◆  市川自然博物館だより  ◆

 2001年12・1月号(第77号)
の特集 5

林のまわりの鳥

市立市川自然博物館 2001年12月1日発行

 特集記事  街かど自然探訪  レッドデータブック掲載種紹介
 くすのきのあるバス通りから  むかしの市川  わたしの観察ノート



特 集  林のまわりの鳥

△今回ご紹介する種類です。スズメを目安に大きさを比べてください。
        後列左から:ツグミ、フクロウ、ツミ、モズ
        前列左から:シメ、エナガ、トラツグミ、コジュケイ、スズメ

 



鳥の特集X『林のまわりの鳥』

   林での鳥の観察は冬が最適です。
   葉の落ちた林では、梢にいる鳥の姿を見つけやすくなります。
   また、渡ってきたり平地におりてきた種類も多いので、たくさんの鳥を観察することができます。
   バードウォッチングを始めるにはいい季節です。
  今回は林とその周辺で見られる種類を紹介します。

    

フクロウ(フクロウ科)

  二頭身に、太い脚と翼が付く特徴的なシルエット。

  『ごろすけほーほー』『ぼろ着て奉公』などと聞きなしされる声は、かつては市内のどこでも聞かれたそうです。
  今でも市北部では、春先 の夕方に鳴き声を聞いたり、ペアでいるのを見 ることができます。
  でも、子育てのための巣は 大木のほらにつくるので、適した場所はほとんどありません。
  巣箱を利用した大町公園の例な ど、市内での繁殖事例はごくわずかにとどまるものと思われます。
  (見られる季節:一年中)  

 

ツミ(ワシタカ科)


 フクロウ類とともに猛禽類と呼ばれる。
 短くて曲がった嘴、鋭い鉤爪を持つ太い脚が特徴。
 ツミはハトよりも小さいですが、小鳥などを捕らえて餌にする猛禽類です。
 ピョーピョピョピョと可愛く、また鋭く鳴き、市内の林でも、繁殖行動が見られることもあります。
  しかし、カラスに邪魔されたりと、なかなか雛が巣立つところまではいかないようです。
  (見られる季節:一年中)

 

モズ (モズ科)

 
 丸い頭に大きな目。
 止まっている時には、長めの尾を回すようによく動かす。
 大きさはスズメと同じくらいですが、バッタなどの昆虫や小さなカエル、トカゲも捕まえるハンターです。
 いわゆる「もずのはやにえ」にして、獲物を鉄条網のフェンスなどに突き刺さしているのも見かけます。
 秋から冬にかけては、高い枝先で縄張り宣言をし、キーィキーィという鳴き声がとくによく聞かれます。
  (見られる季節:一年中)

 

シメ (アトリ科)


太くて短い嘴に大きめの頭全体の姿はずんぐりしている。
 体が太っていて尾が短いので、全体がずんぐりとした印象を受ける種類です。太くて短く頑丈な嘴は、木の実や草の実を割って食べるのに適しています。
 市川周辺では、秋に渡ってくる冬鳥です。地上近くよりは、木の高い所にいることが多く、落葉前は見つけづらい鳥です。
 キチッキチッと金属的な声で、鳴きながら飛ぶこともあります。
  (見られる季節:冬)

 

エナガ (エナガ科)


 体と同じくらい長さのある尾と小さな嘴。
 シルエットが特徴的。
 秋から冬にかけてはシジュウカラ、メジロ、コゲラなどと混群をつくって、よく行動しています。
 チーチーと小さめの鳴き声で、どちらかというと群れの後を追いかけていることが多いようです。
 体はメジロよりも小さいくらいですが、細くて長い尾を動かしながら、枝の間を活発に飛び移ります。
 体の色は白と黒に分かれていて、背中と下腹のピンク色がきれいです。 
  (見られる季節:一年中)

 

ツグミ(ヒタキ科)


 体の色や模様は様々。
 見分けのポイントは、眼の上の淡い黄白色の眉模様。
 冬になると姿を見せる渡り鳥で、個体によって色や模様にとても変化があるため、最初は違う種類かと思ってしまうことがあります。
 背中の色は、明るい茶色のものからグレーのものまであり、胸の白地に黒点模様も様々です。
 大きさ、姿勢やスタイル、見通しの良い草地でよく見られることなどの点で、ムクドリとは似ています。
  (見られる季節:冬)

 

トラツグミ(ヒタキ科)


 体は全体が黄色みの強い褐色。
 黒い斑が散っていてきれい。
 冬に渡ってくるツグミの仲間の中では、一番体が大きいのですが、林縁に出て来ることもほとんどないので、見つけづらい種類です。
 地上を歩き回って、ミミズなどを捕まえます。
 餌を捜す時には、嘴を使ってガサガサと落ち葉をひっくり返すので、その音を頼りに姿を捜します。
 春先の夜に、口笛のようなヒョーヒーとちょっと不気味な声で鳴きます。
  (見られる季節:冬)

 

コジュケイ(キジ科)


 眼の上から喉、喉の下の青灰色と、喉のから首の赤茶色が林の中では鮮やか。
 よく通って大きな鳴き声は「ちょとこい」と聞こえます。
 ほとんど飛ぶことなく、数羽の群れが、籔の中をガサガサと音を立てながら歩いています。
 大きさはキジの雌よりは小さく、ウズラよりは大きい、ハトぐらいの大きさですが、声ほどには姿は知られていません。
 大正時代に中国から移入された種類ですが、今ではすっかり日本の林のお馴染みです。
  (見られる季節:一年中)

 

 

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街かど自然探訪


 

 ヤワタ       カツシカ    ハチマングウ        シュウヘン
八幡・葛飾八幡宮の周辺 

  
 
八幡の中で、最も木々が多いのが葛飾八幡宮の周辺です。
 特に、八幡会館の横を抜けて、神殿の右脇にある千本公孫樹(センボンイチョウ)の裏に行くと、クスノキやムクノキの大木が繁っていて、ヒヨドリなどの絶好の休憩場所になっています。
 またその脇では、コツコツと枝をつついて餌をとるコゲラやシジュウカラも見ることができます。
 11月中旬になると千本公孫樹や参道のイチョウが黄葉して、きれいな並木道を散策できます。

 

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レッドデータブック掲載種紹介

 


 

 チ ュ ウ ヒ  分 類: 鳥類 ワシタカ科
  ランク: 絶滅危惧U類
   広々としたアシ原などに生息するタカです。
 オオタカなど、多くのタカが林で暮らすことを考えると、少し変わった環境で暮らしています。
 渡り鳥で、東北地方の一部などを除くと、日本には越冬のために飛来します。
 東京湾奥部では未利用の埋め立て地に成立したアシ原などをおもに活用していましたが、そういった場所もいまではわずかです。
 市内では行徳の鳥獣保護区に、毎年、飛来しています。

 

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くすのきのあるバス通りから



No.22 今回の観察は…

ゴミあさるカラス

 連休で、4日間道端に生ゴミの袋が出ていませんでした。
 最終日、買い物帰りにガサガサ音がするので見上げると、アパートの外階段で2羽のカラスがゴミ袋を破っていました。
 見つけるんですね。
 ドアが開いて住人と鉢合わせしたら、互いにビックリだったことでしょう。
 東京ではカラスを減らすために人間の生活を見直しています。
 市川でも、身近な鳥との距離や付き合い方を考えないといけませんね。
       (M .M .さん)

 

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むかしの市川


  このコーナーでは、博物館が1986年に行ったアンケート調査の結果から、むかしの市内の様子を紹介しています。(原則として回答の原文のまま)

  • 八幡町の中心に居た為、余り動植物には縁は有りませんでしたが、300m位南に行きますと田甫が一面と広がり、八幡神社の境内には、樹木が沢山ありましたので多少鳥とか虫などを見ました。又、境内や、原っぱが有りましたので凧あげ、キャチボール、ケン玉、メンコ、ベーゴマ廻しなど、充分子供として遊ぶ事が出来ました。 (八幡) 

  • 私が子供の頃は各自治会の軒数も少くバスも葛飾バスと言って現在の旧道だけ通り八幡発浦安を往復し乗する時は手を上げれば何処でも止り乗せてくれました。(妙典)

  • 現小学校は原っぱで消防の練習場でもあり凧あげ等子供あそび場でした。原や池(釣り)がたくさんあり今日はどこへ行こうかとまよったものだ。(市川)

 

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わたしの観察ノート No.57


 

◆大町公園より

  •  水辺を網ですくっているとマツモムシがいました(9/14)。 観察園では、全然記録がないはずです。飛べる水生昆虫は、けっこう飛来しているようです。 

  • オオタカを見ました(9/17)。 

    金子謙一(自然博物館))

  • ニオイタデやボントクタデ、アキノウナギツカミ、アメリカセンダングサなど秋の野草が見頃です(9/20)。 

    宮橋美弥子(自然博物館)

  • チャドクガを見ました(10/24)。尾端の毛に毒があり触れると痒くなります。

    清野元之(自然博物館)

  • ヨシゴイを見ました(11/7)。 ルリビタキ、キビタキ、ジョウビタキも確認できました。

  • ハンノキの林付近でノウサギの毛玉を発見しました(11/7)。 フクロウが落としていったのでしょうか? 

    以上 石井信義さん(菅野在住)


     

◆柏井雑木林より

  • ジムグリを見ました(10/16)。今年生まれの小さな蛇です。

    金子謙一

  •  アカゲラを見ました(10/20)。肉眼でも見られるほどの間近で30分位とどまっていました。

    小川 晃(自然博物館)


◆里見公園より
  • サメビタキを3羽見ました(9/23)。
  • エゾビタキ、キビタキ、オオルリ、アオバズク、ヤマガラを見ました(9/24)。鳥たちの渡りのピークを迎えているようです。
  • アオジとシロハラを初認しました(10/20)。
◆堀之内貝塚公園より
  • クヌギの木にいつものようにフクロウがいました(9/8)。
  • ツグミを初認しました(10/20)。
◆国府台3丁目の江戸川周辺より
  • 河川敷をやさしい声をだしながら飛ぶアオアシシギをみました(10/14)。
  • ジョウビタキを初認しました(10/20)。

    以上 根本貴久さん(菅野在住)

  • 坂川河口でカバマダラを見ました(9/6)。

    小川 晃
 
◆京成八幡駅周辺より
  • 上空を飛び廻っているアマツバメを見ました(9/25)。

    根本貴久さん
妙典少年野球場周辺より
  • マダラバッタがいました(9/4)。他にもトノサマバッタ、オンブバッタ、ショウリョウバッタが見られました。

    金子謙一

   ◎台風15号の直撃にあいましたが、その後は順調な秋の気候でした。


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