◆  市川自然博物館だより  ◆

 2001年8・9月号(第75号)
の特集 3

真間川の鳥

市立市川自然博物館 2001年8月1日発行

 特集記事  街かど自然探訪  レッドデータブック掲載種紹介
 くすのきのあるバス通りから  むかしの市川  わたしの観察ノート



特 集  真間川の鳥

△今回ご紹介する種類です。スズメを目安に大きさを比べてください。奥左:コサギ  奥右:カワウ、
手前左から:ユリカモメ、ツバメ、イワツバメ、スズメ 
中央最前列:キセキレイ

 


 

鳥の特集・『真間川の鳥』

   真間川に代表される、国分川や大柏川などの市内を流れる川は、江戸川のような大きな川とは違い、内陸部の貴重な水辺としての役割を持ちます。
 そこには市街地の中にあっても、住宅地とは異なる、水を中心とした環境があります。
 今回はこれらの川の周辺で見られる種類を紹介します。

    

ユリカモメ(カモメ科)

 別名「都鳥」の名前で知られています。気が付くとにぎやかな大集団でいて、いつの間にかいなくなるのは、冬鳥だからです。
 夏は中国北部やシベリアなどで過ごし、秋になると日本のおもに海沿いの地域に渡ってきます。以前は市内でも北部ではあまり見られませんでしたが、しだいに北方町の遊水池に集まるようになりました。
 ここ数年は大柏川に沿って、南大野あたりまで、上って来るようになり、時折大町の自然観察園にも現われます。 中国分のじゅん菜池公園にも数年前からたくさん集まるようになりました。 
 おもに魚を食べますが、死んだ魚やあらはもちろん、水に浮かんだ生ごみなどなんでも食べるようです。カラスのようにビニールの袋をつついて、ごみを漁っることもあります。
 また、簡単に餌付けもできるようです。餌をやる人を覚えたり、パンなどを放ってやると空中で上手にキャッチする姿が面白いのか、餌をやる人が絶えません。
        (見られる季節:冬)


               ユリカモメ(左)                ウミネコ(右)
 ユリカモメは、他のカモメの仲間に比べるとかなり小さい。
 嘴も細くて華奢。嘴と足がピンク色をしているのがポイント。
 ウミネコは東京湾岸で夏〜冬に見られる。川沿いで見られることは極めて稀。


                                                         

   ツバメとイワツバメ (ツバメ科)

 市内で見られるツバメの仲間には、軒先に巣を架けるお馴染みのツバメのほかに、イワツバメという種類がいます。
 ツバメよりも集団で行動することが多く、川の水面や田んぼの上を、数十羽で飛んでいたりします。本来は、山や海の崖、山奥のダムの壁面などに巣を架けますが、十数年前からは市内でも見られるようになりました。工場などの広い壁面は崖に似ているのか、隣の巣とくっつき合うようにして集団で巣をつくります。
 ツバメもイワツバメも、泥と草を唾液で混ぜ合わせて巣をつくります。田んぼの土や中洲などに堆積した細かい泥は、質の良い漆喰(シックイ)の代わりで、 丈夫な巣をつくることができます。しかし水深が深く、河岸もコンクリート壁では材料集めも大変なようです。雛の重みで巣が壊れてしまったという話をしばしば聞きます。
 暑くなると、水面をかすめて水を飲むアクロバット飛行を見せてくれます。
     (見られる季節:どちらも春から秋)

イワツバメ
  尾は三角形に切れ込み、短い。腰の背側が白く飛行時も目立つ。

イワツバメの足
  白い羽毛に覆われている。足だけだとフクロウやワシのように見える。
  

  ツバメと巣
  巣は浅い皿型。尾の形は、いわゆる燕尾型で縁の羽が長い。
 イワツバメの巣
  幾つもの巣が隣と接している。入口は天井近くにあり、穴のようになる。

 

キセキレイ(セキレイ科)




 のどから腹、腰にかけて、きれいな黄色をしているのが区別のポイント。

 長い尾を上下に振りながら歩く、細長いスタイルはセキレイの仲間に共通です。 一年中町中でも見られるハクセキレイやセグロセキレイと比べると、見られる機会は稀で、ほとんど川沿いにいます。
 川の中洲などをすばやく歩きながら、小さな昆虫などを捕まえて食べています。
 チチチッと鳴きながら飛び立った時に、身体の黄色い色が見えて初めて気が付くこともあります。(見られる季節:冬)

 

コサギ(サギ科)




 嘴は細長く、先端は尖る。長い首は飛行時は折り曲げる。

  いわゆる白鷺と呼ばれる仲間で、そのなかでは市内で最も良く見られる種類です。
 大きさは一番小さいのですが、それでも60pを越えるので、市街地で見られる野鳥の中では大きい部類に入ります。
  川の中を、一見すると優雅な仕種で歩きます。でも実際は、水の中で忙しく足を動かして土の中を探り、出てきた小さな昆虫や小魚などを捕まえて食べているのです。  
 (見られる季節:一年中)

 

                     

 

カワウ(ウ科)

    


 上嘴の先は曲がり、上下の長さが異なる。ウミウは嘴の根元部分の模様が違う。

 数年前から行徳野鳥観察舎前の保護区で、樹の上に集団営巣していて、市内でもよく見られるようになりました。
 コサギよりもさらに大きな黒い身体は、1羽でいてもよく目立ちます。水中で巧みに魚を捕まえますが、小さな川ではその光景はあまり見られません。羽をM字型に広げる独特の姿勢で休息します。
 ちなみに、長良川の鵜飼で使われるのは、よく似たウミウという種類です。
      (見られる季節:一年中)

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街かど自然探訪


 

妙典・江戸川放水路で遊ぼう

    東西線妙典駅から妙典小学校に向かって歩いて行くと、江戸川放水路の土手に出ます。
  9月頃には、トノサマバッタやショウリョウバッタなどがたくさん大きくなっていて、バッタ捕りの絶好のポイントになっています。
 また新行徳橋の下には、干潮になると干潟が広がります。春から秋にかけてそこでは、たくさんのチゴガニが一斉にハサミを上げ下げして、胸のミドリ色がチラチラ見え隠れする、きれいな光景が見られるポイントです。

 

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レッドデータブック掲載種紹介

 



マ ヤ ラ ン  分 類: 種子植物 ラン科
  ランク: 絶滅危惧TB類

  梅雨の後半、じめじめとした林の中で花を咲かせる植物です。腐生植物で、落ち葉などを分解する菌類から栄養を得て暮らしています。葉緑素を持たないので全体に白っぽく、葉も退化しています。そのため、花が咲くまではキノコの一種のような外観ですが、花は比較的大きく洋ランのシンビジウムと同じ仲間なのでそれなりに見応えがあります。
 発見地の兵庫県の摩耶山にちなんで、名前がつけられました。

 

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くすのきのあるバス通りから



No.20今回の観察は…

カエルの水浴び

 「毎日暑い日が続き、地面が乾いているせいでしょうか、朝の4時ごろ庭の池をみるとヒキガエルがカナダモのうえにいてまるで湯船に浸かっている風です。
 7時ごろ洗濯物を干しに出た時はどこかに行って姿が見えません。
 毎日、朝風呂のカエル君です。犬の散歩に出ると、コフキコガネがひっくりかえっていたり空にコウモリがとびかっていたり……。最近目立つのはミミズで、なぜかアスファルトの上でのたうちまわっています。」
         (M .M .さん)

 

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むかしの市川


  このコーナーでは、博物館が1986年に行ったアンケート調査の結果から、むかしの市内の様子を紹介しています。(原則として回答の原文のまま)

  • 水で、泳いだりも出来た。北側は台地が畑になって居り、田に、どじょ、たにし、目だか、自然園風景がひろがり、夏はホタル、小川には目だか、ふな、からす貝、しじみ、どじょう。きれいなが満喫出来ました。(北国分町)

  • 江戸川堤防の工事に人夫として働きました。江戸川でおよいだり、あそんだりしました。稲荷木、大和田地区は人家は少なく、一面に田んぼでした。田と田の間に川があり、稲など舟ではこんだりしました。今みたいな自動車がないのでみんな、舟を利用しました。小川がたくさんあったのでドシウ、タニシ、シジミ、ヒル等いた。(大和田)

  • 家の東側は全部田圃で海の堤防が見え広々とした、静かな農村地帯だった。又、農業用水路はきれいで泳いだり魚を取ったりした。(本塩)

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わたしの観察ノート No.57


 

◆大町公園より

  •  キンランが林内でチラホラ見られるようになりました(5/5)。 今年はあえて名札をつけてみましたが、 翌日には名札だけになっていました。

  • ホトケドジョウが今年も無事に繁殖しました(5/22)。

  • 夏を思わせる暑さの日に、 ホトトギスの特徴ある大きな声が斜面林奥から聞こえてきました(6/4)。

      金子謙一(自然博物館)

◆柏井雑木林より

  • ゴマダラチョウをみました(6/9)。コナラで、オオスズメバチやサトキマダラヒカゲといっしょに樹液を吸っていました。

     清野元之(自然博物館)

  • オオバノトンボソウがいまにも咲きそうなつぼみをつけていました(6/16)。花の形がトンボの姿を連想させる植物です。

     宮橋美弥子(自然博物館)

◆大野調整池より
  • フェンスで囲まれた、調整池の中のアシ原は、オオヨシキリの絶好の繁殖場所です。あちらこちらでギョギョシ、ギョギョシと鳴いていました(6/7)。

       小川 晃(自然博物館)
◆里見公園より
  • センダイムシクイ、エゾムシクイ(5/6)、サンコウチョウ(5/27)のさえずりを聞きました。

  • アオバズクを見ました(6/10)。15年連続で観察できました。
◆堀之内貝塚公園より
  • ホトトギスがたいへんよくさえずっていました(5/19)。 

  • いつものように、 シラカシの枝にフクロウが2羽、 並んでとまっていました  (5/19)。

      以上 根本貴久さん(菅野在住)
◆江戸川周辺より
  • トウキョウダルマガエルが元気に鳴いていました(5/17)。市内で激減している種類ですが、新しく造成した湿地に冬眠していたカエルを土ごと運んできたのでしょうか?
         金子謙一
◆江戸川放水路より
  • 春の渡りのシギやチドリの仲間が干潟に来ていました。オオソリハシシギ、キアシシギ、メダイチドリなどを確認しました。越冬したユリカモメも残っていて、賑やかな干潟でした(5/15)。
         宮橋美弥子


   ◎6月、平年通り順調に梅雨入りしました


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