◆  市川自然博物館だより  ◆

第67号 (2000年4・5月号)

花の特集 1

身近な花

市立市川自然博物館 2000年4月30日発行

 特集記事  街かど自然探訪  レッドデータブック掲載種紹介
 くすのきのあるバス通りから  むかしの市川  観察ノート





花の特集



花の特集 1 身近な花

  今年度は、市内の野生植物について特集します。市川市は、その大半が住宅地などの都市環境で占められていますが、林や湿地、海辺などの環境も一部に残されています。この特集では、そういった異なる場所ごとに、代表的な種類について花の写真を用いてご紹介します。第1回は、身近な場所で見られる植物です。
 

オオイヌノフグリ

  春、市内のいたるところで青い花の群落を形成します。帰化植物ですが、日本の春を代表する花としてすっかり定着しています。花は、形が異なる4枚の花びらでできていて根元の所でくっついています。花に触れると、全体がポトリと落ちます。

(花:3〜4月 ゴマノハグサ科)
 

ホトケノザ

  オオイヌノフグリと同じく、春の道端を彩ります。花はピンク色で筒の形をしていて、その先端がひらいています。上下に分かれた花の形はシソ科に共通の特徴で、虫たちは下側の広い花びらに着地してから筒にもぐり込み、奥の蜜にありつきます。

(花:3〜4月 シソ科)
 

シロツメクサ

  いわゆるクローバーで本来は牧草として栽培される植物ですが、市内では公園や堤防などの緑化によく用いられます。白い丸い花は、よく見ると小さな花が集まってできていて、ひとつひとつの花は俗に言う「まめの花」の形をしています。この形の花を「蝶形花(ちょうけいか)」と呼び、マメ科の植物に広く共通しています。

(花:春〜秋 マメ科)
 

ツユクサ

  鮮やかな青色をした2枚の大きな花びらが見る人に強烈な印象を与えますが、正確には花びらは3枚あります。残りの1枚は雄しべを受けるように下側にあり、白くて小さく目立ちません。花は早朝に開き、午後にはしぼんでしまいます。

(花:7〜9月 ツユクサ科)
 

ネジバナ

  初夏の芝生に現れて、ピンク色の花をねじれた並びで咲かせます。この花の並びが名前の由来で、右巻きも左巻きもあることが知られています。ラン科としては珍しく町なかにも自生し、ひとつひとつの花をよく見ると小さいなりに目立つ唇弁(しんべん:下側の大きな花びら)がラン科であることを納得させてくれます。

(花:5〜7月 ラン科)
 

イヌキクイモ

  夏の終わり頃、高さ2メートル近くにもなって黄色い花をいくつも咲かせます。ヒマワリに近縁の植物で、花の大きさこそ小型でコスモスくらいですが、黄色の鮮やかさはヒマワリに劣らず見事です。帰化植物ですが市内では幅広く見られ、11月ごろには、よく似たキクイモも見ることができます。

(花:8〜9月 キク科)
 

チカラシバ

  ねこじゃらし(エノコログサ)を巨大にした、ブラシのような花を咲かせます。イネ科の花は構造が複雑なのですが、粒粒がひとつひとつの花の単位で、それが集まって全体の形を構成しています。市内でも秋の空き地などでよく見られます。

(花:8〜10月 イネ科)
 

セイタカアワダチソウ

  一時、花粉症の原因との濡れ衣を着せられましたが、観賞用に栽培された帰化植物で、近年は花の美しさが再評価されて、近縁の種類(と思われる)がソリダゴ(学名の英語読み)の名で流通しています。花は、小さな花が枝に列に並んでできていますが、その小さな花もさらに小さな花が集合してできています。

(花:9月〜11月 キク科)

 最初へ戻る

 


 

街かど自然探訪


カット(sz669.gif)本塩(ほんしお)・桜とミツバチ

  本塩で桜の花を見られる場所は、法善寺と豊受神社の周辺で、今年は4月7日には満開でした。桜の花をよく見ると、ニホンミツバチが蜜や花粉を集めにたくさん来ていました。ニホンミツバチは日本特有のミツバチで、セイヨウミツバチに比べて全体的に黒い身体をしています。一時は少なくなっていたニホンミツバチも、最近は町中に花が多くなってきたことや天敵との関係などの理由で増えているようです。

 最初へ戻る

 


 

レッドデータブック掲載種紹介


カット(sz66a.gif)

エビネ  分類:種子植物 ラン科
ランク:絶滅危惧 II類

  絶滅に瀕した野生植物をリストアップすると、ラン科植物の名前がずらりと並びます。環境の破壊と人間による掘り取りのダブルパンチを受けているからです。
 
  エビネも、本来は雑木林で普通に見られるはずの植物です。ところが市内では生育に適した林が激減したうえに、林が残っていてもエビネだけが姿を消しているのです。おそらく野生の株は、市内全域でも数十程度しかないでしょう。掘り取られたら、ひとたまりもありません。



 最初へ戻る

 



くすのきあるバス通りから



No.12今回の観察は…

カット(sz66b.gif)アカガエルの交通事故

「3月5日。朝5時頃の犬の散歩で、アカガエルが車にひかれているのを見つけました。冬眠からさめ雨に誘われ、うろついていたところは自動車の通る道で、運悪く避けられなかったのでしょう。平たくつぶれていました」
 
――2月に雨がなかったせいで、場所によってはアカガエルの産卵が3月にずれ込みました。待望の雨で「さあ、ひと仕事!……」という時の事故だったのでしょう。

(情報提供:M .M .さん) 

 最初へ戻る

 


むかしの市川

カットsz619.gif (5653 バイト)


 

  このコーナーでは、博物館が1986年に行ったアンケート調査の結果から、むかしの市内の様子を紹介しています(原則として回答の原文のまま掲載)。

 最初へ戻る

 



わたしの観察ノート No.49



◆大町公園より

小川 晃(自然博物館)   

金子謙一(自然博物館)   

清野元之(自然博物館)   

◆大野町付近より

横山永喜さん(松戸市在住)   

◆大柏川付近より

横山永喜さん   

宮橋美弥子(自然博物館)   

石井信義さん(菅野在住)   

◆柏井雑木林より

金子謙一   

◆堀之内貝塚公園周辺より

金子謙一   

◆江戸川より

根本貴久さん(菅野在住)   

◆江戸川より

金子謙一   

◎2月は例年より寒く、雨が少なかったです。3月に入り、例年並の春らしい気候になりました。

 最初へ戻る

 

博物館たよりIndexへ戻る