◆  市川自然博物館だより  ◆

 2002年2・3月号(第78号)
の特集 6

大きい鳥小さい鳥

市立市川自然博物館 2002年2月1日発行

 特集記事  街かど自然探訪  レッドデータブック掲載種紹介
 くすのきのあるバス通りから  むかしの市川  わたしの観察ノート



特 集  大きい鳥小さい鳥

 △左から:ササゴイ、ヨシゴイ、ゴイサギ。
       サギ類でも比較的脚が短くずんぐりとした仲間。
       (2ページ「サギ科」もご覧ください。)

 



鳥の特集VI『大きな鳥小さな鳥』

 
   鳥の大きさは、野外、特に開けた場所では目安となるものが無いためにわかりづらいものです。
 その上、双眼鏡で観察する時や図鑑の写真は、画面いっぱいにとらえてしまうために、小さいものは大きく、大きいものは小さく、けっこう勘違いしてイメージしがちです。
 たとえば、大町自然観察園の人気者カワセミは、スズメよりひとまわり大きいぐらいですが、大写しの写真からはずっと大きく思えてしまい、実物を見るとその小ささに驚く方がほとんどです。
 今回は、特に同じグループの中での大きい小さいに注目して、鳥の大きさについて考えてみます。

    

  サギ科

  △(左)コサギ・(右)ダイサギ
サギ類の中でも、脚も嘴も細長くスマートな体型をしている仲間
(表紙もご覧ください)。
 

 
 
サギ類は、大小の差が激しいグループです。
 ダイサギ級の下に、中位の大きさはいなくて、その下はコサギ級になってしまいます。ダイサギとアオサギは大人の腰丈よりも大きく、他の鳥と混じると頭一つ分以上大きいため、さらに大きく感じられます。
 コサギ級には、コサギよりひとまわり体が大きいチュウサギ、ゴイサギ (表紙写真) などがいて、アマサギ、ササゴイは多少小さめです。ヨシゴイはさらに小さいのですが、ヨシの間に隠れるポーズが独特で、大写しの写真で紹介されることが多いために、大きくイメージされがちの種類です。
 ダイサギ、チュウサギ、コサギは普通白鷺と呼ばれています。姿形がそっくりなのはもちろん、目安のない開けた場所を好むので大きさの違いもわかりにくく、一般の方々にはあまり区別されないようです。

                              

ワシタカ科


 
 △(左)ツミ・(右)トビ
  ワシタカ類は市内にはそれほど数は多くなく複数が並んで見られることはまずない。

 ワシタカ類というと、ウサギなどを果敢に狩ると思われがちですが、それは大型のワシタカの話で、体の大きさによって獲物は変わってきます。
  里のタカとして馴染み深いトビは大型ですが市内には少なく、市内にはより小さな種類が多く生息します。
  カラスぐらいの大きさのものには、ノスリ、オオタカ、チュウヒ、サシバなどがいます。
  これらの獲物は、ハトくらいの大きさの鳥か、ネズミやカエルなどの小動物です。
  またハトぐらいの大きさのものには、ハイタカとツミがおり、獲物はさらに小さくなり、小型の鳥が中心的な餌になっています。

 

フクロウ科



 
 △(左)アオバズク・(右)フクロウ
 アオバズは夏鳥で、市内で繁殖もしている。
 フクロウは一年中見られる。
  フクロウ類は、どちらかというとサイズが大きくイメージされているようです。
  昔話の挿絵などでも、しばしばキツネやタヌキと同じくらいの大きさに描かれています。
  実際は、フクロウ類の中でも大きい方の、フクロウでさえカラスと同じぐらいの大きさです。
  ずんぐりとした体型や、暗闇から急に飛び出す姿に驚いて、大きく感じるのかも知れません。
  ワシタカ類同様、フクロウ類も体に合わせて、フクロウは野ネズミを、アオバズクは蛾などの昆虫を主な餌にしています。
  市内では他にオオコノハズク、コミミズクが時折見られますが、いずれもアオバズクより少し大きいくらいです。
 ちなみに北海道に生息しているシマフクロウは、他とは比べられない位大きく、こど
もがしゃがんだくらいあります。

 

                     

 

ガンカモ科

    


  △(左)カルガモ・(右)コガモ
  カルガモは一年中見られる。
  コガモは冬鳥で雄 (写真) に比べると雌は全体地味で褐色。
 冬のじゅんさい池公園には、数種類のカモが 500羽以上、集まってきます。
  一見すると皆同じですが、大きさとシルエットからだけでも、名前のだいたいの見当をつけることができます。
  カモ類は、他の仲間に比べると大〜小の差は大きくありませんが、おおよそ大、中、小に分けられます。
  カルガモ級の大型はマガモぐらいですが、ひとまわり小さいオナガガモはその長い尾と首で、ハシビロガモは大きく特徴的な嘴で他より大きく見えます。
  中型には、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロなど多種います。
  コガモ級になるとかなり小さく他にはあまりいませんが、カイツブリと間違えたり若鳥と思ったりしてしまいます。
  



 

キジ科

 

    △(左)キジ・(右)ウズラ
   キジは日本の国鳥、写真は雄。
   雌は地味な体色。
   ウズラは雄雌同じ模様。

  キジ類も大、中、小に分けられますが、大型のキジと小型のウズラでは、親子と見間違えるほど大きさに差があります。
  キジは、ニワトリぐらいの大きさで、他に雄が長い尾を持つことで有名なヤマドリがいますが市内では見られません。
  中型にはコジュケイがいます。
  キジとコジュケイの雌は、どちらも雄と比べると地味な色彩をしていて丸っこい体型、主に地上生活をしているなど、似ている点がたくさんあります。大きさは明らかに違いますが、草むらや籔の中に潜んでいることが多いので、尾の長さや色彩など他の特徴も判らないと区別できません。
 博物館ではウズラの市内での目撃記録はありません。
  もし見られても飼われていたものが逃げだした可能性が高いです。
 

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街かど自然探訪


 

    ワカミヤ    オク  ノ     イン     ウメ  
若宮・奥之院の梅

  
  
法華経寺から北東の方向に進んでいくと、奥之院があります。
  奥之院は、鎌倉時代に日蓮が若宮に難を逃れできた場所です。
  周りは、今でも土が高く盛られ、大樹が繁っている部分は、往時の館を取り囲む土塁の一部で、この館の跡を「若宮館跡」と呼んでいます。
  日常上人御廟所の周りには、数十本の背丈の低い梅の木が仕立ててあり、2月の上旬から中旬頃に訪れると満開の梅の花を間近に見ることができます

 

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レッドデータブック掲載種紹介

 


 

ス ナ ヤ ツ メ  分 類: 魚類 ヤツメウナギ科
  ランク: 絶滅危惧U類
 さらさらと流れる小川の砂底に生息します。魚としては原始的な体のつくりをしていて、あごが無く、鰓(エラ)も体の側面にあいた7対の鰓穴でできています。また、幼魚は変態をし、姿を変えて成魚となります。
 市内では長田谷津(大町公園)と、その水系にだけ生息していますが、早春に行なわれる集団産卵は長田谷津のごく限られた場所でしか観察することができず、危うい状況が続いています。

 

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くすのきのあるバス通りから



No.23 今回の観察は…

『センダンとヒヨドリ』

 
  連休で、4日間道端に生ゴミの袋が出ていませんでした。
 最終日、買い物帰りにガサガサ音がするので見上げると、アパートの外階段で2羽のカラスがゴミ袋を破っていました。
 見つけるんですね。
 ドアが開いて住人と鉢合わせしたら、互いにビックリだったことでしょう。
 東京ではカラスを減らすために人間の生活を見直しています。
 市川でも、身近な鳥との距離や付き合い方を考えないといけませんね。

(M .M .さん)

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むかしの市川


  このコーナーでは、博物館が1986年に行ったアンケート調査の結果から、むかしの市内の様子を紹介しています。(原則として回答の原文のまま)

 

  • 通称木下街道のうち深町坂地先より中山競馬場駐車場地先まで未舗装道路(S12年頃まで) 、冬は霜どけで泥路、夏は埃でくるぶしまでむぐる。 (中山)

  • 我が家は古くからこの地に住んで裏山にはあまり他人が入らなかったので色々と珍しい植物があったのですが特に保護せず雑草などに負、現在は数少なくなりましたがそれでもよく見つけたら結構あると思われます。 (北方) 

  • 昭和初期の頃は家は農家6、7軒で本八幡駅も無く見渡す限り水田で道路は砂利道で静かで空気も良くさむしい位でした。昭和十年頃はこの辺もフナやナマズ、ドジョウ、ウナギ、イナ等もたくさん居りまして勿論水草もたくさんありました。原ッパはたくさんありまして寒いのに毎日凧上げをやったものです。(東大和田)

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わたしの観察ノート No.57


◆大町公園より

  • ナツヅタの葉が真っ赤に色づいていました(11/3)。 まだ他の木々の葉が緑なので、葉の隙間から垣間見る紅葉です。

  • ニホンアカガエルのおなかがパンパンにふくらんでいました(12/2)。 無事に2月の産卵まで行ければいいのですが。

  • ヨシガモを見ました(12/10)。大陸の冷たい空気に包まれた寒い朝に、オカヨシガモと一緒に飛来していました。

  • ミソサザイを見ました(12/25)。斜面のすそのところを忙しく飛び回っていました。地鳴きの声はウグイスにそっくりです。

    金子謙一(自然博物館))

  • クビキリギスを見ました(10/24)。この虫は成虫で越冬する鳴く虫の仲間で、春にジーと鳴いていたらクビキリギスです。

    清野元之(自然博物館)

◆柏井町周辺より

  • 梨畑の垣根にキカラスウリの実がぶら下がっていました(11/17)。これから黄色くなっていくのでしょう。

    金子謙一

  • ビワの花が咲いていました(12/15)。冬に咲くバラ科の樹で、がくはビロードのような毛で覆われ暖かそうなです。

    宮橋美弥子(自然博物館)

里見公園より
  • アカゲラを見ました(11/24)。
  • ルリビタキを見ました(11/25)。
堀之内貝塚公園より
  • フクロウが数羽のヒヨドリにモビングされ別の木に飛んで移動していました(11/18)。
じゅんさい池公園周辺より
  • ハヤブサを見ました(10/28)。じゅんさい池の斜面林からカラスに追われて南へ飛んでいきました。翼の形が特徴的でした。

手児奈霊堂周辺より
  • 小さな池にカワセミがいました(12/9)。  
国府台3丁目の江戸川周辺より
  • ヒドリガモの群れの中にアメリカヒドリ、コガモ、マガモがいました(11/17)。
  • ミコアイサを見ました(11/18)。5年振りの観察です。 

    以上 根本貴久さん(菅野在住)

江戸川放水路周辺より
  • スズガモの群れが水面で休んでいました(11/13)。他にカンムリカイツブ、オナガガモ、ホシハジロなどの冬鳥が見られました。

    金子謙一

  ◎11月は暖かい晩秋でしたが、12月に入ると冷え込みが厳しくなりました。

 

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