自然博物館だより 8,9月号

市立市川自然博物館 2004年8月1日発行

     

 特集記事  街かど自然探訪  こんないきもの飼ってます
 くすのきのあるバス通りから  自然博物館のめ  わたしの観察ノート

 


 

特 集
 市川のクワガタムシ  

 


 

 今でも、子供たちに人気のある昆虫といえば、カブトムシとクワガタムシでしょう!
 今回は、市川市内で見られるクワガタムシの生態やノコギリクワガタの大あごの違い、飼い方について紹介します。
 まずは、ノコギリクワガタとコクワガタの違いです。

    

ノ コ ギ リ ク ワ ガ タ
 体長は、約3〜7cmです。
 オスは、体長の大きさによって大あごの形が大きく変化します。
 小型のものは、大あごも小さく、まっすぐ伸びていますが、体長がだんだん大きくなってくると、大あごも大きく発達し、弓形に曲がってきます。大型のものほど特徴的で、なんとも魅力的な大あごになります。
 大あごのはさむ力は見るからに強そうですが、手をはさんでみるとそれほどでもないことに気づきます。
 成虫は、夜間にコナラやクヌギの樹液に集まり、昼間は、木の根元のやわらかい土や落ち葉の中で過ごします。
 夏に野外で捕まえた成虫は、秋から冬の間に死んでしまいます。
 ノコギリクワガタの成虫は越冬できません。

 

ノコギリクワガタの成虫の写真

△ ノコギリクワガタ

 

ノコギリクワガタの体長の大きさと大あごの違いの比較写真

△ ノコギリクワガタの大あごの違い 

 

 

 

 

コ ク ワ ガ タ

 体長は、約2〜5pです。オスは平たく小さめの大あごですが、はさむ力は強力です。
 手をはさまれると、あとがつくくらい強烈です。
 成虫はノコギリクワガタと同様に、夜間に活動してコナラやクヌギの樹液に集まりますが、昼間は、木の洞や裂け目にじっと潜んでいます。
 このような性質を潜洞性といいます。
 コクワガタの成虫は、越冬することができ、翌年の夏に再び活動するものもいます。
コクワガタの成虫写真

コクワガタ

 

 

 

 

 

クワガタムシの生活

 

 クワガタムシは、雑木林に住んでいる昆虫です。
 成虫は、夜間から早朝にかけて、活発に樹木で行動して、餌の樹液が出ている場所を探します。

・交尾と産卵
 
オスとメスが出会うのは、樹液が出ている餌場の周辺です。メスがフェロモンという匂いの物質をだして、オスを誘います。交尾が終わると、メスは産卵場所を求めて移動します。
 産卵は、朽木の中でも、落葉広葉樹の朽木に好んで産卵します。産卵する朽木を選ぶと、大あごを使って穴を掘り、産卵管を差し込んで卵を産み付けます。
 卵は1つの穴に1個を産み付けて、そのあと丁寧に埋め戻します。種類によっては、産卵するときに、ハッキリとした産卵痕を大あごで表面に刻む種類もあります(コクワガタやルリクワガタ)。

 

・孵化から幼虫そして成虫
 
産み付けられた卵は、約2週間で孵化します。
 幼虫は、最初に朽木のやわらかい部分を食べて育ちます。成長した幼虫は、脱皮を2回繰り返して、3齢幼虫になります。
 十分に成長するとサナギになるための部屋(蛹室)を作ります。蛹室は、幼虫の大きさの約2倍で、周りの壁を糞でしっかりと固めて作ります。蛹室を作り終えると幼虫は体内の糞をすべて出してサナギになるのを待ちます。
 約3週間ほどすると頭部が割れて、サナギへと脱皮します。
 サナギは、3〜4週間後に成虫に羽化します。羽化が終わり、体が完全に固まるまでには、普通一ヶ月以上かかるため秋に羽化したものは、蛹室の中で冬を越し、翌年の夏に野外に出て行きます。  ただし、初夏に羽化したものは、晩夏に野外に出て行くものもいます。

 

朽木の中にいたクワガタの幼虫写真
 △ 朽木内の幼虫
・クワガタムシの天敵
 クワガタムシの成虫の天敵は、鳥類や哺乳類です。
 クヌギやコナラの近くに落ちている死がいは、カラスなどに食べられたものです。
 幼虫は、朽木の中にいるため、比較的鳥類や哺乳類におそわれないのですが、コメツキムシの幼虫や寄生バチなどが天敵です。

 

クワガタムシの生活の図
 クワガタの生活

 

 

 

 

クワガタムシの飼育方法
・飼育ケースの作り方
 
幅30cmの飼育ケースに、適度に湿らせた昆虫マットを深さ5pにしいて、止まり木と餌場をつくればできあがりです。
 昆虫マットの湿り気は、目安として、手のひらでギュッと握っても水滴が出ないていどで、少し固まるくらいがちょうどよい湿り気です。
 湿気が多すぎるとカビやダニが発生して、クワガタムシが死んでしまいます。
 昆虫マットの表面が乾いてきたら、キリ吹き器等でお水を散布します。

・飼育方法
 クワガタムシは、オスどうしの縄張り意識が強く、大あごで激しく争うため、同じ種類のオスとメスを1ペアで飼育した方が良いです。
 やむをえず数匹のクワガタムシを同じ場所で飼う場合は、大きめの飼育ケースに姿を隠す場所や餌場を2、3ケ所つくって置くと大丈夫です。 
・餌                
 餌は、バナナや市販の昆虫ゼリーがお勧めです。
 昔から餌として与えてきたスイカやメロンは水分が多く、おしっこが増えてケース内がすぐに不潔になります
クワガタの飼育ケースの写真
飼育ケース

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街角自然たんぽう

 かけまま                              
 欠真間・欠真間公園

サルスベリの花の写真

 欠真間2丁目にある欠真間公園に7月初旬に行ったところ、サルスベリの真っ赤な花が咲いていました。
 木がまだ高くないので、間近で観察することができます。周りに植えられたマテバシイには、青い実がたくさんなっており、秋にはドングリ拾いができそうです。
 隅のほうには、柿の木も1本だけあり、まだ青い実がいくつもなっていました。 
 小さい公園ですが、何種類かの実のなる木があり、花には蝶々が、実には野鳥が来ていて、楽しい公園です。

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博物館でこんないきもの飼ってます

 ゲ ン ゴ ロ ウ

ゲンゴロウの飼育水槽の写真

 肉食で結構乱暴ものですが、黒くてピカピカした体に大きな眼、見た目はとても愛らしい姿をしています。
 後足で上手に梶を取りながら、水草の間をぬうように小気味よく動き回るので、見ていても飽きません。
 泳ぎながら時々、おしりからまん丸の空気の泡をポコポコっと出します。おならをしているようで、おかしいです。
 水棲昆虫はあまり動かないものが多いなかで、ゲンゴロウは飼っていておもしろい昆虫です。。

       

こんなふうに飼っています  

  
※ ※ ※ レイアウト ※ ※ ※  

・ 水 ……  水槽の半分ぐらい入れています。あまり汚さないので、水替えは様子を見ながら少量づつ換えています。
・ 陸 地 …  レンガにコケを植えつけた陸地を作ってあります。人目のない時に上がって体を乾かしています。
・ ふ た …  必ずします。飛ぶことができるので、蓋にあるすき間も塞いでおかないと、夜の間に逃げられてしまいます。
・ エアー …  水の表面にできる膜を防止するために、チューブから少量出しています。
・ 水 草 …  掴まって休憩するので必要です。入れすぎると、泳ぐのが見られなくなってしまいます。


※ ※ ※ 餌 ※ ※ ※  

・ 肉食です。冷凍ワカサギを解凍した切り身を与えています。週に2〜3回、ゲンゴロウの頭の大きさぐらいのものを、もぐもぐと食べてしまいます。
 博物館で飼育しているものは慣れているので、ピンセットから直接とります。 

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くすのきのあるバス通りから

 博物館の「ホタルを学ぼう」に参加しました。今年のホタルは、たくさん出ていました。娘や友達も満足していました。ホタルの光や命のはかなさ−−何だか胸にこみ上げて来るものがあります。
 ところで、我が家には娘が学校から持ち帰ったメダカがいます。
 この暑さで、快適産卵環境であるらしく、毎日卵を産んでいます。でも、悲しいかな、全部孵化はせず、カビが生えたり、「どこに産み付けたの? まさか、お腹に付けている内に食べられてしまったの?追いかけ回されていたよね・・・」と厳しい現実の中、2匹のチビ助が育っています。
 「メダカの学校」という歌があるように、日本人の原風景として里山、小川、農地があり小動物があります。しかし現実には、在来種と移入種の問題や地域の自然の変化などが大変深刻な問題となっています。
 「飼育してどうでしたか?」「何か分かりましたか?」と問いかけるだけではなく現実にも目を向けられるようなメダカの単元であるといいと思います。            (M.M.)

 

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自然博物館の

博物館のめ


オニヤンマ科  オ ニ ヤ ン マ

オニヤンマの生態写真

オニヤンマのヤゴのアップ写真
 空中でホバリングするメス。 いかつい顔をしたヤゴ。普段は砂に潜っている。
オニヤンマの産卵場所の写真 オニヤンマの分布図
 斜面裾の湧水の流れで産卵する。
 まとまった環境の生息地は長田谷津しかない。

 

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わたしの観察ノート 


◆大町公園より

  • トカゲの仲間のカナヘビとヘビの仲間のジムグリを見ました。奥の池ではアオダイショウが泳いでいました(5/13)。

       宮橋美弥子(自然博物館)
  • 今年初見のツマグロヒョウモンを3頭見ました(5/21)。24日には雄雌1頭づつ見ました。

       土居幸雄さん(大町在住)

  • まだ羽化したばかりのミドリシジミが、足元に止まっていました(6/3)。

       小川 晃(自然博物館)

  • オニヤンマが続々羽化し始めていました。この日の朝は6匹が羽化していました(6/28)。

リハビリパーク前大柏川周辺より

  • アカミミガメが甲羅干しをし、キアシシギとコチドリの姿を見ました(5/28)。

    以上 金子謙一(自然博物館)
      

市営霊園周辺より

  • ネムノキの花が満開でした(6/23)。正門内側の一本は、枝ぶり、花の数、姿形が見事でした。

      介川武夫さん(曽谷在住)
      

◆柏井雑木林周辺より

  • クリの花に、蜜を吸いにアカシジミなどのチョウの仲間、花粉を食べに甲虫類が集まっていました(6/2)。

      清野元之(自然博物館)

里見公園周辺より

  • サンコウチョウがさえずっていました(5/22)。一瞬、顔が見えましたが、どうやら雄のようです。

小塚山公園より

  • ヤマガラが営巣していました(5/23)。アカメガシワの枯れた幹に開けられた樹洞に親鳥が青虫を運び入れているのを確認しました。

    以上 根本貴久さん(菅野在住)
  • キンランが咲いていました(5/9)。1株だけでしたがとてもきれいでした。
  • アカシジミとヨツスジハナカミキリがネズミモチで吸蜜していました(6/5)。

  ◆じゅん菜池公園より

  • ビロードハマキガがゴンズイにとまっていました(6/20)。派手ながらケバイ姿が印象的でした。4/3)。

  ◆堀之内貝塚周辺より

  • ニイニイゼミの声を始めて聞きました(6/27)。

     以上 道下誠さん(中国分在住)
  • イヌザクラの実が赤く色づき、深緑を背に目立っていました(6/24)。

      介川武夫さん(曽谷在住)
◎ 5月に3回の真夏日、6月6日に梅雨入りしましたがあまり降りませんでした。

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