◆  市川自然博物館だより  ◆

 2001年4・5月号(第73号)
の特集 1

身近な鳥

市立市川自然博物館 2001年4月1日発行

 特集記事  街かど自然探訪  レッドデータブック掲載種紹介
 くすのきのあるバス通りから  むかしの市川  わたしの観察ノート





特 集  身近な鳥

今回ご紹介する種類です。大きさを比べてください。
上段左から:ハクセキレイ、スズメ、カワラヒワ
下段左から:ハシブトガラス、ドバト、キジバト、ハシボソガラス 

 



鳥の特集・『身近な鳥』

  平成13年度の特集は『鳥』です。鳥類は、動物の中では哺乳類についで身体が大きく、目につく存在です。しかしそのわりには、日常生活の中で、種類がきちんと区別されているとはいえません。
 このシリーズでは、野外では観察しづらいポイントを、標本を用いて紹介してゆきます。


                    ハシブトガラスとハシボソガラス(カラス科)

  ふだん「からす」と呼んでいる鳥には、実はこの2種類がいます。外見上の一番の違いはその名の通り、嘴(クチバシ:ハシ)が太い(ブト)か細い(ボソ)かです。  また、ハシブトガラスの方はカァーと澄んだ声で鳴くので、鳴き声でも区別できると言われていますが、どちらもガァーと濁った声で鳴くこともあります。
  この2種類は、外見だけでなく、暮らしぶりも多少違います。町中でゴミ袋を散らかすのは、ほとんどハシブトガラスです。もともとは森林のような場所に生息していましたが、住宅が密集した都会にも上手に適応して暮らしています。その点ハシボソガラスは、河原のような開けた場所を好み、町中は少々住みづらそうです。郊外の畑が点在するような地域では、2種類が混じって行動しているのを見ることがあります。
  (見られる季節:一年中)

△全体の姿はよく似ているが、頭や嘴(クチバシ)の形に注目すると区別しやすい。
・ハシボソガラス(右)…頭も嘴もほっそりとしている。嘴は細い
・ハシブトガラス(左)…頭が丸くおでこが少し出っぱって見える。嘴は太い。

 


                        スズメ(ハタオリドリ科)

 しばしば鳥の図鑑の説明で、大きさや姿の物差し代わりに使われるのですが、あまりに身近すぎて、観察されていない種類です。
 市川周辺では春から夏かけて繁殖し、若鳥は巣立ってからもしばらくは親と一緒に行動します。群れの中から成鳥と若鳥を区別して見るだけでも、若鳥が羽を震わせて親鳥に餌をねだる姿など、いろいろな行動や、群れの構成や数が季節や場所によって違うことなどに気付けます。      (見られる季節:一年中)

スズメ若鳥
全体の色が淡く黒い斑紋がハッキリしない。嘴の根元は黄色。
スズメ成鳥
全体は茶色、腹は白。白い頬や喉の下に黒い斑紋。嘴は黒い。

   

                 カワラヒワ(アトリ科)

 大きさがスズメと同じぐらいなので、目についてもスズメと認識されてしまうようです。行徳の街路樹などでも、巣をつくり、人知れず子育てをしています。 全体は黒ずんだ緑色をしていますが、パッと羽ばたいた時に、羽根の黄色い帯が良く目立ちます。冬は郊外に移動して、集団で行動します。時折、立ち枯れたヒマワリの実を食べに庭先を訪れます。       (見られる季節:一年中)

カワラヒワ
嘴は太くて短く、固い種子でも割ることができる。
尾の形(左:スズメ 右:カワラヒワ)
カワラヒワの仲間は、尾羽の先端がV字型に切れ込んでいるのが特徴。



              ハクセキレイ(セキレイ科)
 長い尾を上下に振りながら歩く、白黒のスマートな姿をした種類です。人が近づくと、チチッチチッと鳴きながら、波状の軌跡を描いて飛びます。
 以前は冬にしか見られない種類でした。十数年ぐらい前から、しだいに町中に進出してきて、今では普通に見られる種類になりました。もともとは水辺の鳥なので、真間川や大柏川などの近くでよく見られます。 (見られる季節:一年中)

ハクセキレイ
長い尾、横に長い姿勢、
目を通る黒い線(過眼線)が特徴
成鳥(左)・若鳥(右)
若鳥は全体が灰色がかっており、過眼線など模様がはっきりしない



                        キジバトとドバト(ハト科)

普通に「はと」と呼んでいる鳥にも、実は「からす」同様、2種類います。
 公園や神社で見られる「はと」のほとんどはドバトです。日本には生息していない、カワラバトという種類からつくられた家禽で、飼われていたものが野生化しました。一方キジバトは林のほか公園などにもいて数羽ずつで行動し、ドバトのように群れることはあまりありません。 暮らしぶりも異なり、マンションのベランダに巣をつくり、しばしば問題となるのはドバトです。キジバトは街路樹や庭木など、木の上に巣をつくります。枝を粗雑に敷いただけの簡単なつくりで、しばしば卵ごと放棄してしまいます。
(見られる季節:一年中)

キジバト(右)
首には黒と青灰色のうろこ状の模様、背中は赤茶色。

ドバト(左)
首に青緑色の光沢があることが多い。写真のものは黒っぽい体色だが、
色は真白から黒やぶちなど様々。

 

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街かど自然探訪


 

南八幡・高架下のツバメの巣

JR本八幡駅南口から下総中山に向かって高架下を歩くと、すぐ上にツバメの巣がいくつかあるのを、見つけることができます。ツバメは、3月下旬頃から市内に姿を見せはじめ、町中を飛びまわり巣作りを始めます。4月の中旬頃には、大きく口を開けたヒナに、盛んに餌を運んでいる親鳥の姿が観察できるかも知れません。ちょっとした合間にでも、高架下のツバメの巣の様子をのぞいて見てはいかがでしょうか?

 

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レッドデータブック掲載種紹介

 


クマガイソウ  分類:種子植物  ラン科
                         ランク:絶滅危惧 U類
 
 
変わった形の大きな花が山野草としての人気に結びついたため、大量に掘り取られ、絶滅が心配されるまでになりました。本来は決して珍しい種類ではないのですが、誰も彼もと掘ってしまえばひとたまりもありません。市川のような都市部では、そもそも掘る人は多く、掘られる植物は少ないという逆転状態にあります。何らかのきっかけで特定の種類に対して強い採集圧がかかれば、たちまち姿を消してしまうのです。

 

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くすのきのあるバス通りから



No.18今回の観察は…

『暗がりで見た大物ウンチの正体は?

「3月4日、暗くなってからイヌの散歩に出ました。糞の始末をしようとかがむと、近くには「大物ウンチ!」……よくよく見ると、カエルでした。車に轢かれないようにと、そばの家のお庭に入れてしまいましたが、まさか、その庭から出てきたところじゃあ、かわいそうだったかな」
ヒキガエルが、ご近所の庭の池に産卵に行く途中だったのでしょう。
    (情報提供:M .M .さん)

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むかしの市川


   このコーナーでは、博物館が1986年に行ったアンケート調査の結果から、むかしの市内の様子を紹介しています。(原則として回答の原文のまま)

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わたしの観察ノート No.51



◆大町公園より 

◆国府台江戸川周辺より

◆里見公園より

◆堀之内周辺より

◆じゅん菜池公園より

◆小塚山市民の森より

◆柏井雑木林より

◆南八幡周辺より

◆江戸川放水路より

◎1月は週末毎に雪が降りました。2月に入ると、寒暖を繰り返しながら、しだいに春めいてきました。

 

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