◆  市川自然博物館だより  ◆

2・3月号

配慮したい市内の野生生物 6

レッドデータブック掲載種

市立市川自然博物館 1998年2月1日発行

  特集記事  街かど自然探訪  行徳野鳥観察舎だより  むかしの市川  観察ノート




特集記事



配慮したい市内の野生生物 6   レッドデータブック掲載種

  今年度は、市内において配慮が望まれる野生生物について特集してきました。しかし市内には、市川市という範囲とは別に、わが国全体のレベルで配慮が望まれる野生生物も生育・生息しています。今回は、国版「レッドデータブック」(絶滅のおそれのある野生生物についてまとめた本)に掲載された市内の野生生物について紹介します。

市内に生息する、絶滅のおそれのある野生動物

  「日本の絶滅のおそれのある野生生物−レッドデータブック−(脊椎動物編)」と「同(無脊椎動物編)」(ともに、1991年環境庁編)に掲載されている種類を挙げました。区分は、 「絶滅危惧」「危急」「希少」 の順に危険度が小さくなります。

鳥 類
1.オオタカ: 危 急
市内では行徳鳥獣保護区で冬季少数が見られるほか、各所で稀に見られます。
2.チュウヒ: 危 急
行徳鳥獣保護区では、冬季普通に見られます。
3.チュウサギ: 希 少
「希少」なのは繁殖に関してです。市内では、かつて一大繁殖地であった新浜鴨場で現在も少数の繁殖があるほかは、繁殖記録がありません。
4.オシドリ: 希 少
じゅん菜池公園で少数見られるほか、各所の池や江戸川で稀に見られます。
5.オオジシギ: 希 少
市内では渡りの時期に通過個体が見られる程度です。
6.セイタカシギ: 希 少
セイタカシギ
参考写真:セイタカシギ(約18KB)
愛知県と千葉県だけで繁殖事例があり、行徳鳥獣保護区で毎年繁殖しています。冬季は江戸川放水路でも見られ、市内ではむしろ増加傾向にあるといえます。
7.コアジサシ: 希 少
市内では現在も繁殖事例がありますが、埋め立て直後のような広い裸地を好むので、今後も継続して利用できそうな繁殖適地は市内に見当たりません。
8.コジュリン: 希 少
行徳鳥獣保護区では、冬季普通に観察されるようです。
※なお、市内で稀な記録しかない鳥は除きました。また、市内で冬季見られるカンムリカイツブリ(危急)は、青森県の繁殖集団が対象なので、やはり除きました。

昆虫類
1.ヒヌマイトトンボ: 絶滅危惧
ヒヌマイトトンボ
参考写真:ヒヌマイトトンボ(約20KB)
ただ1か所の生息地があり、市の天然記念物として保護されています。

市内に生育する、絶滅のおそれのある野生植物

  「植物版レッドリスト」(1997年環境庁作成)掲載の種類を挙げました。区分は 「絶滅危惧I」(種子植物・シダ植物においてはA・Bに細分)→ 「絶滅危惧II」「準絶滅危惧」 の順に危険度が小さくなるほか、評価するだけの情報が不足している「情報不足」という区分もあります。

種子植物
1.ホソバイヌタデ: 絶滅危惧IB
ただ1か所で採集記録(1986年)がありますが、現状は不明です。
2.マヤラン: 絶滅危惧IB
2か所で採集記録(1994年、1997年)がありますが、腐性ランという特性からすると、今後も安定して生育を続けるかどうかはわかりません。
3.ミズニラ: 絶滅危惧II
自生地は消滅し、保護移植した株も近年、枯れてしまいました。
4.オオアカウキクサ: 絶滅危惧II
2か所以上の自生地がありますが、いずれも水田などの不安定な環境です。
5.ノカラマツ: 絶滅危惧II
ノカラマツ
参考写真:ノカラマツ(約49KB)
1か所の自生地があります(1997年観察記録)。
6.タコノアシ: 絶滅危惧II
2か所の自生地があります(1995年採集記録)。
7.ノウルシ: 絶滅危惧II
ノウルシ
参考写真:ノウルシ(約60KB)
1か所の自生地があります(1997年観察記録)。
8.イヌノフグリ: 絶滅危惧II
イヌノフグリ
参考写真:イヌノフグリ(約23KB)
1か所の自生地があります(1995年採集記録)。
9.ウラギク: 絶滅危惧II
ウラギク
参考写真:ウラギク(約31KB)
1か所の自生地があります(1996年採集記録)。
10.フジバカマ: 絶滅危惧II
フジバカマ
参考写真:フジバカマ(約44KB)
1か所の自生地(1997年観察記録)と1か所の保護移植地があります。
11.カンエンガヤツリ: 絶滅危惧II
ただ1か所で採集記録(1986年)がありますが、現状は不明です。
12.エビネ: 絶滅危惧II
エビネ
参考写真:エビネ(約36KB)
2か所の自生地があります(1997年観察記録)。
13.キンラン: 絶滅危惧II
2か所以上の自生地がありますが、掘り取られることも少なくありません。
14.クマガイソウ: 絶滅危惧II
1か所の自生地があります(1996年観察記録)。
15.カワヂシャ: 準絶滅危惧
2か所以上の自生地がありますが、いずれも湿地という不安定な環境です。
16.アギナシ: 準絶滅危惧
ただ1か所で採集記録(1986年)がありますが、収蔵標本からは類似種オモダカとの区別ははっきりせず、誤同定の可能性もあります。
17.ミクリ: 準絶滅危惧
ミクリ
参考写真:ミクリ(約24KB)
自生地はずいぶん昔に消滅し、1か所の保護移植地があります。
18.コアマモ: 情報不足
1か所の自生地があります(1996年観察記録)。
※「市川の植物」に記載があるオオアブノメ(絶滅危惧II)は、標本を再検討した結果、別種であることがわかったので除きました。

蘚苔類
(本格的な調査をしていないので、情報のある範囲内で調べました)。
1.イチョウウキゴケ: 絶滅危惧I
1か所で観察記録(1993年)があります。

藻 類
(本格的な調査をしていないので、情報のある範囲内で調べました)。
1.シャジクモ: 絶滅危惧I
確実な記録はありませんが、たぶん市内にも自生しています。
2.イノカシラフラスコモ: 絶滅危惧I
1か所の自生地があります(1996年藻類学会において報告された)。
3.カワモヅク類: 準絶滅危惧
カワモヅク
参考写真:カワモヅク(約34KB)
1か所の自生地があります(1997年観察記録)。種類は不明ですが「レッドリスト」には8種が掲載されており、いずれかに該当すると思われます。


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街かど自然探訪



東国分・川沿いの田んぼ

カット(sz541.gif、約14KB)
  国分川と春木川に挟まれた東国分地区には、いまも若干の田んぼが残っています。ちょうど東国分中学校の周辺です。
  春の田んぼは楽しいものです。土手では野草が咲き、水が張られるとミジンコやおたまじゃくしが泳ぎ出します。市内では田んぼを体験できる場所も稀になりました。でも、例えば整備したばかりの柔らかな畦は歩かないとか、田植え直後の田んぼには網を入れないとか、あたりまえのマナーも守りたいものです。

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行徳野鳥観察舎だより



カモの求愛

カット(sz542.gif、約3KB)   バレンタイン・デーは「小鳥たちが愛にめざめる日」と言われます。このころから日照時間がぐんぐんのび、巣づくりの時期にむかって、鳥たちは結婚相手をさがします。
  美しい繁殖羽に衣がえしたカモの雄は目立たない保護色をした雌のまわりで、ひょこひょこと頭を上下させたり、尾羽を上げて、熱心に求愛しています。時期が遅くなるほど雄の求愛には熱が入り、しつこく追われた雌が飛び立つと、求婚者たちもぞろぞろついて飛びます。3月なかばすぎ、オナガガモが何羽か飛んでいるのを見ると、たいていは先頭の1羽だけ雌、残りはぜんぶ雄です。相手が決まらない独身の雄たちがあせっているように見えますが、カモにとってはただのゲームなのかもしれませんね。

(文:行徳野鳥観察舎 蓮尾純子 )


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むかしの市川



学校の中の小川

カット(sz543.gif、約10KB)   昭和24年、現在の冨貴島小のところに は三中(一学年だけ)があり、そこに勤務していました。学校の敷地は今と同じでしたが、東側の垣根から数m内側を南北に通る流れがありました。
  赴任初日、仕事が終わった後、流れのところへ行って見ると、流れは深さ30〜40cm位で水はとてもきれいで、流れの底はもちろん、底の砂一つぶ一つぶが、とんだりはねたりする様子まで見えましたこの流れの速さはわりあい速く、下の方まで歩いてみても淀んでいるところもありませんでした。
  しばらくして、この流れは内匠堀りだと聞きましたが、調べなおしたところ、内匠堀りの上流の流れだと判りました。
  当時この流れに沿って黒松が一列に植えられており、今では流れそのものはなくなっていますが、黒松は冨貴島小学校の校庭から京成の線路の近くまでそのまま残されています。

(博物館指導員 鎗田安之 記)


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わたしの観察ノート No.36



自然観察園より
柏井雑木林より
南大野より
八幡より
国府台より
江戸川より
じゅん菜池公園より
堀之内貝塚公園より
小塚山市民の森より
冬型の気圧配置が安定しない暖冬ですそのことが、年末は寒い日が少ないことにつながりましたが、年明けには、春型の大雪を2度も降らせました。

 

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