長田谷津の
水生生物
流れたり、たまったり、水の姿はいろいろです

水辺の生き物たちは、水の姿に合わせて暮らしています

長田谷津を流れる水の水源は、大半が湧水です(最奥部の池にはくみ上げの井戸水が入っています)。しかし、源は同じでも流れ出した後の水の姿は多様で、大きくは「湧水が流れる細い水路」・「谷の水を集めた幅広い中央水路」・「湿地のあちこちにあるたまり」の3つのタイプに区分することができます。水の姿が変わると、例えば水温などにも違いが生まれ、そこに生息する水生生物の種類にも違いが生じてきます。

長田谷津の地点別水温(2001年)


長田谷津の地点別水温(2001年)の変化のグラフ、 4月、湧水の水路16.2℃、中央水路18.7℃、たまり18.5℃。6月、湧水の水路17.6℃、中央水路22.8℃、たまり35.1℃。11月、湧水の水路12.6℃、中央水路14.6℃、たまり13.6℃。
長田谷津の水の姿を代表する3地点で測った水温。グラフでは、特に6月の水温差が顕著であるが、これは夏の間、全般的に続く傾向である。


あらゆる水辺で暮らせるアメリカザリガニ
アメリカザリガニの見つかった地点の図
アメリカザリガニが見つかった地点
旺盛な繁殖力と劣悪環境にも耐える適応力を持つおかげで、水辺のタイプにかかわらず、長田谷津全域で幅広く数多く見られる。
中央水路に多いヨコエビ類
ヨコエビ類が見つかった地点の図
ヨコエビ類が見つかった地点
谷津全体に幅広く生息し、湧水の流れる水路でも、たまりでも見られるが、中央水路でも多く記録された。
たまりに多いカダヤシ
カダヤシが見つかった地点の図
カダヤシが見つかった地点
夏場に高水温になる「たまり」には、たくましい帰化生物が多く、カダヤシ、ウシガエル(おたまじゃくし)、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)、アメリカザリガニばかりが目につく。
湧水が流れる水路を好むオニヤンマ(やご)
オニヤンマのやごが見つかった地点の図
オニヤンマのやごが見つかった地点
この調査では斜面裾の湧水の流れの測点が少ないので目立たないが、実際には斜面裾の水路ほぼ全域に生息している。

※図は長田谷津の地形を、横に5割増しの縮尺で変形したもの。




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