◆  市川自然博物館だより  ◆

 2000年6・7月号(第68号)

花の特集 2

林の花

市立市川自然博物館 2000年6月1日発行

 特集記事  街かど自然探訪  レッドデータブック掲載種紹介
 くすのきのあるバス通りから  むかしの市川  観察ノート





特 集  林の花
イチヤクソウの花

市内の限られた場所で、限られた時期にしか見られません。長い雌しべと、ねじ曲がった多数の雄しべをもつ、独特の形です。

 



花の特集・『林の花』

  今回は、市内の林で見られる植物を紹介します。いわゆる「山野草」と呼ばれる植物で、その多くは、林の減少、林内環境の変化、そして度重なる掘り取りの影響などで、生育場所がきわめて限定されています。また、町なかの植物とちがって花期も短めです。そのため、咲いている株に出会える機会は多くはありません。

 

 

ヒトリシズカ 

 名前は「一人静」で、4枚の葉に抱かれてひっそり咲く花の様子から、つけられました。花は正確には小さな花の集まりで、ひとつひとつの花には花びらがなく、そのかわり3本の雄しべが白く伸びて目立っています。根茎から多数の茎を伸ばすため、群生して花を咲かせていることが多くあります。

(花:4月 センリョウ科)

タチツボスミレ

 市内でもっとも普通に見られる野生スミレです。スミレの花びらは5枚あって、上から順に1対の上弁、1対の側弁、1枚の唇弁となっています。昆虫は唇弁に着地してから奥にある蜜を求めて花にもぐり込み、この時に花粉の受渡しに、ひと役買います。

(花:4月 スミレ科)

ウラシマソウ 

 中国名「天南星」にちなんでテンナンショウと総称される植物の一種です。花のつくりは変わっていて、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれるカバーに囲まれた中に、粒状の小さな花が集まってできた大きな花が隠れています。ミズバショウや園芸植物のアンスリウムと同じグループで、花のつくりも共通しています。

(花:5月 サトイモ科)

 

ホタルブクロ 

 ラン科以外の山野草では、もっとも掘り取りの影響を強く受けた植物のひとつです。花は5枚の花びらがくっついてできた釣鐘形で、草丈にくらべて大柄です。市内では、野生株を見ることがほとんどできなくなりました。

(花:6月 キキョウ科)

オオバノトンボソウ

 ラン科植物の花には変わった形のものが多くありますが、本種も見ようによってはトンボの姿に見える、そんな変わった形をしています。ひとつの花は、長さ1cm前後と小さく、色も緑色なので林の中ではあまり目立ちません。梅雨どきのジメジメした林の中で、ひっそりと花を咲かせています。

(花:7月 ラン科)

 

 

キツネノカミソリ

 ヒガンバナ科の植物で、秋に真っ赤な花を咲かせるヒガンバナ同様、花と葉に季節のずれがあります。つまり、春先に葉だけを茂らせたあと、いったん地上部は枯れてしまい、その後、真夏に茎だけを伸ばしてオレンジ色の花を咲かせます。
 ヒガンバナとは、花と葉の順序がちょうど反対になっています。

(花:8月 ヒガンバナ科)

ツリガネニンジン

 秋の山に登ると、「○○シャジン」と名がつく青いキキョウ科の植物がよく見られます。ですが市川のような平地で咲く青いキキョウ科は稀で、市内では本種と、帰化植物のキキョウソウくらいしかありません。

(花:8月 キキョウ科)

ノハラアザミ 

 市内でよく見られるアザミは、本種とタイアザミの2種類です。比較的多く見られるのはタイアザミの方で、花の「がく」に見える部分の刺が外に開いているのが特徴です。林の縁などで、よく咲いています。本種は、市北部の林で時々見られ、タイアザミと違って刺の部分は、あまり外に開いていません。

(花:10月 キク科)

 

 

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街かど自然探訪


 

真間・手児名の池

  むかし真間のあたりは、大小の池や沼が点在する湿地でした。大正時代は水路の整備と耕地化が進められ、その後宅地化が進みました。 手児名霊堂の池は、湿地だった頃の真間の姿を想像させるには小さい池ですが、いろいろな生き物が生活しています。
 
  5月中頃にはハスの花が咲き、アカミミガメが葉の上で甲羅干しをしていたりします。時にはカワセミが近くの木にとまって池の小魚をねらっています。

図は『市川まちかど博物館p.88「真間の手古奈」』/いちかわ・まち研究会編より引用

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レッドデータブック掲載種介

 


ホウロクシギ分類:鳥類シギ科
ランク:絶滅危惧 ・類

 

  繁殖地と越冬地を往復する途中に日本に立ち寄る渡り鳥です。「旅鳥」と呼ばれ、その仲間としては市内に飛来する最大級の大きさですが、近年では飛来することもほとんどなくなってしまいました。博物館の鳥類目録(1986年〜1991年)では「江戸川放水路と行徳鳥獣保護区で稀に見られる」との表示になっていますが、現在はむずかしいでしょう。規模の大きな干潟が必要と言われ、全国的な飛来数も減少しています。

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くすのきのあるバス通りから



No.13今回の観察は…

昆虫たちが活動をはじめました

  13日、子の神中央公園付近で、クビキリギスが『ジー』と大きな音を出していました。その日はかなり暖かく、モンシロチョウ(スジグロシロチョウかも)やヤマトシジミらしき(とてもキレイでした)チョウが飛んでいました」クビキリギスの声は、時々、博物館にも問い合わせの電話がかかってきます。秋ならあたりまえの鳴く虫も、春先だと驚かれる方が多いようです。


    (情報提供:M .M .さん)

 

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むかしの市川


 

  このコーナーでは、博物館が1986年に行ったアンケート調査の結果から、むかしの市内の様子を紹介しています。(原則として回答の原文のまま)

 

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わたしの観察ノート No.50



◆大町公園より

清野元之(自然博物館)   

金子謙一(自然博物館)   

◆柏井雑木林より

                     小川 晃(自然博物館)   

◆市川北高校付近より

石井信義さん(菅野在住)   

 ◆坂川旧河口より

宮橋美弥子(自然博物館)   

◆里見公園より

根本貴久さん(菅野在住)   

◆堀之内貝塚公園より

根本貴久さん   

◆小塚山市民の森より

根本貴久さん   

◆手児奈霊堂より

羽賀由喜江さん(市川在住)   

◆江戸川放水路より

金子謙一   

◎2月の低温で遅れ気味だった春の進みは、5月には例年並みになりました。

 

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