょう。安心してくると、鳥たちはいろいろな行動を見せてくれます。

からだの模様

  たくさん集まってきたスズメ。みんな同じ模様でしょうか。スズメはほおの黒い点や首の白い輪などに個体差があるようです。

訪れる時刻

  毎日決まった時刻に決まった種類が訪れるでしょうか。観察メモをつけてみましょう。

えさ

  いろいろなものを置いてみましょう。 違うえさには違う鳥がやって来るかもしれません。食べ方は、鳥の種類や、幼鳥・成鳥で、同じでしょうか。
○パン、ごはんつぶ、ヒエ、アワなどの穀類
○ヒマワリ、カボチャ、スイカ、アサなどの種子
○ジュース、砂糖水、ハチミツ
○カキ、リンゴ、ミカンなどの果物
   カキはまるごと、リンゴやミカンは輪切り
○牛・豚の脂肉
   傷みやすいので、食べ残しは1 週間ぐらいで捨てましょう。

ずっと来るようになったら・・・

  季節による、種類の違いや幼鳥・成鳥での模様や行動の違いなども観察のポイントです。えさのたくさんある時期とない時期では、訪れる時刻も変わってきます。
  またえさ場に鳥が訪れない時はどこにいるのか、家のまわりで探してみましょう。

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街かど自然探訪



カット(sz161.gif、約11KB)

大町・国分川の源流地

  市川市の西部を北から南へ流れる国分川は、上流へさかのぼると松戸市内で大きく東に曲がり、松戸市紙敷に至ります。紙敷に近い市川市大町に、源流のひとつが、昔ながらの姿で残っています。
  北総線の大町駅にほど近い場所にある源流は、ヒノキなどの多い民有地の林です。林の中で湧き出た水は澄み、たっぷり水を含んだ厚い落ち葉の間からしみだします。小さな流れとなった湧き水は、木々の間をぬって流れだし、国分川となるのです。
  湧水や小川は市内に今も多くありますが、本来の源流の姿を今に伝えるのはここだけです。



カット(sz162.gif、約8KB)

大和田・江戸川べりの梨畑

  市川市の特産品である梨は、現在は市の北部、台地にひろがる梨畑でつくられていますが、かつては八幡周辺をはじめとする低地でつくられていました。多くの梨畑が北部に移り、梨畑があった場所は住宅地にかわっていきました。
  現在、低地に残る梨畑はわずかです。宮久保、曽谷、東菅野などのほか大和田の江戸川べりにもあります。江戸川の堤防にのぼると、小さな梨畑が住宅に囲まれてある様子がよくわかります。来春、満開のころの梨畑を堤防の上から眺めると、きれいでしょう。



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市川のこん虫




冬越し

  12月になると、市内でもほとんど昆虫の姿を見かけなくなります。しかし、昆虫たちは、樹の幹や枝の中、枯れ草の茎、落ち葉の下、土の中、そして家の中などで、厳しい冬を越しています。
  冬越しの姿はさまざまで、コオロギやカマキリは卵、カブトムシやクワガタムシは幼虫、アゲハチョウやモンシロチョウはさなぎ、そしてアリやテントウムシは成虫で冬を越します。
  博物館のある大町周辺でも11月下旬になると何十匹というテントウムシ( ナミテントウという種類) がどこからともなく集まってきて集団をつくり、樹の幹や落ち葉の下で冬を越す姿が見られます。皆さんもこの冬は市内のあちらこちらで、冬越しをしている昆虫たちをさがしてみましょう。

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むかしの市川




貝灰のはなし

カット(sz163.gif、約6KB)   市川市の南部には、古くから貝灰を製造する工場がいくつもありました。江戸時代あるいはもっと昔からでしょうか。貝灰は近くの海で採れるハマグリなどをむきみにするときにでる、たくさんの貝殻を炉で焼いて作られ、壁の上塗りにするしっくいの材料として使われました。
  江戸時代は世の中が安定し、江戸の町は経済活動が発展しました。人口も百万を越えたので、建築材料としての貝灰の需要は多かったことでしょう。江戸に近いこの地域の貝灰工場は大いに栄えました。
  明治以降は、石灰石から作る消石灰にとってかわられ、貝灰工場もだんだんと少なくなり昭和46年頃を最後になくなってしまいました。
(博物館指導員 玉置善正 記)

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行徳野鳥観察舎だより



ジョウビタキの災難

カット(sz164.gif、約4KB)
  ジョウビタキがあちこちで鳴いている。今年は長雨のせいか例年より到着が遅れたが、ヒッヒッという高い声は近づく冬を思わせる。
  11月9日のこと。近くの小鳥店からジョウビタキの雌が入院した。渡ってきたばかりのこの時期は室内に飛び込むものがよくいる。窓に映る自分の姿を攻撃するのかもしれない。
  この鳥は軽く窓にぶつかっただけで特に外傷はなかったが、少々ぼうっとしているので、ひと晩様子をみようとかごに入れた。夜、餌をたべさせようとしたとたん、するっと脱走..あわや、というところでおさえたつもりが、手の中にごっそりと抜けた尾羽が!!
  翌朝、尾なしになったジョウビタキに足輪をつけて放した。悪夢のような一夜だった。

(文と絵:行徳野鳥観察舎 蓮尾純子 )

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