アオカワモヅク
春先の水路に生える淡水性の藻類で一時は絶滅寸前でしたが、

数を増やすことに成功しました

長田谷津のアオカワモヅクは、真冬の2月頃から生育をはじめ、水路に他の植物が茂る5月には消えてしまいます。淡水性の藻類は非常にデリケートな存在で、長田谷津においても、一時は数株しか見られないところまで追い詰められました。しかし、生育環境の向上につながると思われる取り組みを2000年、2001年と行った結果、2002年には50株を超すまでになり危機的状況を脱することに成功しました。

アオカワモヅク生育環境向上の取り組み


2000年の作業
・生育場所である中央水路に繁茂したヨシの刈り取り、水中にたまった枯れ葉などの除去を行った。
・この結果、従来よりも下流に生育場所が移動した。藻体が付着していた枯れ茎などが流されて下流へ移ったと考えられる。

2001年の作業
・従来の生育場所の上流の中央水路を強く浚渫し、水の流れをよくした。
・中央水路の水源の1つである上流の池(井戸水が水源)に放されていたコイ400匹を捕獲して最下流の池に移した。
・秋に、水中を攪乱しないように岸からヨシの刈り取りを行った。
・中央水路に沿って埋設された汚水管の維持管理を頻繁に行い、詰まりによる生活排水の流入を最小限に食い止めた。
・この結果、前年に下流に移動した群落だけでなく、従来の生育場所においても多数の株が生育するに至った。


 アオカワモヅクの写真
アオカワモヅク
早春の水路に生えるアオカワモヅク。ヨシの茎や枯れ枝などから藻体が伸びてくる。
 
アオカワモヅク生育地点
アオカワモヅク生育地点 2002年4月1日の図
2002年4月1日の記録。
株数が多いので黒丸を横に並べて記したが、実際はすべての株が中央水路の水中にあった。生育場所が限られた範囲に集中していることがわかる。

アオカワモヅク群落規模の経年変化
アオカワモヅク群落規模の経年変化の表 1998年2株、1999年8株、2000年6株、2001年10株、2002年51株。
2002年になって株数が急増し、1998年以降の危機的状況を脱した。




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