◆  市川自然博物館だより  ◆

第66号 (2000年2・3月号)

特集「川かんさつ」 6

観察適地

市立市川自然博物館 2000年3月31日発行

 特集記事  街かど自然探訪  レッドデータブック掲載種紹介
 くすのきのあるバス通りから  むかしの市川  観察ノート





特 集  川のかんさつ  



川のかんさつ 6 観察適地

今年度の特集では、市内の水系を地形との関係から大きく3つに区分し、それぞれの区分について特徴などを紹介してきました。今回は、3つの区分──上流部・中流部・下流部──のそれぞれについて、観察に適した場所をご紹介します。といっても、都市化が進んだ市川では、いい場所がなかなか見つからないのが現実です。

上流部の観察適地

自然観察園

  動植物園があることで知られる大町公園の中にあります。駐車場や各種施設が整備されていて、訪れやすい立地です。
 
  長さ1kmにおよぶ自然観察園は、その全域が観察に適していますが、途中にある観賞植物園の2階からは、やや高い目線で斜面林と湿地の関係を眺めることができます。

唱行寺付近

  JR武蔵野線の船橋法典駅から、1km半ほど歩いた場所にあります(柏井町1丁目)。付近では宅地開発が進んでいますが、唱行寺から奥にかけてはまだ見通しがききます。細い谷の地形である点が見どころです。また、付近の姥山貝塚公園は台地上にあり、その一角からも谷の様子を見ることができます。

道免き谷津入口

  北総線の北国分駅から1kmほど歩いた場所で、堀之内1丁目と2丁目の境にある道路からは谷の様子がよくわかります。特に、堀之内貝塚公園と小塚山公園が、道免き谷津の左右両岸の斜面林をなしている点が見どころです。また、堀之内貝塚公園は台地上にあり、一角から国分谷との合流部が見下ろせます。

 

流部の観察適地

東部公民館付近

  本北方3丁目にある東部公民館のすぐ北側、北方町4丁目の一帯は、建造物が少なく、大柏谷の谷底の空間的な広がりが、よくわかります。左の写真では不鮮明ですが、現場に立つと、谷をはさんだ反対側の斜面にあ たる宮久保〜下貝塚の斜面林がよく見えます。谷の幅の広さに驚かされます。

東国分中学校付近

  東国分3丁目にある東国分中学校付近では、すぐそばを流れる国分川の橋の上などから、国分谷のようすが見られます。この一帯も建造物が少ないため見通しがきき、国分谷の左右岸が斜面林で縁取られていることがわかります。谷の幅が広いことも、よくわかります。

真間山付近

  京成線の国府台駅から1kmほど歩いた場所にある真間山一帯(真間4丁目)には、台地上から低地を見下ろせる場所が何箇所かあります。国府台の台地と市川砂洲にはさまれるように低地がある点が見どころです。かつて「真間の入江」があったとされる一帯で、市内の水系と市川砂洲との関係がわかります。

 

下流部の観察適地

新行徳橋上

  平坦な地形である下流部は、その様子を観察できる場所が限られてしまいます。誰もが自由に行かれる場所となると、橋の上くらいです。江戸川放水路の北側にかかる新行徳橋からは、ほとんど高低差のない低地の様子が、びっしりと立ち並んだ住宅の屋根を通して知ることができます。

市川大橋上

  江戸川放水路の南側にかかる湾岸道路・市川大橋の上から北を眺めると、市川全体を南端から見ていることになります。背後には東京湾、眼下には江戸川放水路の水面が広がり、その先には高谷、田尻から北へと低地がのびています。双眼鏡を使えば、一部に斜面林も見え、広い視点での理解に向いています。

 

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街かど自然探訪


カット(sz669.gif)本行徳(ほんぎょうとく)・豊受(神明)神社の大樹

  本行徳郵便局に隣接する豊受神社には、イチョウ、クロマツ、ケヤキの大樹があります。なかでもケヤキは、根本で二つに別れたそれぞれの幹回りが約3m、高さは10mを越えます。枝が切られた跡にできた洞やいくつもの瘤がさらに堂々たる風格を与えます。大きな洞を、かつてはフクロウなどが巣に利用したかも知れません。現在は洞がハンギングポットのようになってネズミモチの若木を乗せ、青々とした葉が冬のケヤキで目立ちます。

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レッドデータブック掲載種紹介


カット(sz66a.gif)

オオアカウキクサ  分類:シダ植物 アカウキクサ科
ランク:絶滅危惧 II類

  田んぼや休耕田などの浅い水辺の水面に生えるシダ植物です。名前に「浮草」とあるように、水底には根を張らず水面にプカプカと浮かびます。特に春先に目につくことが多く、それまで何もなかった水面が次第に本種に覆われて赤紫色に染まっていく様子は、見事です。
 
  市内では、自然観察園のほか何箇所かで自生しています。田んぼのような場所であれば普通に見られますが、そういう場所自体は激減しています。

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くすのきあるバス通りから



No.11今回の観察は…

カット(sz66b.gif)『真間川の鵜』

「八方橋から浅間橋にかけて、ウが2羽いて潜っていました。この付近は水質が一番悪いところで、魚がいるとも思えません。三中の通学路の三角橋付近でも、ウは目撃されています……」
 
  ──行徳鳥獣保護区にコロニーを構えたせいか、カワウが上空を頻繁に通過したり、川や池に飛来するようになりました。江戸川や東京湾なら餌の魚も豊富ですが、真間川で腹を満たすのはむずかしそうです。

(情報提供:M .M .さん) 

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むかしの市川

カットsz619.gif (5653 バイト)


 

  このコーナーでは、博物館が1986年に行ったアンケート調査の結果から、むかしの市内の様子を紹介しています(原則として回答の原文のまま掲載)。

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わたしの観察ノート No.48



◆大町公園より

小川 晃(自然博物館)   

清野元之(自然博物館)   

金子謙一(自然博物館)   

阿部則雄さん(船橋市在住)   

◆市川北高校付近より

金子謙一   

◆大柏川付近より

石井信義さん(菅野在住)   

◆柏井雑木林より

金子謙一   

◆堀之内貝塚公園周辺より

根本貴久さん(菅野在住)   

◆江戸川より

     根本貴久さん   

◎暖かい秋から、そのまま暖かい年越し になりました。やや暖冬気味でした。

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